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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第1シーズン 冒険者世界アリスト編
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第15話 やっかいな依頼

 ゴブリンキング討伐でいっぱい報酬もらってよかったなー、って思っていたら……

史郎は、大変な目に遭いそうです。


 宿に帰ると、ルルがお城から戻っていた。


 リーヴァスさんが家購入の保証人になってくれたそうだ。ありがたや。

 しかし、リーヴァスさんには、ルルのことを初め、途方もなくお世話になってるなあ。いつか、お返しできたらいいんだけど。

 ルルには点魔法のことを話しておく。


「え! レベル8ですか?」


 やっぱり、レベル8は凄かったんだね。


 いろいろ試してみたことを話す。「でも、それで何ができるのでしょうか」と返された。

 グサッと心に刺さるよ。スキル持ってる自分自身がそう思うもん。とにかく、点魔法のさらなる検証は後回しにしておき、引っこしを進めよう。


 カラス亭の部屋には荷物も少ないし、ルルのポーチも使えるので、日が暮れる前には、大まかな仕事が終わっていた。

 後は、部屋の掃除やおかみさんたちへの挨拶くらいか。


「ルル、今日は新居とこっち、どちらで泊まる?」


「そうですね。

  挨拶などのことを考えると、こちらに泊まった方がいいかもしれませんね」


 おかみさんには、近く引っこすことは伝えていたが、いよいよ明日だと告げると、寂しそうな顔をされた。


「ここの食事は美味しいですから。

 ちょくちょく寄らせてもらいますよ」


「そうしとくれ。

 夕食代は、いらないからね。

 遠慮せずに、たんとお食べ」


 おかみさん、ええ人や~。


 宿泊客の中にゴブリン討伐の話を知っている人がいて、この日のカラス亭は深夜まで盛りあがった。


 ◇


 翌日、俺は昼頃目が覚めた。 


 ルルはすでに出かけた後だった。寝坊だね、やっちゃったよ。夜更かし厳禁。

 おかみさんと旦那さんに、用意していたお礼の品を渡してから宿を出た。二人は外まで見送りに来てくれた。感謝です。


 さて、新居に行ってもゴロゴロするだけだろうから、久しぶりにギルドに顔を出すかな。


 ◇


 ギルドは、いつもより賑わっていた。

 まあ、あれだけの討伐だからね。参加しなかった冒険者にも、刺激になったんだろうね。

 丸テーブルの一つを、『ハピィフェロー』の面々が占めていた。

 うわ~、なんかオーラが出てるよ。

 周囲からの視線も、以前とは違うみたいだね。ゴブリンキング効果、凄いな。


「おう、久しぶりだな」


 ブレットが声を掛けてくる。

 うはーっ、周囲の冒険者から突きささる視線が痛いよ。


「皆さん、こんにちは。

 先日は、本当にお世話になりました」


「お前自身も命を張ったんだから、そんなに遠慮するな。

 敬語は要らんぞ」


 まあね。あんまり丁寧過ぎると、他人行儀になっちゃうからね。


「今日は、ルルちゃ……ルルさんは、いないのか?」


「ええ。

 ルルは別行動です」


 ブレット以外のパーティメンバーが、意味ありげな視線を交す。ちょっと話題を変えとくか。


「ところで、気になってたんですが、ゴブリンキングの死因って分かりました?」


「それがな、いくら調べてもさっぱりだ。

 ギルドには腕の立つ解体屋がいるから、そいつにも見てもらったんだが、原因不明だとよ」


 頭の片隅に、もしかしたらって可能性は浮かんでるんだけど、あまりにも荒唐無稽な推測なので黙っておく。


「ギルマスは?」


「今日は、お城に行ってるみたいだぞ。

 こないだの討伐が、お城でも評判になってるらしい」


「そうですか」


 噂をすれば影。入り口からマックの巨体が入ってくる。こちらに気づくと、近よって来た。


「ルーキー、久しぶりだな。

 あんまりしつこくしてると、ルルに嫌われるぞ」


 そういうセクハラおやじこそ、嫌われると思います。


「しかし、面倒なことになったぜ」


「どうしたんですか」


「この前、お前らがゴブリンキング倒しただろうが。

 あれがお城で評判になったのはいいんだが、勇者パーティの肩身が少し狭くなってな。

 それじゃ困るってんで、面倒を押しつけられたんだ」


「面倒って?」


「ドラゴン討伐のサポートをしろとよ」


 ざわついていたホールが、シーンとなった。


「ド、ドラゴンですか」


 ブレットが、かなり驚いている。

 ドラゴンってなんか凄そうだし……きっと凄いんだよね。


「それでな、お前ら『ハピィフェロー』は全員強制参加だ」


「「「えええっ!」」」


 冒険者たちも、ざわついている。


「俺ら銀ランクですよ。

 ドラゴンなんて、どうやったって無理ですって」


 ブレットが、呆れたような声を出す。


「いや、お前らが倒す必要はねえんだ。

 それは勇者の仕事でな」


「はあ~。

 しかし、サポートって言っても、ドラゴン相手だと、な~んにもできませんよ」


「まあそうだな。

 ワシもそう言ってやったんだが……。

 とにかく勇者パーティの面目を立たせなきゃならんらしい」


 うはー、馬鹿らしい。何ですか、それは。


「とにかく、七人はすぐ準備に入ってくれ。

 陛下からの指名依頼だ」


 え? 七人っていいますと……。

 『ハピィフェロー』の五人とギルマス。あれ? これじゃ六人か。

 『ハピィフェロー』とギルマスとキャロ? んな訳ないか。


「ルルにも伝えといてくれや」


 ええ、分かってましたとも。現実逃避してましたよ。


「しかし、俺はまだルーキーでして……」


「討伐の報酬、均等に分けただろ」


 あ、なるほど、そう来ますか……って、これはもうダメだな。


「お前たちは、二階の会議室で待ってろ。

 ルーキーは、急いでルルを連れてきてくれ」


 へいへい。しかし、何ですかね~、この展開は。俺の人生目標、くどいほど言ってるでしょ。くつろぎだって。ほのぼのだって。昼寝だって。

 何ですか、これは。ここは、怒ってもいいところだと思うのよ。


「国王の指名依頼だと、さぼったりしたら確実に首が飛ぶからな」


 チェック(もうすぐ詰むよ)じゃなかった。チェックメイト(おまえはすでに死んでいる)だった。

 いつもお読みいただきありがとうございます。

なんと、ゴブリン討伐の次は、いきなりドラゴン討伐ということになりました。

さあ、史郎とルルはどうなるでしょうか。

そして、加藤たちの運命は? 

え? 加藤って誰? それは、第1話、第2話をご参照ください。

 それでは、次回にご期待ください。


ー ポータルズ・トリビア - ポータルズ世界のドラゴン

 ファンタジー世界では、よく登場するドラゴンですが、お話によってその性格や強さはまちまちの様です。

 ポータルズでのドラゴンは、敵う者のいない、とても強い存在です。


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