第四十一話 2人のキラキラ勝負服
木製のリングである通称“鳥カゴ”の上には、ふたりの少女が並んでいた。
どちらも陸上選手みたいな、上下に分かれた露出多めのユニフォームを着ている。
セシリアのはピンク色。
カリナのは真っ白。
どちらも布の素材は木綿っぽい感じで、着心地はそれなりに良さそうだ。
そのうえ、光が当たるとユニフォームのあちこちにキラキラとラメが輝く。
「……あれ? セシリアのユニフォーム……前の試合と違うな」
俺が思わずつぶやいた横で、ビアンカがうなずいた。
「セシリアが着ているのは、以前パメラが着ていたユニフォームだね。なかなか似合うじゃないか」
「ほう、ビアンカ拳闘団の大エース、パメラちゃんのユニフォームですか」
ペペが大げさな驚きを見せた。演技かと思うくらい声に抑揚がある。
「あぁ。パメラもセシリアに一目置いていたようだから、ユニフォームを貸してあげたんだろう」
「なるほど。パメラちゃんもセシリアちゃんに期待しているんですね」
「それほど、先月の試合はインパクトがあったってことさ。だが……今日は相手がカリナだからねぇ……」
ビアンカの声が少しだけ沈んだ。
俺のほうをチラリと見てくる。目に浮かんでいたのは、同情。
わかってる。俺だって思ってる。
セシリアがカリナに勝つのは――難しい。
なぜって、二人はずっと一緒に練習してきた。
お互いの癖も、パターンも、体の使い方も知り尽くしている。
そして、セシリアは練習中のスパーで一度もカリナに勝てなかった。
でも、練習と試合は違う。
それに、あの年代の選手は試合中にも成長することができる。
これまで期間に俺からセシリアへ教えられることは、全て教えた。
今の俺にできることは、祈ることだけだ。




