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偽物と断罪された令嬢が精霊に溺愛されていたら  作者: 影茸


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作戦開始

 それから私は準備に準備を重ね、様々な手を打った。

 まず、噂を国内に流した。


 カシュアと私が不仲であること。

 カシュアが一方的にマレシアを疎んでいること。

 迷い込んできた魔妖精をカシュアがいじめていたこと。


 もちろんそれは事実と反するもので、カシュアは必死に否定したいた。

 自分はマレシアに謝罪したいのだと。

 けれど、聖女として動いていた実績がないことも相まり、その弁解を信じるものはいなかった。

 そして私は自分のことに関しても噂を流した。


 私が日々寝言で誰かに謝っていること。

 陰で魔妖精を保護する活動を始めないか聞いていたこと。

 何より、聖女という存在について調べている、と。


 その噂の成果があり、王国内では徐々にこういう噂が流れ出していた。


 すなわち、聖女カシュアは王子を騙した悪女ではないかと。


「ふふ、本当に単純だな」


 そんな王国内に流れる噂に笑いを浮かべながら、私は帝国から帰ってきた手紙を手に取る。

 了解したと、第二皇子ライハートとともに王国の招待を受ける、そうかかれた手紙を。


「ふ、ふはははは!」


 その手紙に私は笑いを抑えることができなかった。

 今までいろいろな手を打ってきたが、一番の成果はこの手紙だった。

 実のところ、手紙を出したという証明がほしかっただけで、私は本当にマレシアがくるとは思っていなかった。

 マレシアの助けを借りることなく、ことを進めないといけないだろうと思っていた。

 故に、この手紙には笑わずにはいられなかった。


 なぜなら、この手紙こそマレシアが王国に罪悪感を抱いているという何よりの証拠なのだから。


 余計なものであるライハートがついてくることに関しては思うところがないわけではない。

 だが、それを差し比いても想像もしていない成果だった。


「ふふ、これは決して無駄にする訳にはいかんな」


 その幸運を最大限発揮する為に私は計画を積めていく。

 カシュアを犠牲に私の名声を回復し。


 ──同情心につけ込んで、マレシアを王国に引き戻す計画を。

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