昼休み
2-4。
時間は12時20分になろうとしていた
4時限目の授業があと5分で終わる。
「おい、空っ!!起きろーっ」
ちょうど真後ろに座っている空を起こそうと
こそっと空に声をかける。
が、返ってくるのは気持ちよさそうな寝息だけだ。
よくこんな格好で寝れるなこいつ...
しょうがない...
ガンッ!!
思いっきり後ろの机を蹴った
ィィィーンと余韻が響く
そしていっせいに視線が集まる。
ここで空の得意技発動だ
一般人なら、びくっとなりあくびをし
寝ぼけながら顔を上げるところだが
空は視線が集まるより速く顔をあげ、
何もなかったかのように振舞うことができる
まぁ、もちろん空周辺の人は居眠りに気づいているだろうが
空が言うには先生にバレなければいいとか。
実のとこバレバレだっていうのは本人には伝えていない
伝えたら堂々と深い眠りにつくだろう
空はそんなやつだ
時計の長針が25に重なると同時に終業のチャイムが鳴る
「きりーつ、れーい、ちゃくせーき」
眠たそうな学級委員長が号令をかける。
「なぁ若葉今日は何がいい?」
「もちろん焼きそばパンで!!」
「おけーいってくるぅー」
いってらーと手を振る。
そのときにはもう空は教室には居ない。
あいつの飯がかかったときの行動はすばらしいほどいい
なので私は空にいつも昼飯調達を任せている。
もちろんただではない
居眠りしている授業のノートを見せてやらなければならない
まぁ、昼飯がそれくらいのことで手に入るなら...って感じだ。
でも...いつも授業を真面目に受け、
家でも予習復習をしている私より
いつも授業を寝て過ごし、
家でもろくに勉強を居ていない奴のほうが
定期テストで私の成績の上をいくというのは
一体どういうことなんだろう。
「たっだいまー☆」
空がダァーッっと私の机の上にパンを並べた
その直後
「また負けたぁぁぁあああああ!!!!」
と喚き散らして教室に戻ってくる男子
「空の奴ホントに吹部かよ...陸上部でも勝てねぇよ...」
空がふふんと自慢げに胸をはる。
「お前が陸上部だったら完全脳筋だよなぁー」
いつのまにか背後に立っていた美雪先生が言った。
気づいていなかったのは私だけらしく
私以外誰も驚いたような表情を浮かべなかった。
「そりゃ酷いですよせんせーい!!」
クラス中にどっと笑いが起こる。
「ほらー早く食わねぇと5時限目始まるぜー?」
「あっやば!!若葉食うぞ!」
「お、おう」
こんな平和な昼休みが
永遠に続けばいいのになと思う。
お久しぶりです!
...受験生も大変なのですよ。