銀色の闇sixth 第42話 WAR
「自転車よ!戻れ!」
「!!」
天使ラーエイの操る自転車で一撃をくらった、シルバーウルフのリーダー大和大神こと志野野辺雄大。包帯からにじむ血。そのダメージはでかかった。
「操るだかなんだかしらないがこのぐらいで立ち止まらない・・・・」
「あなた・・・井野宮君と似てるわね・・・・」
そのころ時を同じくして違う場所。
「君はだれ?僕はアルミトルス」
天使アルミトルスに忍び寄るのは黒い影。そこに現れたのは・・・・。
「撫子蝙蝠。暗き蝙蝠のリーダーだ」
〇
「なるほどね・・・。分かったわ。大神君。あなたとはちゃんと戦いたいわね」
「ちゃんと・・・?」
「天使化」
天使ラーエイは光に包まれた。その光は神々しくそしてどこか残酷だった。羽が生え、光る輪が頭に形成される。その姿は天使。
「それがどうした?姿形が変わったぐらいで・・・・・」
そこで大神は気付いた。これは姿が変わるという生易しいものじゃない。これはやつの本気だとそう悟った。大神はすぐにその場から離れた。
「うん。ナイスな判断よ。ここは無謀な井野宮君とは違うわね」
「そうか・・・それは褒め言葉か?」
「いえ、貶してるのよ」
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンン!!!
「!?」
「天使化するとねこんなことも可能なのよ」
この商店街すべての鉄パイプかと思うぐらいの量。
「天使化すると容量が莫大に高くなるわけじゃない。操る物に容量を与え、さらにその物が物を操る。それを繰り返してこんな量になるの。あ、容量って言ってもわからないかな?メモリーカードやらと同じように私たちにも、あなたにも容量があるの。それを超えない範囲ではなんでもできるのよ」
「それをきいてもよくわからないが・・・」
「頭で理解するより、体で理解しなさい」
ガラガラガラガラガラ!!!
「崩れろ」
〇
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!
「な!?なんだ・・・・今の音・・・・」
俺、井野宮天十は今だ爆走中だった。
「あれ?もう少しだと思ったんだけどな・・・・」
今、どこにいるのか分からなくなっていた。まぁね、方向音痴とかはしょうがないよね。いや、方向音痴じゃないと思うんだけどな。どっちかっていうと機械音痴?いや、そんなことはどうでもいい!
「あぁー!どこだよ!!!」
「何をしている」
俺にむけて放たれたのは黒い鉄球。しかもその数3。
「おわっ!」
ガン!ガン!ガン!
次々と地面をえぐり着地する、鉄球。俺はそれをギリギリですべてかわした。かわしたというより相手に当てる意思がなかったといえる。
「そこは通してもらう。もう少しでシルバーウルフに会える」
「暗き蝙蝠リーダー代理・・・・・」
俺は移動中の暗き蝙蝠と出会った。俺は小さな道をとおりつつ移動したためちょうどシルバーウルフと暗き蝙蝠の中間地点にきていた。しかしここでもたもたしてたらシルバーウルフとぶつかる・・・。
「お前たちは手をださずにそこで待ってろ。すぐに終わらす」
「姐さん!でも・・・・」
「いいから、そこにいろ」
「いいのか?後ろのやつらは」
「思いあがるなよ、井野宮天十。お前は私一人で十分だ!」
その瞬間暗き蝙蝠の袖から両手で10本の鎖つき剣を出した。それはすべて的確なコントロールによって俺へと狙いをつける。
「くっ!」
一本目を体を少し横に動かすだけでかわし、足元を狙った2本目はジャンプでかわす。そしてすぐに電柱のうしろにかくれ、3本目、4本目を電柱を盾にすることでかわす。5本目をリーダー代理にむかって走ることで回避。うしろの地面に刺さる。6本目は前に飛びこんでやりすごす。その後すぐ立ち上がり前転。7本目をかわす。
「ちぃっ!あと3本!」
そこらへんにあったでかい石をつかみ、8本目の鎖にあてる。狙いのそれた8本目は見当違いのところに刺さる。9本目は石をつかむ際に持っていた鉄パイプではじく。
「ぐっ!・・・・うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ガキンッ!
9本目も回避。10本目はバカ正直に正面からつっこんできた。それをパイプで弾こうとしたが鎖が動かされ、急に方向がかわる。
「なっ!」
横に飛びこんだが少し斬られた。休んでる暇はない。俺は全力疾走で一気にリーダー代理のところへ行き・・・
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
拳をつくり殴ろうとするが、目の前に鉄球を持ってこられる。
「くそっ!」
俺はしぶしぶ手をひき、後ろへ距離をとる。
「どうした?殴ってみろ。私の数多の武器をしりぞけられることができればなぁ!」
暗き蝙蝠は武器の扱いに長けている。その話はやはり本当だったのだ。
〇
「暗き蝙蝠のリーダー?なんでそんなやつがここに?」
場所は商店街内の公園。天使アルミトルスの前に現れた暗き蝙蝠のリーダー。
「なんでここに?だと。そんなのお前が一番わかっているんじゃないのか?シルバーウルフに暗き蝙蝠が悪いと思いこませたのはお前らだろ」
アルミトルスは思う。お前らということはラーエイはもうすでに戦っていたのか・・・と。いきなり天使化の波長が伝わったため何事かと思ったのだ。
「お前らがシルバーウルフのメンバーを殺し、その姿をわざわざ看護師などに見せる。暗き蝙蝠がきるような服装をしてな。まぁ、単純な仕掛けだがリーダー不在で不安定なリーダー代理やメンバーには効いたらしい。」
長い袖を動かし、話す。しかしその目は怒りで満ち溢れていた。
「なるほど、僕と戦いたいということだね。面白いことをいうんだね。でも・・・ちょうどいい。気分転換しようと思ってたんだ」
「では・・・・参る」
「きなよ。嬉し喜び楽しい遊びの始まりだ!」
袖からだしたのは黒い剣。それは井野宮天十を狙う竜巻(暗き蝙蝠のメンバーがつくりだした竜巻)を消した剣だった。台風の目を狙うかのようなコントロール。それは撫子蝙蝠だったのだ。
「いけ、我が剣よ」
一本の剣がアルミトルスを襲う。しかしその場にアルミトルスはいなかった。瞬間移動に見えたがそれは井野宮天十の『飛』と同じように超高速移動。しかしこれはおまけである。アルミトルスの能力は・・・
「ひゃっはぁあああああああああああああ!!!!!」
武術。アルミトルスのかかとが暗き蝙蝠の肩にあたる。
「ぐっ!」
ボキリという嫌な音がきこえたが骨が折れたわけではなさそうだった。
「意外とかたいね・・・人間の肩って。そしてちゃんと自己紹介しようか。僕は感情の天使アルミトルス」
「私は・・・・・暗き蝙蝠リーダー撫子蝙蝠。またの名を木野白泉だ」
「あぁ・・・木野白泉ね・・・・。よろしく委員長さん」
3人それぞれの戦いが行われた。
タイトルは戦争です。これは戦争を止めるための戦争ですがね。
完璧に秋!冬へとむかってる感じがします!
寒い寒い・・・・。
あったかいものがたべたいなぁ・・・・。
でわ