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双子王女との恋奏冒険記  作者: 雅國
第三章 深き森に住む者(未開の森編)
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第65話 フレンの報告と白霊の今

「皆さん、この度は助けて頂きありがとうございました」

 おさの家に集まった面々に向かってフレンはお礼を言った。


「元気になってよかったです」

「そうですね。けっこう瘴気も濃かったので心配しました」

「レィナさんとシオンさんには本当に感謝しています」

 そう言ってまた頭を下げた。


「では、フレン。少し聞きたいことがあるのだが・・・」

 長であるラングがフレンに声を掛ける。


「はい、なんでしょうか」

「お主は白霊様と一時的に繋がりを持たなかったか?」

「・・・持ちました」

「なぜそのようなことをした。お主にもその危険性は理解できておろう」

 ラングはフレンに問いただす。


「私はあのゴーレムから逃げる際に運よく遺跡の中へと逃げ込めました。そして、いつも行事を行う広場にて、足場が崩れ偶然にも白霊様がいらっしゃる場所に転落してしまいました」

 フレンはユンクと別れた後、どうなったのかを語り始めた。


「白霊様はこの辺りの霊獣を統括する存在です。何度が祭事の時にお姿を拝見したことはあったのですが、本来白く輝く姿のはずなんですが、一部の色が黒く染まっていたのです」

 フレンは白霊を見た時の衝撃を語った。


「白霊様に近付き声を掛けたのですが、ユンクのように声を聞くことが出来ない私は戸惑ってしまったのです。その時意識がまだあった白霊様が私に一方的に契約をしてきたのです」

「一方的だと?」

「はい、何かに切羽詰まっているようでした」

 ラングは白霊が一方的に契約を結ぶのはおかしいと感じた。


「私は契約を結ぶことで白霊様の気持ちが流れてくるようになりました。そして、黒い球を取り除いてくれと言ってきたのです」

「シオン君・・・それって」

「ベッフェルが持っていた物・・・でしょうか」

「恐らくは・・・ね」

 シオン達はそれが瘴玉だと考えた。


「私は白霊様が言った黒い球を取り除こうと近付いたのですが、白霊様が急に暴れだしたのです。私は離れて契約を使い語り掛けたのですが、苦しむ声だけが聞こえたのです。その後私は急に苦しくなり気絶してしまったのです」

 フレンは白霊とあったことを話した。


「恐らくその黒い球は瘴玉と呼ばれるものだと思います」

「瘴玉ってシオン殿が持ってきた手紙に書かれていたものか?」

「はい、瘴化させる物だとベッフェルは言っていました」

 シオンはベッフェルが言っていたことを話した。


「じゃあ、白霊様が狙われていたということなの?」

 ユンクが聞いてきた。


「そいつだけとは限らないぞ」

 フィルジアが割り込んできた。


「奴はこれも狙っていた節を見せた」

 そう言ってフィルジアは身に付けている指輪『太陽の欠片』を見せてきた。


「それは?」

「それ『太陽の欠片』っていってリシアちゃんが身に着けている指輪の太陽のマナにしたものみたい」

 リィナが教えてくれた。


「なぜそれを狙ったのでしょう?」

 レィナは疑問に思った。


「今後の邪魔になるから・・・とかかな」

 シオンはそう考えた。


「ベッフェルはアルマポールトで生物や魔物を集めていた。それを瘴化させて操るようなことをしようとしているんだと思う。瘴魔を討伐できるのは太陽と月のマナを持つものだけ。少量でもそのマナに変化させる道具があったら邪魔にしかならないだろうし」

 シオンは考えていたことを話した。


「なるほどのぅ。なにやら不穏な感じがする話じゃの」

 ラングが頷きながら言った。


「シオン、ちょっと聞きたいことがあるのだけれど」

「なんでしょう?」

「白霊様を元に戻すことは可能なのでしょうか?」

 ユンクは白霊を助けたいと思っているようだ。


「フレンさんみたいに僅かな瘴気で瘴化していないなら望みはあると思いますけど、瘴玉を埋め込まれた上にあそこまで侵食が進んでいるとなると難しいかと思います」

 シオンは隠さずに話した。


「そんな!」

「私があの時取り除けていれば!」

 ユンクとフレンはすごく悔しそうな顔をして嘆いた。


「白霊様はこの辺りの土地の守り神のような存在じゃ。そのような存在も瘴魔と成りえてしまうのか・・・」

 ラングも悲愴な顔持ちで言った。


「今回の襲撃も含め、魔物達や生物の行動がおかしくなったのも白霊様が瘴魔となってしまったからなのでしょうか?」

「恐らくはのぅ」

 ユンクの言葉にラングは肯定を示した。


「・・・皆さんにもう一個話したいことがあります」

 ユンクは顔を引締めて皆を見渡した。


「実は逃げる際に白霊様の言葉を聞きました」

「・・・続けてくれ」

 ラングがユンクの目を見て言った。


「早く逃げてくれ、我が時間を稼ぐ、次に会う時は我を殺してくれ、と私に言ってきました」

 ユンクはあの時の言葉を伝えた。


「白霊様が殺してくれとまで言うのならば助かる見込みはないということじゃろうか・・・」

 ラングは白霊の言葉をそう解釈した。


「殺すっていっても奴に対抗できるのはリィナとレィナぐらいしかいないぞ」

「俺やリシアの指輪は奴の意識を少し逸らせるぐらいしか出来ないだろうしな」

 カイとフィルジアはそう話した。


「二人は白霊様を倒すことは出来そう?」

「・・・難しいかもしれないけど」

「私達にしかできないのならやるしかないですね」

 二人は静かに決意をした。


「私も同行します」

 ユンクが言ってきた。


「白霊様は霊獣の一人でもあります。私の霊獣たちも一緒に戦います」

「もしかしたらユンクの霊獣も瘴気の影響を受けるかもしれないよ」

 シオンはユンクに聞いた。


「霊獣たちは私が守ります」

 ユンクはシオンの目を見て言ってきた。


「それに霊獣たちを使えば、地上に白霊様を呼びだすことも出来ます」

「・・・戦う場所を地上にしようってことか・・・」

 シオンは地下で戦うと考えていたが、あの巨大な大蛇相手で地下で戦うのは危険だ。地上に呼び寄せることが出来ればまだ戦いやすいだろう。


「わかった。ただそれだと集落の守りが薄くなるから何か考えないと・・・」

 シオンは集落から皆がいなくなった時に、まて狙われたらまずいと考えた。


「それなら俺が残ろう」

「私も残ります。兄さん」

 フィルジアとリシアが言ってきた。


「私はまだ病み上がりですし、フレンさんの様態も見なきゃいけませんから」

「あいつ相手では俺の攻撃はほぼ効かないだろうしな」

 二人はそう継ぎ足した。


「オレも残るか?」

 カイがフィルジア達を心配して聞いた。


「いや、お前はシオン達をフォローしてくれ。お前の攻撃は通じなくても、何かしらで役に立てるだろ」

「ルシルさんも今回は兄さんたちと一緒に行ってください。ここには集落の戦士達もいますから」

 二人はそう言ってカイとルシルを見た。


「わかりました。シオンさん達を援護します」

「そうだな。何かあった時に助けがいるかもしれねぇからな」

 こっちの二人も納得したようだ。


「それならどこに誘い出しましょうか?」

「それを含めて準備に一晩いただけないでしょうか?」

 ユンクが何かを決意した顔で言ってきた。


「ユンク・・・お主・・・」

 祖父であるラングはユンクが何かをしようとしているのか検討が付いたようだ。


「・・・わかりました。では明日の朝にここに集合するということで」

 シオンはそう言ってここでの話し合いは終わった。



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「シオン君、今日はどうするの?」

「まだ午前中ですよ?」

 リィナとレィナはシオンと一緒に集落の中を歩いていた。


「修繕作業でも手伝おうかと思ったけど・・・言葉が通じないしな」

 シオンは頭を掻きながらそんなことを言った。


「だったらさこの辺りを散策したい!」

 シオンの目の前でフィーが言ってきた。


「確かにここに到着してからのんびりと散策してないね」

「それだったら散歩がてら、私たちはゆっくりと散策しましょうか」

「そうだね。じゃあ、適当に散歩しようか」

「「うん」」「はい」

 シオン達は集落周辺を散策することになった。

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