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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第40話 バクムーマの秘密を探れ!

第二章は第26話からです。


今回は子供の見る夢をどう再現するか悩みましたが、これくらいしか思いつきませんでした。


また、誤字脱字が有りましたら気軽にご報告ください。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみください。

 俺はバクムーマから出てきた攫われたであろう子供を殴ってしまう寸前でメルダが気を利かせ俺の躰を魔糸で別の方向に向かせる事で事無きをえた。


「そうはさせません!」


「危なかった、メルダ助かった!」


「惜しかったなぁ、もう少しでトラウマ植え付けられたのに。」


「こいつ!!」


その一方でスラスト達は、影妖精の相手をしていたが明らかに数でおされているのが分かる。


「さっきから減らしても減らしても、バクムーマの躰からうじゃうじゃと出てくるな。」


「いい加減、出てくるの止めてほしいんだけど! それに、マナが足りなくなってきてるし………アネちゃん! マナポーション頂戴!」


スラストとトレーシィが影妖精と戦っている中いつの間にかアネットは眠らされており、道具を取り出す事が出来なくなっていた。


「すぅ……すぅ……。」


「そんなの有りか!? 僕だってマナが底をつきそうなのに!」


「無理矢理にでも起こすっきゃないわね!!」


そう言うとトレーシィは大きく息をマナと共に吸い込むと大声で叫ぶと空気を振動させる雄叫びをあげる。


「わああああーーー!!」


俺達はトレーシィの雄叫びで耳がぐわんぐわんと鳴るが、しばらくするとおさまった。


「な、何なんですか今の……耳が痛いです。」


「作戦成功! アネちゃん起きたよ!」


「そうだな、起きたな……もう少しマシに起こせなかった?」


その様子を見ていた俺は、ある事に気付いた。

バクムーマの出していた影妖精達がトレーシィの雄叫びによってポトポトと頭から地面に向かって落ちていったのである。


「何だ、影妖精が落ちていってルナ。」


「アルベルト様、これは一体……。」


「おそらく、トレーシィ様の大声で再起不能になったのではないでしょうか? 現に消滅していってるようですし。」


そんなやりとりをしているとズゥンとバクムーマが膝を突き動かなくなる。


「もしかして、倒したのか?」


「それは無いかと……、おそらく一時的に気を失っているだけでしょう……この機会に本体を捜し出して倒す方が賢明です。」


「本体?」


「不死身の魔物なんて存在すると思いますか? さっきから私は本体が近くにいないか未だ霧立っている場所に目を凝らして捜してはいるのですよ。」


「それでも見つからないと?」


「はい、残念がながら本体を見つけられていません。」


(そういや、さっきバクムーマから出てきた子……いつの間にかいなくなってるな……それに丸呑みにされたって事を考えると……一か八かやってみるか。)


俺はメルダがくれた情報を頼りにバクムーマの口から中に入る事を決行する。


「エリーシャ、俺がバクムーマの中に入るから後でテレパシーを送る! だから外の情報を伝えてくれ!」


「え? アルベルト様、何言って……!」


エリーシャは俺の言葉が理解出来なかったのか、あたふたしていた。


「ぷはぁ、アネちゃんアリガト! これでマナ全快だよ!」


「しかし、バクムーマは一体どうしたんだ? 急に動かなくなったぞ?」


「ワタクシにも分かりませんわね。」


「あれ、アル何してんだろ?」


バクムーマの口を無理矢理こじ開けて中に入ろうとしているところにトレーシィが近づいてきた。


「アル、何してんの?」


「ん、ああ……もしかしたら中にコイツの本体がいると思ってな! 捜し出して倒せば事件解決だろ?」


「なるほどね! あたしも着いてくよ!」


「そらよっと!」


俺とトレーシィはバクムーマの口の中に入ると喉の辺りを落ちていく感覚になり、しばらくすると視界いっぱいに光が見えてきた。


「うわっ、眩しいな!」


「目が痛い!」


気がつくとバクムーマの中には子供がクレヨンで描いたかの様な光景が広がっていた。


「これが、バクムーマの体内か? まるで無邪気な子供が考えそうな世界だな。」


「ねえ、アル! あれ見て、お菓子の家よ!!」


トレーシィの指差す方向を見てみるとチョコやキャンディ等のお菓子で作られたかのような家があった。


「これだけ有れば、ちょっとくらい食べても良いでしょ! いただきまーす!」


「お、おい! ここバクムーマの中だぞ、無闇に変な物口にしないほうが……。」


「!?」


「どうした?」


「アル、このお菓子……味がしない! 信じられない、味のしないお菓子を用意するなんて!!」


どうやら味のしないお菓子の家にトレーシィはご立腹のようだ、その間に俺はエリーシャにテレパシーを送る。


(エリーシャ、聞こえるか? 俺だ、アルベルトだ!)


「え、アルベルト様? 一体どこから?」


「エリーシャ様? どうなされました?」


「アルベルト様からテレパシー? ていうので話しかけられてるわ。」


「アルベルトは何て言ってるンダ?」


「ちょっと待ってアルベルト様、バクムーマの中はどうなってるの?」


(なんだか、子供が見る夢の中? みたいな世界が広がってる、それより、外の様子はどうなってる?)


俺はエリーシャを通じて外の様子を聞いてみた。


「今のところ、変わったところは無いわ。」


(分かった、じゃあ……もし外のバクムーマが動きだしたら俺に情報を送ってくれ!)


「分かったわアルベルト様、気をつけて!」

(今私アルベルト様と心で通じ合ってるって事よね、嬉しい!)


エリーシャの心の声が丸聞こえだが、俺は敢えてテレパシーを解除しバクムーマの中を探索する事にした。


「アル、さっきからボーとしてどうしたの?」


「エリーシャ達に情報提供してもらう為にテレパシーで会話してただけだ。」


「へー、珍しいねアルって人間なのにテレパシー使えるんだ。」


「まあ、石板に触れないと覚えられなかったけどな。」


「石板? もしかして、アルって無属性魔法使い?」


「そうだが、それがどうかしたか?」


トレーシィは俺が無属性魔法使いという事に少し驚きの表情をしたが、あまり深くは言及しなかった。


「うぅん、何でもない! さあ行くわよ、打倒バクムーマ!!」

何時も読んでくださり有難う御座います。

楽しんでいただけたのなら幸いです。

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