なんか、自分は悪くないみたい。
円達VS瑞雀戦の途中ですが割り込んでリョナ子の話。
こんにちは、リョナ子です。
最近めっきり寒くなってきた。
飼い猫のソフィーはモコモコの毛布に包まり暖かそう。
僕もずっと布団の中で過ごしたいけど。
今日もお仕事。
これから寒いお外へ出て出勤するの。
仕事場につき、熱いコーヒーで冷えた体を暖める。
フーフーしながら仕事の確認。
「・・・・・・まずは。児童虐待でレベル5、同様で4」
またか。
今年何件目だろう。
四季は巡る。
桜が舞い、日差しが強く、そして色づき、辺りを白く染める。
月日がいくら流れても犯罪は変わらない。
書類を読み進めさらに内容確認。
「被害者はまだ一歳。それをエアガンで何発も撃ったのか」
至近距離、遠距離、様々な方向から何発も。
複数の痣の状況から加害者は定期的にこれを行っていたと判明している。
これは同じ人間の所業か。
体中から黒い靄が立ちこめる。
特級になってそれなりに経験を積んだけど。
この感覚は消えない。
でもこれでいい。
僕がまだ人でいられている証。
これを無くしたなら。
僕は拷問士ではいられないだろう。
「罪人入ります」
職員が咎人をこの部屋へと運んできた。
「入れて。そして男は吊して、女は椅子に固定で」
今回は夫婦揃ってご来場。
レベルは男が5、女は4。
つまり男の方は死をもって償わせる。
吊され座らされる若い男女。
さて、どうしてやろうか。
「うぅ、頼む、許してくれっ」
「私は関係ないっ! やったのはこいつだっ! 私は見てただけでっ!」
ここに来てまだ足掻くか。
「あぁ!? お前も笑って見てただろうがっ!」
「はぁ? 私はもう止めろって言ったからっ!」
まったくもって見苦しいね。
「言い争いは止めてくれ」
どうせなら自己弁護や責任転嫁ではなく最後の最後まで後悔や罪の意識に苛まれてくれればまだ救いはあったろうに。
まぁ、どちらにしろ僕の執行内容が変わることはないけどね。
「さて君達はエアガンを使って虐待したらしいね。そして僕の執行方針は目には目、歯には歯だ」
エアガンにも色々種類がある。ガスや電動など。
実銃を使った執行もあるけど、生憎僕は専門外。
「僕はエアはエアでも少し違った方法を取ろうと思う」
奥から大きなコンプレッサーを引っ張り出す。
下に車輪が付いてるから非力な僕でもなんとか移動できる。
「さぁ、これを使って執行しようか」
コンセントを差すと圧縮のため機械が大きな音を立てた。
「あ、あ、あ、なにするつもりだ? なにする気なんだっ!」
細い先端を男の顔に近づける。
「なにって決まってるじゃないか。本来絶対やっちゃいけないことだよ」
まずは鼻から。
そして耳の中。
最後に下の穴。
少し使うと機械はまた激しい音を撒き散らすけど。
丁度いいの。
だって悲鳴がかき消される。
これに関連した死亡事故は結構起きてる。
悪ふざけで同僚などの肛門に空気を注入したってやつだね。
少しでも想像力があればどうなるかなんて予想は容易いはずなのに。
大抵加害者はこう言うの。
[こんな大事になるとは思わなかった]
ってね。
腸はとてもデリケートな臓器の一つだ。
そこに大量の空気が一気に送られれば簡単に損傷するだろう。
便利な道具もそれを使う知能が足りないとこうなるって事だね。
男の執行を一通り終える。
見た目はそこまで変化はないけど。
中は色々大変な事になっているだろうね。
「さて、次は君だ」
ぐったりと頭を項垂れる男の隣。
金髪女の顔をじっと見据える。
「ああああ、ごめんささい、ごご、ごめんなさ、ゆ、ゆるし・・・・・・」
君はそう言う。
でも一歳児は言葉すら発せず許しも請えず。
ただ泣くだけだったんだ。
「たしか君は見ていただけって主張してたね」
じゃあ君も見て貰おう。
隣の男の髪を掴み顔を引き上げる。
鼻や耳から血を垂れ流し黒目は天を差す。
体を女の方に向けた。
「ひっぃ」
男の縛られていた縄を解く。
重力によって男の体は地面に滑るように落ちた。
顔が丁度女の足下。
焦点にあってない瞳、されど女の顔をじっと見ているようで。
「見てるだけならこの死体と同じだ。君にはこれを使おう」
机から器具を取り出す。
小さいハンマーのようなもの。
トゲトゲがついた肉を柔らかくするのに使用する道具だ。
「え?」
椅子の上に固定されている腕、その指目掛けて振り下ろす。
「いぎゃあああああぁあああああああああああ」
爪が横に綺麗に割れたね。
「これを後19回」
手は勿論、足まで全部やるよ。
「それが終わったらもう一周、いや二周か」
「い、いや」
「それも終わったら今度は歯」
「いいいいやあ」
「それさえも終われば今度は眼球か」
「ゆ、ゆ、ゆうううゆるしいてえ」
指先はズタズタ。
歯はボロボロ。
方目はへこみ。
体が血で染まる。
破片や血を度々コンプレッサーの空気で払ってやる。
「これいいね。吹き飛ばせば今の状況がよくわかる」
すぐ血は溢れてきちゃうけどね。
女は力無く俯き、男女はお互い見つめ合っているよう。
仕事を終え家路に戻る。
帰り道の繁華街。
街はもうクリスマスムードが漂っていた。
家族連れ、子供達が僕の横を笑顔で通り過ぎる。
当たり前のようにプレゼントが届き。
その日はご馳走で。
でもそんな日を過ごせる子供達だけではない。
劣悪な環境の中、日々怯え日々痛みに耐え日々泣いてる子がいるんだ。
煌びやかな街の光とは対象的に。
見上げる空は真っ暗だった。




