ある闘病日誌55
8月2日(金)
転院の日がやって来ました。転院は、介護タクシーです。厄介な患者が、居なくなって、ナースも、ホッとしている事でしょ。私は病院に、深々と、一礼しました。
「行こう、サッちゃん」車椅子に座ったサッちゃんと、私が、後ろの席で、運転手さんと3人です。サッちゃんは穏やかな顔をして、とても、落ち着いた感じでした。何時しか、サッちゃんの右手と、私の左手がしっかり、握りしめられていました。「行こうか」と頷きました。運転手さんは、こういう光景は、職業柄、慣れていらっしゃる様に見えました。国道171号線を、山へ、山へと向かって、車は、走りました。
まるで、死のロードの様です。
病院に、到着しました。運転手さんが、とても親切な方で、娘を、ベッドの所まで、運んで下さり、とても感謝致しました。一時帰宅が出来たら又、この方に、お願いしょうね。と言ったら、サッちゃん、喜んでいました。
高槻市の、青空タクシーさん、本当に、有り難う御座いました。心よりお礼申し上げます。
一般診療もあり、老健もあり、ホスピスもある病院です。静かで、穏やかな感じがします。サッちゃんは、個室に入る様に、手配して頂いていた様です。T病院のS先生からの、口添えも有ったのかな?と、喜んでいました。担当の先生と、看護師さん、サッちゃんと私で、今後の治療方針や、過ごし方などについて、説明が有りました。担当のi先生は、外科の先生です。年配で、穏やかですが、鋭いものをお持ちです。が、内に秘めていて、世間の事は、何でも分かっていらっしゃる方です。そして、優しさだけを、与えてくださっている。と、感じました。担当の看護師さんも、患者が、こんな看護師さんならと、思い浮かべる様な、完璧な看護師さんでした。此処で少しでも楽になって、一時帰宅させてあげられたら、嬉しいと思っていました。本人は先生に、肺の画像を見せられて、説明を受けましたが、少しでも、望みが有るかの様に思っている様でした。一時帰宅、出来る様に頑張ろうね。と、励まし合いました。
ゆったりした、優しいお部屋という感じです。顔も洗える。トイレも、安心して行ける。院内を車椅子で、売店にも、看護師さんに、連れて行って貰えます。娘が部屋で落ち着いた後、私が呼ばれ、先生と看護師さんと、3人で話が始まりました。看護師さんの、厳しい第一声は「葬儀会社は、もう、決めてありますか?」でした。思いもよらない質問に、動揺しました。現実を突き付けられたんですね。本人は希望を持っています。先生、あの娘の希望にも添って、宜しくお願いします。一時帰宅したいんです。肺が此の状態ですので、肺が問題ですがね.....と、優しくおっしゃって、部屋を出られました。娘は、優しく良くして下さる看護師さんと、診察も丁寧で、話しを色々、聞いて下さり、相談にも乗って下さる主治医のi先生を、とても信頼しています。売店にも連れて行って貰い、久しぶりに、自分の好きなお菓子も、自分が手に取って買えた事を、喜びました。ライブや飲み会等が有ったりしました。体調が合えば、行きたいな.....と.....言っていましたが.....。他の看護師さん、栄養士さん、薬剤師さん、他のスタッフさん達、皆さん、とっても良い方達で、サッちゃんを皆さんが、励まして下さり、笑顔を向けて下さっています。最後にいい病院に出会えた事が、私達の喜びです。リハビリも始め、夢を叶える為に、又、挑戦の始まりです。頑張れサッちゃん。皆さんも支えくださっているよ。




