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油断
クシアの体の破片が暗い闇になって派手に飛び散る。
「流石に死んだだろ……!?」
ワンダは目の前で爆発四散したクシアの残骸を眺めながらそう呟くが……
「なっ……!?」
その後すぐに展開される光景を見て、その表情が驚愕に染まる。
「オイオイ、誰が死んだって?」
バラバラに飛び散った闇がスライムのようにゆっくりと一か所に集まっていき、段々とクシアの姿に戻っていったからだ。
「そんな……嘘だろ……!?」
バラバラにしてなお復活するクシアを前にワンダは冷静さを失ってしまっていた。
自身の背後に飛び散っていたクシアの破片の存在を失念していたのだ。
「っ、しまった!」
ワンダが自身の身に迫る危険を察知したときには、もう遅かった。
「…~~~ッ!!」
背後にあったクシアの破片が放った闇が、ワンダの両腕を一直線にちぎった。