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うん、僕達に依頼です。

 

 ある男がいつものように家路へ帰る。


 よくあるアパート。


 鍵を開け、中へと入ろうとすると・・・・・・。


 明らかな違和感。


何かが充満している。


 それは。


 男は玄関先の電気を入れた。


瞬間、目に飛び込んできたのは。


 夥しいほどの血。


 まるで最初からこの部屋は赤かったように。


 血の赤、床の肉片。


 台所の流しには無道さに腕一本が。


 ベッドには上半身だけ。


 この時には分からなかったが。


 他にも。


 レンジの中。


 冷蔵庫の中。


 お風呂の中。


 人間の一部が散在していた。


◇


 こんにちは、シストです。


 一応、殺人鬼連合のリーダーをやっております。


 ある日、僕達の拠点の一つで、意外な人から連絡が入りました。


 朽ち果てたフロア。


 壁、柱は崩れかけ、地面には瓦礫が散乱する広い場所で。


 中央にぽつりと置かれた椅子に座り、その着信に応じました。


「はい、シストです。この前はどうも」


 相手は、僕達の最大の敵。


 いや、今となってはその関係性は曖昧。


 深緑深層のマーダーマーダー、蓮華さんでした。


「先日はお世話になりましたぁ。それで突然なんですが、シストくんに一つお願いがありましてぇ、聞いてもらえると助かるんですが。それというのもシストくんもご存じのように、うちの円さんが・・・・・・」


 蓮華さんは、こちらの反応を無視して唐突に、そして一方的に話し始めた。


「・・・・・・てことなんですが、どうでしょう?」


 一頻り話終えて、僕の返答を待つ。


「・・・・・・話は分かりましたが、それを受けたとして僕達に何かメリットでも?」


「そうですねぇ。私に一つ貸しを作れる、どうでしょう。破格な条件だと思いますよぉ」


 深緑深層に貸しねぇ。確かに魅力的ではあるけど。


「こういうのはお互いに信頼がなければ成り立たないものですが。まぁ、ここは蓮華さんを信用しましょう。確かに破格だ。で、行動にあたり制約はありますか?」


「ありません、全てシストくんにお任せしますー」


 それならいいかな。

 こちらにはこちらのやり方がある。


「分かりました。では、詳細をメンバー全員に送信してください。どうせ、蓮華さんは知ってるでしょう」


 こうして、通話を終える。


 蓮華さんの依頼はこうだった。


 最近、女子大生をバーに誘い、法外な代金を要求、支払えない者は性風俗店に飛ばして働かせるという事件があった。容疑は固まったが、まだ犯人は逮捕には至ってない。

 それは、蓮華さんが止めてるからだ。

 被害者は200人を越えていて、その全てを立件するのは不可能、現時点での推定執行レベルはよくて4。これでは、割に合わないと思ったのだろう。


 だから、僕らに依頼があった。


 蓮華さんの手足である切り裂きが今は逃亡中で不在。白頭巾だけでは荷が重いだろうしね。

 それにこの事件規模からいって実行グループ以外にも関わってる者達がいる。

 まぁ、それも全部蓮華さんは把握済みだろう。


「さて、深緑深層に貸し一つだ」


 僕は椅子から立ち上がり、ゆっくりと歩き出す。


 僕が通るたび、左右の柱からメンバー達が順々に顔を出し、後に続く。


「おねにー様、なにかお仕事?」


「久しぶりに派手に行きたいね」


 僕を挟んで、妹のタシイと、目黒さん。


「シストさん、紅子今日も絶好調っすよっ!」


「あぁ、今度も男かな、男だったら嫌、いいえ、やっぱりいいのかな、殺すし、殺すから」


 さらにその後ろに、スキンラバー紅 紅子、アダムキラー響。


「メラメラ、炎、火、火、火」「最近ムラムラしてたの、冷たい、冷たい」

「またこの肌が、綺麗に染まる」「楽園はすぐそこに、手が届く」


 どんどんメンバーが増えていき。


 最終的に塊は10人に。


 これで全員、これが殺人鬼連合。


 メンバーのスマホが一斉に音を立てた。


「それが今回の僕達の標的だ、みんなちゃんと頭に入れといてね」


 標的は、実行グループ、関連人物を含め、20人を越えていた。


 これらを排除すればいいんだけど。


 僕達、殺人鬼連合が蓮華さんにいいように使われるのも何だかあれだね。


 だから、頼み事をするには少々扱いづらい位で丁度いい。


「僕達が動くんだ、標的だけじゃ生ぬるい、近しい者、友達、恋人、家族、好きなだけ殺せ、徹底的に行こうか」


 蓮華さん、今のうちに謝っておきましょう。


 僕達は少々やり過ぎてしまうかもしれません。



 マンションの一室から火の手が上がる。


 それは全体に広がって、一気に炎が吹き上げる。


 燃えさかる室内で、男は笑う、高々に。


「熱い、熱い、熱い、熱い、熱い、体が溶ける、溶ける」


 中には、ファイヤーフラワーの他に、標的、そしてその恋人がいた。


 すでに、二人は動けないほど血を流し、その血だまりが蒸発するのも時間の問題。


 だが、まだ二人は生きている。


 火の海で溺れるのはまだまだ先。

 ここから限界までファイヤーフラワーは火花をまだまだ散らすのだ。


 

 標的の自宅にて。


 住人、三人が椅子に縛られ横に並ぶ。


 その顔、すでに皮は剥がされていて、肉が剥き出し。


「う~ん、この顔はいらない、残念、私の家族にはなれないね」


「あぁ、男、あ、いま、私を見た。その目で、いやらしい、汚らわしい、あぁ、またっ!」


 響が汚物を見るような目で、男の顔を何度もナイフで刺した。


「いやあ、まだ見てる、目、目を潰したのに、まだ見てるわ」


 執拗に何度も何度も、すでに目どころか顔の原型はないほど刺して、なお手は止まらない。


「響ちゃん、こいつ、響ちゃんに欲情してるっすよ。だって、ほら」


「いやあぁあああああああああああああああああああ、死んで死んで、死んで、あぁあ、なんで死なないの、ねぇえ、なんで生まれてきたの????」


 絶叫を上げて滅多刺し。男はとっくに息絶えていたにも関わらず。


「響ちゃん、こっちの男、今、響ちゃんの太股見てたよっ!」


 紅子にそう指摘された男はブンブンと首を振って否定するが。


「いやあああああああああああああああああああああああああああああ」


 響のナイフが男の眼球に突き刺さった。

 


殺人鬼連合、ハングマンの自宅、その地下室では。

 天井に吊された二人の男達。


 背中に、太股、大きなフックは皮を貫き、大きく肌を伸ばす。


「まだ、フックはある。瞼、頬、耳、どんどん付けよう」


 巨大な振り針が男達の肌を突き刺し、天井から空中に飾られていく。


「いだああああい、いだだあああああ、取って、もうあああ」


 男達は貫通した針、そして自重によりじょじょに垂れ下がる自分の皮膚からの激痛で泣き叫ぶ。


「さらに、ここから」


 ナース姿の女が、男達に近づき。


 その皮膚に注射器を突き刺していく。


 中身はカラフルな色をしていて、その本数は次々と増えていく。


 刺さりっぱなしの注射器が男達の体に彩りを与える。


 近くの銀のトレイには、ペンチ、メス、ハンマー、数々の道具。


「吊されたまま、こうお腹にメスを入れるとー」


 深く刺さったメスが腹を割く、すると中のものが、地面へとドボドボを落ちていった。


「じゃあ、俺は、こいつのここを縛って重りを付けて、どれだけの重りに堪えられるか実験だ。どこまで伸びるかな」



ある住宅。


 熟女だけを狙う、シルバーメダル。

 コートだけを羽織る全裸の女、ヌードナチュラル。


 この二人も標的の一人、そしてその家族を拘束していた。


「お母さん、息子さんの不始末は親の責任ですよぉ」

「血液のパック、全身に浴びて美肌効果抜群」


 二人はそれぞれ系等の違う道具を手に持った。


「シルくん、首無しでもいける?」

「んー、どうかな、それはそれで」


 ヌードナチュラルは手に持つノコギリを女の首に近づける。


「んむ、うむぅうううううううううう」


 ギザギザが肌に触れて、女は塞がれた口から必死に許しを乞おうとしたが。


「とりあえず、半分だけにしとこ」


 切り裂かれ始めた首から血が噴き出して、ヌードナチュラルの白い肌を染め上げていく。


「あぁ、これこれ、温かい血のシャワー」


「お、お母さん、白目剥いちゃって、まだ絶頂には早いよ、これからこれから」




  人気の無い夜の公園。


 二つのブランコに固定されている二人の男。


「タシイ、次いくよー」


「おー、どんどん来てっ!」


 目黒が男の乗ったブランコを引っ張り、タシイへと押し出す。


 それを待ち構えて。


「はい、どーんっ!」


 フルスイングしたバールが顔を砕く。


「むぅぁあああっ!ああ」


 口は糸で縫い付けられ、男の悲鳴は上がらない。


 バールの衝撃で、戻される男。


 それを、再び目黒が押し出す。


「はい、ドーンっ!」


 またバールが男の顔を潰す。


 そして、また後ろへ戻る。


「そ~れ」


「はい、ドーンっ!」


 顔がグチャグチャに変形していく。

 目が潰れ、鼻が変形、歯が抜け落ちる。


 男はとっくに動かなくなっていたが、ブランコの動きは止まらない。


 バールがめり込む度僅かに体が跳ねた。


「タシイ、交代してよ、今度はアタシの番」


「はいよー、こっちはまだ辛うじて生きてるから、この後生きたまま解体かな」


 役割が変わったが、やることは同じ。


 タシイが押して、目黒がその顔面、体を千枚通しで突き刺す。


 血を飛び散らせ、ブランコは揺れる。


 ユラユラ、ユラユラ。



 標的の排除、その順番はランダムだったが。

 

 次の者には必ず警告を行った。

 

 郵便受け、部屋の中、自転車の籠。


 直前に殺した相手の肉片を見せつける。


 中には家族だったり、同棲している彼女のモノの場合も。


 そして、それを見た直後には自分も同じような目に遭うのだ。


 食い散らかしていく。


 血が、肉が、臓物が。



こんにちは、シストです。


 再び、拠点では。


「紅子、こっちにパスだっ!」

「はいっすっ!」


「響ちゃん、そっちいったよっ!」

「あ、あ、あ、はいっ!」


 標的の誰かの首が転がる。

 出来るだけ転がるように、耳、鼻がそぎ落とされていた。


 ここは広いからね、柱が邪魔ではあるけど、フットサルくらいなら余裕で出来る。


 仕事は終えた。


 蓮華さんに頼まれた標的は全員殺害。


 散々メンバーの玩具にされた後、切断、分解、焼却、色々な方法で。


 ここで、僕に着信が。


「はい、シストです。あぁ、蓮華さん。ちゃんと終わりましたよ」


「ありがとうございます。ですが、少しやり過ぎじゃないでしょうか。私が頼んだのは20人ほどでしたが、実際には60人は死んでますよ、これ」


「はは、それは申し訳ない。ですが、うちのメンバーは加減てものを知りませんのでしょうがない事です。ちゃんと取りこぼしはありませんし問題ないでしょう」


「それはそうですが、住宅、マンション、アパート、いくつも全焼。そこら辺に標的の体の一部がばらまかれ、巷じゃ連続バラバラ事件だって大騒ぎですよ。それに標的の家族や、恋人、友人まで・・・・・・」


 地面に顔だけ出して埋めて、凶暴な犬を何匹も放ったりしたしね。

 ズタボロの顔だけが地面から出てるんだからそりゃ驚くかな。


 そして家族、友人、恋人、一見無関係に思えるけど。


「類は友を呼ぶですよ。家族は近親者の罪を一緒に償うべきですし、屑の近くには屑が集まる。僕達がいい例でしょう」


 逆もしかり、人間、同じレベルの人間としか連めないものですよ。


 それは、知能だったり、性格だったり、そして異常性だったりね。


「そろそろ切り裂きを戻したらどうです? 僕達よりよっぱど優秀ですよ」


「・・・・・・そうですね。やはり、彼女は私にとって無くてはならない者のようです」


 さすがの蓮華さんでも僕らの手綱は重すぎたかな。


 今回はとても有意義でした。


 深緑深層に貸しを作れたし。


 何より、メンバー達が楽しめた。

 かなり抑えて書きました。殺人鬼連合の皆さんは書いてない部分でもっと無茶苦茶やっております!

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