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73.調香師・リヨウとスバル

新キャラ登場です\(^o^)/


2週間後に秋唐国しゅうとうこくへ戻ると決めてからは

毎日、怒涛の日々を送っている。

ムツリが紹介してくれた人たちに引き継ぎを行いながら

リョクチャを選定したり、マーリンが送ってきてくれた資料に目を通したり

忙しい日を送っている。

ザガクと会ってから3日後、今日は雷覇らいはから調香師を紹介されると言われた。

2週間後にはわたしが、秋唐国しゅうとうこくへ行ってそのまま2週間滞在する。

約1ヶ月はお互いに会えない。今のうちに香水を作ろうとなったのだ。


今は雷覇らいはと一緒に調香師のもとへ向かっている。

王属専属の調香師で雷覇らいはが長年愛用している香水を作った人。

一体どんな人かしら…。とってもワクワクしていた。

城の外れにある大きな建物の前まで案内された。

なんか…。実験場みたいね…。

お城の雰囲気とは対象的な、近代的な建物だった。

さすが軍事国家といったところか。


「ここだ、怜琳れいりん。多分中にいるはずだ」


そう言われてわたしは扉をノックした。

鉄で出来た重そうな扉がゆっくりと開く。

中からは女性が2人出てきた。


「いらっしゃいませ!怜琳れいりん様!!」


雷覇らいは様からお話は聞いております!どうぞ中へ」


わたしは彼女達に案内されて、建物の中に入った。

玄関を抜けて、エントランスをすぎると突き当りの部屋に通された。

応接室と、会議室を一緒にしたような部屋で、本棚や香料の原料のようなものが

棚にずらっと並べられていた。

部屋の中央に大きなテーブルとソファ。その奥に4人掛けの食卓テーブル。

観葉植物や絵画などの飾りは一切なく、シンプルな部屋だった。


「はじめまして。秋唐国しゅうとうこく第一王女の怜琳れいりんと申します」


わたしは彼女たちの前に立って挨拶をした。


「お初にお目にかかります。私はリヨウと申します。雷覇らいは様専属の調香師です」


「私は、スバルと申します。リヨウと同じ雷覇らいは様専属の調香師でございます」


彼女たちは双子で、雷覇らいはとは遠縁にあたるそうだ。

髪の毛が長くサラサラストレートの栗色で、肌が褐色。

綺麗な翠の瞳の女性がリヨウ。かわいい系の女性だった。

スバルが灰色の髪に短髪でボーイッシュな髪型。肌は褐色で瞳は切れ長で水色。

顔立ちはキレイ系な女性だった。


彼女たちは全く似ていなかった。二卵性の双子だからだ。

スバルが原材料を作り、リヨウがそれを会わせて香水をつくる。

2人で一つの香水を作るそうだった。


「もうずっと!怜琳れいりん様に会いたかったんです!!」


かわいい系のリヨウが嬉しそうにわたしに話し掛けてくれた。


「そうなんですか!またどうして…」


「だって。()()雷覇らいは様が初めて好きになった女性ですもの!!」


リヨウに続いて、スバルも嬉しそうに話してくれる。

外見はぜんぜん違うけど、息ピッタリって感じだわ!


「えっ?そうなんですか…?」


雷覇らいはって確か経験豊富って聞いてたけど…。


「お前達余計な事を言うな!今日は怜琳れいりんと俺の香水を作りに来たんだ」


あまり聞かれたくなかったのか、雷覇らいはが話に割って入ってきた。

今までどんな人と付き合ってきたんだろ?

そう言えばそんな話をしたことがなかったな~。後で聞いてみよ!!


「えー!雷覇らいは様!こういう事って、とっても大切ですよ?」


と頬を膨らませながら話すリヨウ。


「そうですよ!香水はインスピレーションが全て!!相手の事を知らないとできないです」


同じように頬を膨らませながらスバルも話す。


「だからって俺の過去を怜琳れいりんに言う必要はない。話すなら俺が自分で話す」


腕を組んでムスッとしながら話す、雷覇らいは

彼が女性に対してこんな態度をとるのが珍しかった。

普段はもっと柔らかい感じだけどな~。

よっぽどこの2人と仲がいいのね!!


「分かりましたよ~。それじゃあ、怜琳れいりん様の事を聞いていきますから!!」


そう言いなら、メモを取り出して私の方を向いたリヨウ。

お目々がパッチリしていてお人形みたい!かわいいわ!!


「それじゃあ怜琳れいりん様。好きな食べ物は?」


スバルがニコニコしながら私に質問をする。

スバルも綺麗なお人形さんみたい!!


「えーと…。甘いお菓子が好きですね、クッキーとかマドレーヌとか」


「ふんふん。好きな色は?」


「好きな色は赤色と黄色です!」


「なるほど…。趣味は何ですか?」


「お花や草木を育てることですね!」


スバルが質問をしてそのよこでリヨウがメモをどんどん書いている。

本当に2人で分業しているのね~。


「兄弟や家族はいますか?」


「弟が一人います。10歳とししたの!!」


「凄い歳が離れていますね!!怜琳れいりん様はおいくつですか?」


「わたしは22歳です!!」


「えッ!!そうなんですか?私達より一つ下だわ!!」


「わぁ!歳が近いですね!!」


リヨウとスバルは23歳なのか~。

年齢の近い女性はリンリンしか知らないから嬉しいわ!!

それから、わたしの話を一通りしたところでリクエストはないか?と聞かれた。


「うーん。凄く悩むんですけど…。香りを嗅ぐとホッとする香りがいいです」


「なるほど~♪リラックスしたいってことですね!」


「そうですね!毎日つけたいのであまり匂いがきついのは苦手かもしれないわ」


「ふん。ふん。なるほど…。雷覇らいは様とも一緒にいるだろうし、あまり喧嘩しない香りがいいですね!」


「そうですね!匂いが混ざってきつくなるのは避けたいです」


「分かりました!今聞いたお話で3種類ほど調合します。そこで感想を聞かせてください!」


おー!!あんなやり取りだけでもう3種類も作ってくれるのね!

やっぱり、プロで調香師をされているだけあって手際がいいわ!!


怜琳れいりん専用の香水も作って欲しいが、俺と怜琳れいりんをイメージした香水も新たに作って欲しいんだ」


「わー!!とっても素敵ですね!!かしこまりました雷覇らいは様!お二人をイメージした香水をお作りしますね!!」


とっても楽しそうにスバルが話し出す。

やっぱり香水を作ることが好きなんだわ…。

表情がキラキラして、輝いているもの!


「お二人は雷覇らいは殿の香水を作って長いんですか?」


わたしは、お水を飲みながら2人に質問をした。


「そうですね~。親戚っていうのもあって小さい頃から面識はありましたよ」


「そうそう。新年会とか一族で集まるときにはよく顔を合わせてました!」


「そうなんですね~!!それじゃあ幼馴染って感じですね」


そっかそっか。雷覇らいはの事を昔からしっているから

あんなにお互い気さくな感じで話をしているのね!!

それじゃあ、ムツリやサイガとも知り合いなのかしら?


「じゃあ、ムツリとサイガも知っているんですか?」


「知ってますよ!それにスバルの彼氏はムツリですし!」


「ええ!!そうなんですか!!」


ムツリ…。彼女いたのね…。悪いけど以外だわ。

でもお似合いかも。クールなムツリと明るいスバル。


「割と付き合い長いよね?スバル」


「ええ。かれこれ5年になりますね」


「そうなのね~。すごいな~!!わたしは付き合ったことって無いから…」


怜琳れいりん様が?とっても可愛らしいからモテそうなのに!!」


意外という顔を2人にされてしまった…。

全然モテないですよ!恋愛に全く興味なかったし…。

それに怜秋れいしゅうと一緒にいることのほうが多かったしな~。


でも、リヨウとスバルが話しやすい女性で良かったわ!

これからお世話になるし、年齢も近いからぜひ仲良くなりたい!!

わたしって同年代のお友達っていないのよね~。


それから少しだけ女子3人で話をして部屋を後にした。

また3日後にサンプルの香水を見に行くことになった。

その時はわたしだけ行って、雷覇らいはの小さい頃の話を聞かせてもらおう!


「そう言えば、雷覇らいは殿って今までどんな人と付き合ってきたんですか?」


わたしは車椅子を押しながら、お城へ戻る道中、雷覇らいはに尋ねた。


「どういう…と言われてもな。申し訳ないことにあまり覚えてないんだ…」


「えっ?そうなの?お付き合いしてたのに…?」


「昔は今と違って、女性に全く興味がなかったんだ…。付き合ったのも向こうから告白されてからだし、別れる時も向こうから振られるから」


でも…。付き合ってはいたのよね。

モテてるけど、続かないって感じかな?


「意外ね~。雷覇らいは殿ってもっと情熱的な恋愛してそうなのに!」


「いや…。それは怜琳れいりんと会ってからだ。昔はよくサイガにも進められたが、全く楽しくなかった」


「そうなんだ~。それじゃあ雷覇らいは殿は何が好きだったの?」


「俺は剣術と、戦術を学ぶことが好きだった。いつもその事ばかり考えていたよ」


苦笑いしながら雷覇らいはが話す。

マダムベリーが言っていたのはこのことか…。

経験豊富だけどすぐに振られるってこういう事だったのね~。

雷覇らいはから、主体的になって付き合った人っていなかったのね。


怜琳れいりんは…。いなかったのか?好きな人」


「わたしはいなかったわ!怜秋れいしゅうとずっと一緒にいたし、告白されたこともないし…」


そう思うとわたしの恋愛経験のなさは酷いな…。

本当にブラコンだからな~。


「意外だな!怜琳れいりんのほうがいい寄って来る男は多そうなものだがな」


「うーん。炎覇えんはに好きだって言われるまでは全くなかったわ!」


「なるほど…。ラカンが上手くガードしていたのか…」


ボソっと雷覇らいはが何かを行ったけどわたしには聞こえなかった。


雷覇らいはのあの、熱量が過ごすて伝わらない感じは

恋愛経験がないからなのね…。なんとなく合点がいった。

炎覇えんははもっとスマートだったものね~。

生粋の軍人さんなんだわ!!雷覇らいはって。


雷覇らいはって本当にちゃんと彼女がいたこと無いのね!

まぁ。わたしも人の事言えないか…。ちゃんと付き合うとかしたこと無いし。

そりゃあ…。色々と噛み合わないわよね~。わたし達…。


わたしも雷覇らいはも、ちゃんと付き合う事をしなかった者同士。

すれ違ったり、誤解が多いのは仕方ないことだと思った。


「じゃあ付き合うなら俺が初めてだな!!」


嬉しそうに雷覇らいはに言われた。


「そうね…。付き合うならね」


「よし!そうなるよう努力するよ。怜琳れいりん


「…。ありがとう?」


よく分からない宣言だけど…。

雷覇らいはの努力というよりかはわたし次第なところがあるんだけどな~。

わたしが好きって言えばそれで解決だし…。今は言わないけど!!


でも雷覇らいはの意外な一面が知れてよかったな!!

最後までお読み頂きありがとうございます!

(*^^*)

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