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5.幸せまでもう少し -side A-

「アレクシス、本当にいいのか?」


「はい、俺自身でエリーを幸せにしたいのです。」


「まあ、あの娘ならどんな状況でもたくましくお前を支えてくれそうだな。しかし、お前はいつまでも私たちの家族だよ。そうだな、ライノルド。」


「何かあれば公爵家(うち)においで。遠慮することはないよ。」


「…っ、ありがとうございます!父上、兄上。」






 あれから4ヶ月。


 広場の隅に花屋を見つけ、内緒で花を買おうとして、気づいたら暴走した荷馬車がエリーに迫っていた。間一髪で助けることができたものの、俺の寿命は確実に10年くらい縮まったと思う。幸いエリーにほとんどケガはなかったものの、気を失ったエリーが目を覚ますまでの数時間は生きた心地がしなかった。


 しかし、そのおかげでエリーと(やっと!)気持ちが通い合い、俺たちは約束の1年を待たずに来週結婚式を挙げる。




 …本当に長かった!俺、がんばったよな?(いろんな意味で。)




 あの事故の後、なぜかエリーに避けられることが増えて正直へこんだ。しかし、危険な目に合わせたことで嫌われたのかと覚悟を決めて聞いてみたら、子供だと思っていた俺が成人した男性であることを意識してしまい、今までのように接することができなくなったと、顔を真っ赤にして小さな声で話してくれた。


 エリー、めちゃくちゃかわいいな!かわいすぎて、俺もう死にそう…。




 今日、エリーは別室で母上たちと一緒に衣装の最終打ち合わせをしている。公爵家で保有している爵位を継がず、一人のただの騎士としてやっていきたいという俺の希望(わがまま)を、家族もエリーも受け入れてくれた。そのため、結婚式は街の教会で挙げ、披露宴を公爵家の庭で、あまり形式ばらない気軽な感じで行うこととなった。


 もちろん、公爵家の子息である俺が爵位を持たず、ただの騎士としてやっていくことに批判がなかったわけではない。(俺に娘を嫁がせたい奴らが騒いでいたが、当然それは潰した。)でも、公爵家を離れて自由な立場から兄上を支えていくつもりだし、だいたい俺が守りたいのは貴族としての面子ではなくてエリーの笑顔なんだ。そのためなら公爵家の権力を使うことも厭わないつもりだ。(エリーにはばれないように。←ここ大事!)




 エリーが公爵家に来てから9年。最初は弟みたいなものだったかもしれないが、エリーは公爵子息としてではなく俺自身を見てくれた唯一の女性だ。




必ず、幸せにする。エリーと一緒に幸せになる。




 そして、俺のことを「アレク」と愛称で呼んでもらうんだ!




 そんな俺をニヤニヤしながら見ている父上と、呆れたような表情を浮かべた兄上には気づかず、来週にせまった結婚式と結婚後のあれこれを想像して、俺は幸せに浸っていた。


(希望も含めた後日談的な…)


 最初はクールな設定だったアレクシスですが、ふたを開けてみるとけっこうヘタレ…。でも、エリーを思う気持ちに嘘偽りはありません!



 結婚式は、小さな教会だったこともあって両家の家族のみの参加、とてもアットホームないいお式となりました。が、公爵家での披露宴には、非番だった騎士団員が全員押しかけ、非常に暑苦しい披露宴になってしまいその他の招待客がドン引き、さらには「騎士団がいるから警備は万全!」とのたまって団長をお供に強引に参加した『アイツ』のせいで、祝福される側のエリーが気を使いまくるという散々な披露宴になってしまいました。(アレクシスは、青筋立てて『アイツ』ににっこり微笑んでいたとか。公爵家の権力を使って報復しているかも…。)


 アレクシスはその後順調に出世して騎士爵を受け(もちろん実力で!)、数年後には第2王子(学院時代の親友=『アイツ』)の護衛騎士となる予定です。エリーとの新婚生活は騎士団の家族用宿舎からスタート、子供の誕生を機に一軒家に引っ越しますが、家事全般をこなせるエリーはアレクシスが昇進しても使用人を最低限しか置かず、自分で家族のお世話をしていたと思われます。4人くらい子供がいたらいいなぁ。

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