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白机の座~最強会長・清水凪咲の学園改革~  作者: 川崎未鈴
第1章 改革派少女の挑戦
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16 運命の壇上Ⅱ

一瞬の静寂のあと——会場からじわっと拍手が広がる。

「ちゃんとしてる…」

「1年とは思えない…」


池部は頷き、マイクを手に取る。


池部「候補者のみなさん、ありがとうございました。」

池部「それでは、ここから質疑応答に移ります。」


資料を確認しながら池部が討論テーマを宣言。


池部「まずは——組織体制とその実現可能性についてですね。清水さんの提案する新たな組織体制について、他候補から質問を受けます。」


ーー桜と陽子は驚く。


桜「え?それぞれへの質疑応答じゃなくて、凪咲の公約を槍玉にして、他候補から質問をさせるってこと?」

陽子「‥‥あぁ、なるほどね、、」

桜「陽子、どうしたの?」

陽子「選挙管理委員会が九条たちに気を遣ってこんなことをしてるんだよ。この質問、凪咲の公約を目立たせて生徒向けに分かりやすくアピールさせるように映るけど、九条や一ノ瀬が質問攻めにする機会を作るためにやってるね。」


九条が静かにマイクを取る。

九条「……では。清水さんの提案は、理論的には非常に整っています。しかし、学園会は任意参加の生徒によって成り立つ組織です。その中で、部門制・権限委任・監察の独立といった制度をどのように機能させるのか。具体的な実装プロセスを説明してください。」


ーー視線が一斉に凪咲へ。会場の空気がピンと張り詰める。


桜「凪咲の公約のアピールタイムを作ってくれてるじゃん!いけー凪咲!!」

陽子「……答え方に注意しないと、相手側の罠にはまって公開の場でダメ出しされかねない。凪咲、がんばって、、」


凪咲は、にやっと表情を浮かべ、マイクを握る。


凪咲「いいでしょう。まず現体制は、案件に対する意思決定プロセスが一つだけであり、案件ごとに専門的な知見を持つ体制が整っておらず、迅速に対処できないという点が課題です。」


凪咲「だからこそ、案件ごとに対応するための部門を設置し、その部門の専門性を活かした迅速かつ実効的な対処を行える体制が必要です。最終責任は会長にありますが、案件の軽重により決裁の権限を部長に落としたり、副会長に落としたり、そういったことは行う必要があると考えています。」


ーーしーんと静まる大講堂。中等部、高等部生だけでも合計1000人はいるが、凪咲の説明について行くことができる生徒は数パーセント程度だろう。


凪咲「また、監察局についてですが、監察局長は会長が指名しますが、学園会に罷免の権限はありませんし、監察局員の任免は局長の専権事項とします。局長の資質に問題があるのであれば、一定数の生徒の署名により罷免動議を起こすことができる仕組みも整えております。」


凪咲「……以上です。」


一瞬、会場が静まり返る。すぐにざわめきが広がる。


「え、ちゃんと制度になってる…」

「学園会を監視する役の人が暴走すれば、生徒たちが辞めさせられるってこと…?」


九条、無言で数秒見つめる。

九条「……具体性は、十分だね」


マイクを持ったまま、間を置く。


九条「だが、いくつか確認させてほしい。まず、部門の専門性について。その専門性を持つ人材を、どう確保する?」


本質的な質問。


九条「学園会は任意参加だ。希望や適性が一致しない場合、どうする?」


間髪入れずに次を問う。


九条「そして監察局。独立性は理解した。だが、その構造は会長が指名した監察局長が、会長を監視するというある種の自己循環にも見える。」

九条「その独立性をどう担保する?制度として成立していても、運用で歪めば意味がない。」


静かに言い切る九条。


九条「そこをどう考えているか、話してほしい」


ーー会場全体が凪咲の返答を待つ空気。

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