第14話 新たな出逢い
今日は、妹が退院して来た。凛子が想像していた
「恐怖の生活」を遥に越えて
地獄の日々がスタートしたのだった。
妹は、入院生活をしていた頃は、
規則正しい時間に寝起きをして、
食事をしていたにも関わらず、家に帰って来ると、
すぐに自堕落な元の習慣に戻るのも早かった。
毒母は、とにかく「自堕落、ナマケモノ」が大嫌いなのだ。
なので、お昼過ぎにようやく起きて来て、
遅い朝ごはんを食べにやって来る妹に、
激怒、発狂の連続だった。
妹は、昼間はどこに出掛けているのか?
友達と遊んでいるのか?夜遅く帰って来たりしていた。
家に帰って来ると、甥っ子に
「私が母親であんたを産んだんだから、権利があるんだ!!」
と脅したりする日々だった。
ある時、水道屋さんから、「同居人数が増えました?」
と聞かれ、
凛子は、「はい、人数が増えた事でなにかありますか?」
と尋ねると…。
水道屋さんが、「メーターが2倍に上がってるから、
水漏れ、もしくは、使う人が増えたのかな?って、
心配になったんです。」と言って来てくれたのだった。
でも、水漏れはしていないみたいだった。
実は妹は、物凄く「洗濯好き」なのだ。
なので、水道代アップは、妹が毎日、
必要以上のものを洗濯したり、シャワーの使い過ぎに、
よるものだと判明した。
さらに凛子の部屋も完全に、
妹の持ち物でいっぱいになってるし、
冷蔵庫の中の飲み物も色んな種類の物がゴロゴロしている。
シャンプーとかも、
自分の気に入ったものではないとダメだとかで…。
凛子の仕事帰りに、買って来てと頼まれる事も多く、
「浪費家」の典型的だと思った。
もちろん、お金は持っていないので、
凛子の負担となっている。
凛子は離婚後、自分だけの支出になった事で、
やりくりがより生かされていて、少しずつではあるが、
貯金も出来るようになって来てたのだ。
しかし、このまま、この浪費家の妹が居座るとなると…
凛子のお財布事情も厳しくなるし、
貯金も出来なくなるという恐怖も感じたのだった。
宇宙に電話で、つい…。
そのような現実的な重たい話を沢山してしまった事で、
宇宙のキャパを越えたのだろう…。
宇宙が凛子に、かなり衝撃的な事を叫んだのだった。
宇宙:「申し訳ないけど、
僕には今の凛ちゃんを支えてあげる事は出来ないよ。」
「独身で、今の凛ちゃんを現実的にちゃんと受け止めてくれたり、
力になってくれる人を見つけて~。
「僕は、凛ちゃんには幸せになってほしいって思ってるから」
凛子は、あまりの突然の言葉に…
冷静さを失って、感情が爆発してしまった。
凛子:「なんで?急にそんなひどい事をいうの?
今の凛子には宇宙が必要だって、分かってくれてると思っていたわ。」
「確かに、私がかなり現実的に重たい話を、
した事は悪いとは思っている。だけど、何かをしてほしいって、
頼んでるわけでもないのに…。」
「挙句の果てには、ほかの人を見つけなさい?
どうして?こんなに今、わたしが辛い状況なのに、
残酷な言葉をいうの?」
宇宙:「凛ちゃん…ごめん…無理…。ゼェゼェ…はぁ~はぁ~。」
凛子は宇宙の様子がおかしいのが分かったので、
即!電話を切ったのだった。
しまった…理詰めで宇宙を責めた対応をしてしまった…。
きっと「パニック障」になってしまったんだと思った。
今の凛子は、自分自身がもういっぱいいっぱいで、
いつものように、宇宙を受け止める事は出来ない…。
凛子はストレスが異常に溜まると…
口調が理詰めになってしまう…。
でも、もう凛子も限界をゆうに越えてしまっていたので、
これはもはや…現実的に「一人では無理だな…」
と悟ったのだった。
しっかり、じっくり冷静に、これからの自分の人生の事を、
考える時が来たな…と思ったのだった。
―今は、宇宙とは…「距離を空けよう」―
凛子は宇宙と出逢って初めて、自らそう思ったのだった。
凛子は何からどうしていいのか?全く分からなかったが…。
とりあえず、今のこの胸の内を思いっきり話せる相手が、
物凄く欲しいと思ったのだった。
以前、ネットで友達探しをしていた時に、
使っていたサイトを思いだし、勇気を出して、
また書き込みをしてみた。
こういうサイトは男性からの返信が物凄く来る。
気が付くと、30人ぐらい来ていた。
どの人のプロフィールも、似たり寄ったりで、
凛子は見るのも面倒になっていた。
そんな時…。一人だけプロフィールがなんと…
短くて簡潔に分かりやすく書いている男性を見つけた。
思い切って、メッセージを送ってみた。
凛子:「初めまして、私もバツイチ独身です。
趣味が仕事なんですか?」
それから1時間程して…相手の人からメッセ―が来た。
男性:「初めまして、メッセージありがとうございます。
仕事が趣味みたいな所はありますね。クローバーさんは、
どんな事が好きですか?」
凛子はネット上のハンドルネームを
「クローバー」にしているのだ。
凛子:「私は、カラオケで歌うのが好きです。
タイヨウさんは、カラオケとか行ったりしますか?(絵文字)」
また1時間後ぐらいして…タイヨウさんからメッセージが来たのだ。
タイヨウ:「メールありがとうね。
俺は、会社の飲み会で歌ったりする機会はよくありますよ。
一番の得意な曲は「スニーカーぶる~す」です。
クローバーさんの得意な曲は?(絵文字)」
凛子は、宇宙以外の男性とメールのやり取りは、
久し振りだったので、とっても心がウキウキしていた。
タイヨウさんって「ノリ」が良さそうって思ったのだった。
それは、初めてメッセージをくれた時には、
絵文字が付いてなかったのに、
凛子が絵文字を付けたら真似っこして、
今回は、絵文字付きだったからだ。
凛子:「こちらこそメールありがとうございます。
そのアイドル知っています。私の得な曲かぁ…。
う~んと…「彼女とTIP ON DUO」かな。
今はお仕事中ですか?」
タイヨウは…実は、スマホーを持って1週間程だった。
なので、メールは要件のみぐらいしか使用しておらず、
こんな文章のやり取りをしたのは初めてだったのだ。
クローバーさんって、返事がめちゃ早いなぁ…。
こりゃあ今日一日で、メール打つのが得意になりそうだ…。
タイヨウもクローバーとのやり取りに格闘しながらも、
久しぶりに充実感を感じていた。
凛子は、タイヨウさんとのメールを楽しんでいた。
この人なら…凛子の話したい事をいっぱい笑いながら、
聞いてくれそうな気がしたのだ。
思い切って、個人のメールアドレスを聞いて、
サイトからは二人とも脱退する事となった。
それから電話でも話すようになったのだ。
今まで全くどこの方とも知らない相手だったのに、
タイヨウさんとは、以前からの知り合い?
ぐらいの感覚で居られる。
そんなある日…。
タイヨウさんから、「一度会いませんか?」
と電話でお誘いを受けたのだった。




