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四つの基本的な力の魔法使い 第二部 物理学者から魔法使いへ、状態変化を経て  作者: Adriano_P


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16/18

「選択の重み」

四日目の夜明け、グレンマールは血に覆われていた。


死者はいなかった——奇跡的に、誰も死ななかった。


八人の兵士が負傷。三人が重傷。五人はまだ歩けた。


十二軒の家が損傷。二軒は壁が部分的に崩壊。


北の柵には扉ほどの穴が三つ開いていた。


そして広場の中央で、縛られてはいるが傷つけられてはいない三人の十代が、大きすぎるマントの下で震えていた。


ヘリオは眠っていなかった。


何時間も囚人たちの傍らに立っていた——看守としてではなく、守護者として。


すでに何人かの兵士が「問題を解決」しようとしていた。


ヘリオが止めた。


穏やかに。断固として。必要なときは空気の障壁で。


今は誰も近づこうとしなかった。


***


キラが臨時の医務室となった家から出てきた。


手は血で汚れていた——自分のではなく、負傷者たちの。


ヘリオに近づいた。


「八人の兵士。三人が重体だが安定している。他は回復するでしょう」


「民間人は?」


「死者なし。何人かが心的外傷。多くがショック状態」


間を置いた。


「彼らは?」三人の人狼を示した。


「無傷。怯えている。でも無傷」


キラは彼らを見た。


トリン——十四歳、涙を止められない茶色い目。


エリラ——十七歳、泥に汚れた赤い髪、虚ろな視線。


ダレン——十六歳、弦のように張り詰めた筋肉、誰かが近づくたびに震える。


「ただの子供たちだわ」とキラは呟いた。


「分かってる」


「どうするの?」


ヘリオは彼女を見た。


その目——普段は穏やかで、制御された——に何かが輝いていた。キラには見覚えがあった。


怒り。


冷たく。正確で。致命的な。


「これをやった者を見つける」と静かに言った。「教団を見つける。そして償わせる」


脅しではなかった。


事実だった。


「この三人は?」


「救う。三人全員を。そして逃げた他の十二人も」


「ヘリオ、できるかどうかも——」


「救う」


キラはゆっくりと頷いた。


「分かったわ」


間を置いた。


「あなたの助けが必要になる」


「もちろん」


***


エリーゼは太陽が完全に昇ってから来た。


目は赤かった——泣いたからではなく、眠っていないから。


夜通し巡回していた。確認していた。人狼が戻らないことを確かめていた。


ヘリオの前で立ち止まった。


目を合わせなかった。


「謝らなきゃいけない」


ヘリオは顔を上げた。


「何を?」


「昨夜。あいつらが変身するのを見たとき。私……固まった。怖かった。今まで……感じたことのない恐怖」


「知ってる」


「私は戦士よ。そんなこと——」


「エリーゼ」


彼女は止まった。


ヘリオは立ち上がった。彼女の目を見た。


「君はそれでも戦った。恐怖にもかかわらず。受け止めた。民間人を守った。倒れても立ち上がった」


間を置いた。


「それが本当の勇気だ。恐怖がないことじゃない。恐怖があっても行動することだ」


エリーゼは唾を飲んだ。


「でも私——」


「恐怖で凍りつきそうだったのに戦った。それは恐怖を感じたことがない誰よりも勇敢だということだ」


沈黙が長く続いた。


そしてエリーゼは縛られた三人の十代を見た。


トリンが目を見開いて彼女を見ていた——彼女に殺されるという純粋な恐怖。


そしてエリーゼの中で何かが砕けた。


恐怖ではない。何か別のもの。


ゆっくりと近づいた。


トリンの前に膝をついた。


少年は震えた。後ずさろうとしたが縄が動きを止めた。


「傷つけないわ」とエリーゼは静かに言った。


トリンは答えなかった。


「何歳?」


「じゅ……十四」


よく見た。


「ただの子供ね」


「ただの子供だ」とヘリオが言った。そしてこの怯えた少年を見て、エリーゼは彼が何を言いたかったのか理解した。


立ち上がった。ヘリオを見た。


「何が必要?」


「何?」


「彼らを救うために。何が必要?」


ヘリオは微笑んだ。


幸せな笑みではない。感謝の笑み。


「時間。守ること。そして人々に彼らが怪物ではないと理解してもらうこと」


「理解させるのは難しいわ」


「分かってる。でも君なら助けられる」


エリーゼはもう一度トリンを見た。


そして頷いた。


「分かった。あなたを信じる」


***


アルダスは一時間後に会議を招集した。


共同広間。二十人——家長たち、まだ立っている兵士たち、視察官たち、ソーン、セラフィーネ、ヴィヴィアン。


そしてアドリアーナ。


王女は青ざめていた。目の下に隈があった。眠っていなかった。


だがそこにいた。


ヘリオは最後に入った。


沈黙が重い毛布のように落ちた。


アルダスが最初に話した。


「問題がある。三匹の……生き物……が広場に縛られている。住民の半分は殺したがっている。もう半分は追い出したがっている」


ヘリオを見た。


「お前は残したいと」


「はい」


「なぜだ?」


ヘリオはテーブルを囲む顔を見た。


恐怖。嫌悪。迷信。


どう説明する?


『彼らに分かることで』とリキが言った。『物理学じゃない。細胞生物学じゃない。病気だ』


「斑点熱を見たことがある人は?」とヘリオは尋ねた。


手が上がった。多くの手が。


「村の誰かが罹ったとき、どうしましたか? 殺しましたか?」


困惑した沈黙。


「いいや」と男の一人が言った。「治療した。少なくとも試みた」


「その通り。斑点熱はその人の責任じゃないからです。病気です。状態です。体に起こること」


ヘリオは広場の方を指した。


「あそこの子供たちには状態があります。選んだものじゃない。望んだものじゃない。誰かが彼らをそうしたんです。薬漬けにして。支配して。変えて」


「でも呪われているのよ!」と女が言った。「物語がそう言っている! 月が変身させるのよ!」


「月は引き金です。寒さが咳を引き起こすように。でも状態は体の中にあります。内部の……構造に」


ソーンが身を乗り出した。


「病気のようなものだと言っているのか? 治せると?」


「病気のようなものです。治せるかはまだ分かりませんが、試すことはできます」


「もし失敗したら?」


ヘリオは躊躇った。


「なら失敗します。でも少なくとも試みた」


兵士が唾を吐いた。


「怪物だ。獣だ。昨夜、俺の部下を殺しかけた!」


「昨夜は薬で操られていた。地下牢で見つけたものを見てくれ」


ヘリオは小瓶をテーブルに置いた。


「化学物質。繰り返し注射された。依存性を生む。変身を増幅する。彼らを……従順にする」


ヴィヴィアンが小瓶を取った。光にかざした。その顔には悲しみの影があった。


「化学的依存。阿片のように」


「その通り」


「じゃあ……これがなければ、違うの?」


「分からない。だから調べたい」


アルダスがテーブルを指で叩いた。


「逃げた十二人は?」


「戻ってくる。依存が薬を求めさせるか、森で死ぬか」


間を置いた。


「救いたい。全員を」


「どうやって?」


「まず状態を理解する。それから……安定させる方法を見つける。制御する。もしかしたら治す」


ソーンは何か見覚えのあるものを見るような目でヘリオを見た。


「若い頃」と静かに言った、「魔法を使って体を強化していた。異端とされた。不自然だと。間違っていると」


他の者たちを見た。


「学院を追い出された。怪物と呼ばれた。神の法を犯していると言われた」


間を置いた。


「だがただの技術だった。違う。怖い。だが邪悪ではない」


ヘリオを見た。


「この子供たちは……怖い。だが邪悪ではない」


続いた沈黙は思慮深いものだった。


同意ではない。まだ。


だが……可能性。


「投票だ」とアルダスが言った。「囚人を殺すことに賛成の者は?」


三つの手が上がった。全員兵士。


「追い出すことに賛成の者は?」


五つの手。


「ヘリオに機会を与えることに賛成の者は?」


十二の手。エリーゼも。ソーンも。そして驚いたことに、アドリアーナも。


アルダスは頷いた。


「多数決で決まった。ヘリオ、時間をやる。だが危険になったら——」


「分かっています」


***


ヘリオは午後、三人の人狼と話した。


損傷の少ない家の一つに移していた。まだ縛られていた——安全のために——だが食料、水、清潔な毛布があった。


キラがいた。エリーゼも。ヴィヴィアンがメモを取っていた。


ヘリオは彼らの前に座った。


「話してくれ」と静かに言った。「最初から」


***


トリンが最初に話した。


震える声。伏せた目。


「ペトロスの近くの村で生まれた。小さな村。五十人くらい。両親は……農民だった」


間を置いた。


「十二歳のとき、初めて起きた。満月。森の中で目が覚めた。裸で。血まみれで——自分の血じゃなかった。鹿の……残骸があった」


唾を飲んだ。


「何も覚えていなかった。何も。でも痕跡が……足跡が……人間のものじゃなかった」


「両親は何をした?」


「追い出した。その夜のうちに。呪われていると……不幸を呼ぶと言った。パンの袋を持たせて森に残し、二度と戻るなと言った」


沈黙。


「十二歳だった」


ヴィヴィアンはペンを止めた。


悲しげな目でトリンを見た。


「二年間、森で暮らした。食べ物を盗んだ。満月のたびに逃げた。自分が何になっていくのか……分からなかった。でも間違っていることは分かっていた」


「教団はどうやって見つけた?」


「探していたんだ。積極的に。方法があった。村を監視していた。消えた子供を探していた。追い出された子供を」


間を置いた。


「ある夜、見つけられた。変身の後。弱っていた。飢えていた。食べ物をくれた。特別だと言った。祝福されていると」


声が震えた。


「三ヶ月、よく扱ってくれた。それから……注射が始まった」


***


エリラが次に話した。


より強い声。より苦い。


「北の村の出身。アセロンより北。父は鍛冶屋。母は機織り」


「最初の変身は?」


「十五歳。村の祭りの最中。満月。鶏の死骸に囲まれて目が覚めた。鶏小屋が全滅していた」


間を置いた。


「村は私を縛った。火刑台を作った。悪魔に憑かれていると言った」


エリーゼが息を呑んだ。


「お父さんは?」


「松明を持っていた」


完全な沈黙。


「教団が救ってくれた。処刑の前夜。襲撃した。衛兵を三人殺した。私を連れ出した」


「それから?」


「六ヶ月の『訓練』。変身は贈り物だと教えられた。力だと。使えると」


自分の手を見た。


「それから薬漬けにされ始めた。そして贈り物は檻になった」


***


ダレンは最後だった。


ほとんど話さなかった。


「孤児。ペトロス。路上生活。十四歳のとき見つけられた」


「変身は?」


「最初のは覚えていない。痛みだけ覚えている。それから血まみれで目が覚めた」


「教団は?」


「家をくれた。食べ物をくれた。大切だと言った」


抑揚のない声。空虚な。


「それから注射。それから檻。それから……何もない。従うだけ」


ヘリオは三人の十代を見た。


三つの破壊された人生。


追われ、捨てられ、武器に変えられた三人の子供。


あの怒り——冷たく、正確な怒り——がより強く燃えた。


見つけてやる、と思った。教団を見つける。そして償わせる。


***


他の者が去った後、キラが残った。


地下牢から回収した小瓶を洗浄するヘリオを見ていた。


「話があるの」


「いつでも」


彼女は躊躇った。


そしてフードを下ろした。


ヘリオが彼女を知ってから初めて。


髪は長く、美しかった。二十五歳に見える顔。


だが耳は……


耳はわずかに尖っていた。


それほどではない。不自然に見える程度に。


ヘリオは彼女を見た。


「君は……」


「半エルフ。そう」


間を置いた。


「三百歳くらい。二世紀を過ぎると数えるのをやめるの」


ヘリオはゆっくりと座った。


三百年。


『俺たちの問題なんて大したことないな』とリキがコメントした。


「なぜ……なぜ今教えてくれるんだ?」


「昨夜、選択をしたから」


キラは向かいに座った。


「王は数年前に私を見つけた。選択肢を与えられた。仕える か、地下牢で朽ちるか。仕えることを選んだ。私は癒し手だった……それを利用された。それから……娘を保証として取られた」


ヘリオは驚かなかった。


「疑っていた」


「本当に?」


「重要なことが起きるといつも現れた。隠れて手紙を書いていた。観察しすぎていた」


キラは笑った。喜びのない笑い。


「罰したくない? 追い出したくない?」


「いいや。でも教えてくれ。なぜそうしていた?」


「脅迫」


声が震えた。


「娘がいるの。私と同じ半エルフ。実年齢は四十五歳だけど、人間で言えばまだ十五歳くらいの見た目。美しくて。賢くて。優しくて」


間を置いた。


「王が都に閉じ込めている。『快適な部屋』に。衛兵付きで。外から鍵がかかった扉で」


ヘリオは目を閉じた。


「そして君は娘の安全と引き換えにスパイをしなければならなかった」


「そう」


「送った報告は……」


「曖昧だった。省略だらけ。トンネルを隠した。鎧を。アキロールとの交易を。全部」


ヘリオを見た。


「でも昨夜……昨夜は助けた。積極的に。あの怪物と戦うソルマールの兵士を治療した」


「つまり選んだんだな」


「選んだ」


沈黙。


「娘は……」


「罰を受けるでしょう。分かってる。王が知ったら……」


言葉が途切れた。


ヘリオは立ち上がった。


窓際に歩いた。


グレンマールを見た——傷ついているが生きている。


「方法を見つける」と言った。


「何?」


「彼女を救う方法を見つける。二人とも」


「ヘリオ、王は——」


「王は私を恐れている。報告で見た。視察官の派遣で。直接攻撃せずにスパイを送るやり方で」


振り返った。


「恐れている。そして恐怖は……交渉できる」


キラは三百年の戦争と陰謀と権力闘争を見てきた目で彼を見た。


そして数十年ぶりに、希望を見た。


***


アドリアーナはその夕方、ヘリオを見つけた。


古い城壁の上。考えるときいつも行く場所。


「いい?」と尋ねた。


「もちろん、殿下」


「アドリアーナ」


「アドリアーナ」


彼女は隣の壁にもたれた。


二人は沈黙のままグレンマールを見た。


やがて、静かに:「トンネルを見たわ」


「知ってる」


「ヴィヴィアンが言ってた……あそこが人々の住んでいた場所だって。私が来たとき」


「そうだ」


「上の家は……畑は……全部……」


「部分的な見せかけだった。進歩は本物だ。でも住民のほとんどは地下に住んでいた」


アドリアーナは目を閉じた。


「父はグレンマールは辺境の領地だと言った。厳しいと。でも……死刑宣告だとは言わなかった」


ヘリオは彼女を見た。


「知らなかったのか?」


「知らなかった」


間を置いた。


「知っていたら……何をしたか分からない。でも何かしたわ」


彼女は彼の方を向いた。


「ヘリオ、都に戻ったら、父が報告を求めるわ。個人的な。何を見たか。何を思うか」


「分かってる」


「何と言えばいい?」


ヘリオは考えた。


『真実を』とリキが言った。『少なくとも一部は』


「グレンマールは生き延びていると。人々は懸命に働いていると。塩しかなかった場所で作物を育てる方法を見つけたと」


「トンネルは?」


「古い避難所。適応させた自然の構造」


「人狼は……?」


ヘリオは躊躇った。


「闇の教団からの攻撃。撃退した。三人の囚人を捕らえた。薬漬けにされ、操られていた十代。治療を試みている」


アドリアーナはゆっくりと頷いた。


「説明するのは……難しいわ」


「分かってる」


「父は怖がるでしょう」


「おそらく」


沈黙。


それから:「今、私をどう思う?」


ヘリオは彼女を見た。


「どういう意味だ?」


「怯える私を見たでしょう。私が思っていた全てが……不完全だったと知る私を。怪物が襲撃する中、秘密のトンネルに降りる私を」


間を置いた。


「あなたが思っていた完璧な王女じゃないわよね?」


ヘリオは微笑んだ。


「君が完璧だと思ったことはない。でも悪い人だと思ったこともない。今の君は優しい……最初に会ったときとは違う」


アドリアーナは頬を赤らめた。


「私……私は——」


「構わない。過去のことだ」


空を見上げた。


「そのままでいてくれ。できるなら。ただ……できるなら」


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