終章 定価を決める順番が逆なのである
終章 定価を決める順番が逆なのである
私は転売屋を擁護したいわけではない。
転売屋を叩きたいわけでもない。
ましてや、
ゲーム機メーカーを批判したいわけでもない。
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言いたいことはひとつだけである。
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転売屋は原因ではない。
結果である。
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問題は、
定価と市場価格の乖離だ。
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メーカーが5万円と言う。
市場は8万円と言う。
その差額が利益になり、
その利益を求めて人が集まる。
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私はそれを見て、
転売屋を責める気にはなれない。
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むしろ、
なぜその価格差が生まれているのか。
なぜ市場価格を無視しているのか。
そちらの方が気になるのである。
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私は希望小売価格そのものを否定しているわけではない。
むしろ必要だと思っている。
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しかし、
希望小売価格には本来の役割がある。
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発売直後の供給不足の中で、
市場価格を無視して価格を決めることではない。
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市場に商品が行き渡った後、
価格の目安を示すことだ。
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まず市場に価格を決めさせる。
需要が供給を上回るなら価格は上がる。
需要が満たされれば価格は下がる。
それが市場である。
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そして、
ゲーム機が十分に普及し、
Amazonや家電量販店、
ゲームショップなどで通常販売が始まる。
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その頃になれば、
市場価格も見えている。
需要も落ち着いている。
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そこで初めて、
メーカーは希望小売価格を設定すればよい。
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私は本来、
希望小売価格とは価格を押し上げるためのものではなく、
価格の下落を支えるためのものだと思っている。
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市場価格が下がり過ぎないようにする。
流通価格の目安を示す。
メーカーが考える適正価格を示す。
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希望小売価格が最も機能するのは、
商品が不足している時ではない。
商品が市場に十分行き渡った後なのである。
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現在は順番が逆だ。
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最初に定価を決める。
抽選を行う。
転売対策を行う。
そして市場価格は別の場所で決まる。
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私はその仕組みに違和感を持っている。
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まず市場に価格を決めさせる。
需要が満たされる。
価格が落ち着く。
その後で希望小売価格を設定する。
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私はその方が自然だと思う。
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ゲーム機は独占商品である。
PlayStationはソニーしか作れない。
Nintendo機は任天堂しか作れない。
だからこそ、
競争市場の商品以上に、
市場価格を無視してはいけないのではないだろうか。
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転売屋対策を考える暇があるなら、
価格設定そのものを見直した方が早い。
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私はそう思っている。
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ゲーム機メーカーよ。
定価をやめろ。
いや、
定価を最初に決めるのをやめろ。
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そして市場に聞いてみてほしい。
そのゲーム機はいくらなのかを。
私は、その答えを市場だけが知っていると思っている。




