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劣悪な交渉材料


「レディ!!」


 ワンダが悲痛そうに叫ぶのに対し、クシアはゲラゲラと大声で笑いながら独白する。


「だってよォ! ただの盗賊だったら一旦は見逃してもいいかもと思ってたけどよォ! 義賊なんて聞いたら……誰かのために盗んでるとか言われたら、そりゃあ殺すしかねぇよなァア!! アッハハハハハハハ!!!」


 もし普通の盗賊であれば、被害を受けた人は少なからず生活に影響が出てくる。時と場合によっては、たったそれだけのことでも被害者が自殺する可能性もあっただろうし、国民の負の感情を煽ることで治安悪化に繋がる可能性もあっただろう。他所の国であえて盗みを働かせれば、こちらの負担を軽減することができたかもしれない。


 だから、普通の盗賊だったならあえて見逃してもよかった。少なくともクシアはそう考えていた。


 しかし、義賊となれば話は別。貧民の自滅の可能性を潰すというのなら、殺すべきでしかない。地図にすら載らないような貧民街を救う存在ともなれば、尚更だ。


「ガハッ……」


 レディ達は見誤っていたのだ。

 クシアという男が、全人類の皆殺しを目的としていることにまでは気付けていなかった。


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