願い
「...あと1ヶ月きったね」
地区大会まであと1ヶ月をきった
ステメンになれなかった人は次の機会を逃すまいと必死で
ステメンになれた人も次の試験で絶対落ちるもんかと必死だった
「頑張んなきゃ」
今までになかった空気が部内全体に広がっている
息がつまるような感覚に襲われるほどだ
私は一瞬逃げ出したい衝動に襲われた
「気張りすぎるなよ」
きっと皆同じこと思ってるんだろうな
辛いとか苦しいとか怖いとか
今までとは違う何かを抱えながら
「そういうお前もな」
立ち止まることは許されない、いや怖くて立ち止まれない...か
皆それぞれ何かに追われながら今を歩んでいる
でも、今までと変わらないところもないわけではない
「あはは」
辛いだけが音楽じゃない
辛いだけなら音楽なんて言わない
そんなの音苦じゃないか
「おいおい、そんな顔すんなって」
音を探し、自分を探し...大変なことばかりだよ?
でも、もしそこに辛い以外の思いがあるのなら
それが真の音楽なんじゃないか?
「お前も変な顔してんじゃんか」
音楽に答えはない
どれが正解だなんてない
皆いろいろな音楽を持っている
「これはもともとですよーだ」
自分を探すように
音を探していけばいいじゃないか
他人に縛られるほどつまらないことはない
「それは悪かったな」
それぞれの個性が生きてこそ音楽でしょ?
いなくていい人がいないように
いらない音なんてない
「むぅー!そーゆーこというと拗ねるんだからなぁー!!」
皆が音楽のことをもっと知ってくれたら
皆が音楽のことにもっと気づいてくれたら
皆が音楽のことをもっと表現せたら
「拗ねろ拗ねろ!そして私を楽しませなさい!」
きっとね
音楽を見る目が、心が
変わるんだろうなと思う
「意味わかんねぇーよ!」
はやくそんな日が来ればいいのにな
そしたら
そしたらね...
「 」
「何?何か言った?」
「ううん、何も言ってないよ?耳まで悪くなったの?」
「なーにをー!!」
「きゃぁー!空が怒ったぁー!!」




