ういうい、ストレスが溜まるの、だ。(殺人鬼決定戦其の五)
ういうい、円なの、だ。
また別の部屋。
「5個のメトロノームを全て同じタイミングで動かせ!」
元々、人数が減った場合を想定して道具は部屋の奥に。
爆弾首輪を装着していざ指令を受ける。
部屋には私達三人の他に、別の参加者達。
「同時に手を離せば・・・・・・」「スタートをずらして、じょじょに合わせれば・・・・・・」
他はなんとか試行錯誤しているが・・・・・・。
「円ちゃん、どうしたらいいか分かるかな~? 教えてあげようか~?」
種は相変わらずネチネチと笑ってるだけ。
「必要ないの、だ」
私は、板とスプレー缶二本を手にする。
缶、その上に板、そしてメトロノームをのせて。
「あ~、知ってたのかー、残念、あたふたする円ちゃんが見たかったのにー」
振動によって缶の上の板も動く。
当初、バラバラだったメトロノームの動きが。
「・・・・・・揃った」
カチカチと。
時を刻む。
その音は。
破裂音にかき消される。
私以外の首輪が爆発。
唐突に人は死ぬ、一秒前までは確かに生きていた。
切り替わる、生から死へ。それはあまりにあっけなく。
「さぁ、次の部屋にいくの、だ」
まだポイントは足りない。
次の部屋。
「石取りゲームっ! 最後に残った方が負けですっ!」
あぁ、これ知ってるのだ。
「ん、今、ゲームって言った? なら僕がやろうかな」
ここに来て、今まで指令には無関心だった叶夜が動いたの、だ。
他の部屋でも同時に選別は行われているのだろう。
今、この部屋には、私達と、他は一人。
つまり、一騎打ち。
叶夜が首輪をつける。
今まで、これによりいくつもの首がちぎれていくのを目の当たりにしてるはずだが、叶夜は躊躇無く装着した。
「なるほど、任意で一つか二つ、どっちか取り合っていくのね」
ん、この様子だとこのゲームは初めてなのか。
となると、まずいかもしれない。
「じゃあ、始めようか、じゃあ僕は・・・・・・」
このゲームには必勝法がある。
石の数が四の倍数+1の場合は、後攻。それ以外は先行が有利。
石の数は25個。つまりこの場合後攻がいい。
「先行にしようかな」
うおーい。
え、大丈夫なのか。
この様子だと知らなそうなの、だが。
しかし、その心配も杞憂だった。
相手が必勝法を知らなかったのにも助けられたが。
途中からきっちり4の倍数+1で相手に渡していく。
叶夜は、瞬時にルールを把握してゲーム中に修正したの、だ。
「はい、おしまい。そっちが残ったね」
「あ、あああああああ、あああいやだああ、あああああああああああああ」
首が、血が、部屋に赤い照明が灯ったように。
「いつもそう、人は簡単に死ぬ、じゃあなんでみんな今生きてるの?」
種は首が飛ぶたび、本当に嬉しそうに笑うの、だ。
ここまで順調にポイントを稼いできた。
次の部屋。
今度は私達だけ。
なのに、指令はあった。
「皆さん、同チームでも全員首輪をつけてください。これより制限時間までにこの部屋から脱出してください」
今度は敵はおらず、チームで協力、か。
いや、そもそもこのメンバーで助け合いなど。
「制限時間は五分。それまでに扉の施錠を外してください。間に合わない場合は・・・・・・言わなくてももうおわかりでしょう」
首輪をつけた瞬間、カウントが始まる。
「引きだしを開けるのだっ! 後そのカーペットの下とかっ!」
見るからに暗号っぽい張り紙や、ギミックっぽい置物があるのだ。
「その無造作に置かれた本は、同作家の作品発表順に・・・・・・」
私がそう叫ぶが。
「えー、私分からなーい」
「あー、ごめん、今デイリーミッションやってるから」
首輪はつけたが、こいつら全く動く気なし。
失敗したら全滅なのに、本当になんなのだこいつら。
「こんちくしょーっ!」
ドライバーで、ここを開けて。
ペンチでこれを切って。
乾電池をここにいれて。
棒が出てきたから、これでそこの隅っこを。
鍵が出てきたから、これを開かなかった場所に。
「うおーっ!」
ここの数字は、さっきライトで出てきたから。
コインが出てきたのだ、これをそこに使えば。
「残り2分です」
色が四色、それはそこの飲み物の中身と関係してるはず。
止まってる時計の針を動かして。
「残り一分です」
よし、電子ロックの番号みたいなのが書いてあるメモが出てきたの、だ。
「これを入力すればっ!」
流石に一分切っていたので焦りも出てくる。
「3、あ、6押しちゃったっ! もう一回なのだっ! あ、また6押したの、だっ!」
それでもなんとか番号を押し終えて。
「はい、脱出完了です、お疲れ様でした。参加した皆さん全員に50P入ります」
施錠を外しただけだし、参加してたのは私だけだが。
「円ちゃんお疲れ様、よく頑張ったねー」
「あ、終わった?」
これでポイントは満ちた。
ここまでしてこいつらを連れてく意味があるのか、疑問になってきたの、だ。
次の部屋。
もうポイントを稼ぐ必要はない。
指令に従う必要もない。
中には、数人のゾディアックファミリー、他の参加者が何人かいて。
「この場合どうなるの、だ」
他の参加者達がまだポイントを稼いでる途中なら指示を受ける必要があるが。
「ん~、私達はもうクリアしたんだからさー」
「そうそう、もう自由じゃん?」
二人が急に動きだす。
やれやれ、もう勝手にするの、だ。
まぁでも。
少しイライラしていたから。
「悪いが、お前ら、皆殺し、だ」
ちょっと解消させてもらおう。
きっと、この手が血で真っ赤に染まれば。
気が晴れるだろう。
台風-。




