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69.足りないもの

誤字のご指摘ありがとうございます(;O;)

早速修正しました!!


会話って本当に大切ですよね!!(#^.^#)

最近特にそう思います!


お城を出て3日目。

わたしはそろそろ帰ろうかなって思ってたけど

マーリンにまだ早い!と怒られてしまいまだ夏陽国かようこくを観光している。


今日は電車を使って遠い所まで行こうという事になった!!

夏陽国かようこくは軍事産業が盛んな街だ。

鉄道や道路が他の国よりもはるかに発展している。

広大な土地柄どうしても馬車だけの移動では限界がある。

その為、移動手段が発達しているのだ。


「わぁー!!電車って凄いですね!!」


物凄く興奮しながら黒綾こくりょう殿が窓の外を覗いてる。

ふふふ。本当にかわいいわ!!あんなにはしゃいで!

いつか怜秋れいしゅうも連れてきてあげよう!!


「市街地までかなりの時間短縮だものね!凄いよね!」


「さすが夏陽国かようこくって感じね~♡そう言えばれいちゃんは、これからライライとどうするの?」


真剣な声色でマーリンに聞かれた。


「ひとまず婚約期間を延長しようって思って!後はペナルティ的な感じを、つけようかなと!」


「なるほどね~♡ライライ相当落ち込むでしょうね~!!」


「そうですか?婚約破棄されないだけでも、いいと思いますよ?」


さらりと酷い事を言う黒綾こくりょう殿。

意外とブラックな所もあるのよねー…。


「元々、結婚には怜秋れいしゅうが凄く反対してるの!だからどのみち、今すぐには結婚できないわ」


「あら?しゅうちゃんが反対してるのね~!!まぁ、お姉ちゃん大好きって感じだものね~」


「そーなのよ!この間も雷覇らいはのこと話したら、結婚しないでって泣かれちゃって…。まだ認められないみたいなの。わたしとしては雷覇らいはにも怜秋れいしゅうにも仲良くして欲しいから…」


「それで婚約期間の延長なのですね!!」


「そーなの!だから、あと2年は伸ばして貰おうかなって思ってるの!」


「いいんじゃな〜い?お互いの事じっくり知るのは大切よ~!で!問題はペナルティの方ね?」


「そーなの!マーリン何かいい方法あるかな?わたし的には、1ヶ月間口づけ禁止とかにしようと思ったんだけど…」


「たしかにそれは、ライライにとっては致命的よね~」


「そんなにダメージを与えるくらい、普段からされてるんですか?」


うっ!!黒綾こくりょう殿…。痛い所をついてくるわね!

そう言われると恥ずかしい…。


「うん…。最近は特に多かったかも…」


「そう…なんですね…」


何やら凄まじいショックを受けている黒綾こくりょう殿。

やっぱり、雷覇らいはが好きだから、取られたような気持ちになるのかしら?


「でも、ライライって血の気多いじゃない?我慢した分の反動が大きそうよね!」


真剣な表情でマーリンが言う。


「たしかに!!1ヶ月も我慢したら…。凄いことになりそう…」


その時を考えるだけで、心臓がドキドキした。動悸が止まらない。

もう口づけどころでは済まないかもしれない!!!


「上手に発散させないとダメなタイプよね~。我慢させるより、こうして欲しい!みたいなペナルティはどうかしから?」


「それってどう言う風にするの?」


「う~ん。例えばだけど、口づけ意外のスキンシップを増やして欲しいとか♡」


「おー!!ふむふむ。それってどんな感じの?」


「そうね~。私なら膝枕とか、後ろから抱きしめられるとか?そんな感じが好きだけどね~♡」


「あっ!僕は頭を撫でて貰うの好きです!!」


ほーほー。男性目線の意見だとそうなのか!

勉強になるわ!!そして、黒綾こくりょう殿は頭ナデナデがいいのね!!

またやってあげよう!


「膝枕とかはやった事ないかも!それなら、あまり口づけされないし、適度にスキンシップできるからいいかも!!」


「後はやっぱり、コミユニケーションよね~♡会話って本当に大事だわ!」


「うう。やっぱり、マーリンもそう思う?わたしも昨日、そう感じたのよね~」


「ライライってそ言う所抜けてそうよね~!!話すより手が先に出る感じ?」


「そーなの!!わたしもちゃんと会話したいって思ってるんだけど、話す前に色々されるから…話せなくて…」


うわー!!言ってて凄い恥ずかしい!!

でも!さすがマーリン!!的確なアドバイスだわ!


「それじゃぁ、今回の事を理由にきちんと会話したいってお願いしてみたら?」


「そうね!そうする!今回は雷覇らいはが全面的に悪いから、反論させないわ!」


「うふふ♡その意気よ、れいちゃん♡」


「僕も立ち合いましょうか?大丈夫ですか?」


黒綾こくりょう殿が心配そうに聞いてくれる。


「ありがとう。黒綾こくりょう殿。でも、大丈夫よ!これくらい2人で会話できないとこの先も続かないもの」


「そうですか…。そうですよね!」


「でも心配してくれてありがとう。黒綾こくりょう殿」


そう言ってわたしは黒綾こくりょう殿の頭をナデナデした。

黒綾こくりょう殿は嬉しそうに笑ってた。

ふふふ。本当にかわいいー!!今日も天使ね!!


「あともう少しで駅に着きますね!!」


わたし達はいつの間にか目的地の最寄り駅に近づいていた。

話していると本当にあっという間に時間がたっちゃうわ~!!

わたし達が向かっているのは、マダムベリーに紹介してもらった陶器の産地。

軍事産業の一環で作られている工房を見に行くことになっている。

どんな陶器があるか楽しみだわ!!


*-------------------------------------*


怜彬れいりんが城を出て3日目。

まだ帰る気にならないとの事でもうしばらくは

城下街を観光するそうだった。(これは、密偵の報告)


怜彬れいりんに手紙を出したが返事がない…。

やっぱり嫌われてしまたったのだろうか?

…。


いや!まだ彼女が、夏陽国かようこくにいるのならその可能性は低い。

本当に嫌われているなら、彼女の事だ…。

とっくに秋唐国しゅうとうこくに行っているはずだ。

冷静に考えよう。いつも、ここで感情的になって失敗してしまう。

つい先日も贈り物をしすぎて、怜彬れいりんに怒られたところだった。


「それにしても…どうしたものか…」


俺は頭を抱えた。

いつも、あと一歩と言うところで自分の感情を優先してしまい彼女を傷つける。

怜彬れいりんの事をきちんと考えることができていない…。

春魏国しゅうぎこくで人前ではしないと約束したばかりだったのに。

冷静さを欠き、感情のまま行動してしまう。

どうしたら自分の感情をコントロールできるようになるのだろうか?

ラカン殿からは、まだ教わりはじめたところで、中々体得できていない。

…。だめだ!考えても分からない…。

俺は気分転換するために、怜彬れいりんの庭園へ向かった。


今は彼女がいないから、庭師が手入れをしてくれている。

最初に作ったのは親父だ。彼女が花が好きだからと言っていきなり作りだした。

親父はどちらかと言うと、言葉と態度で愛情を表現しているように見えた。

二人きりの時はどうか分からないが…。

いつも穏やかに怜彬れいりんの事を見守っていた。

彼女の傍で寄り添うように慈しんでいた…。


…。俺は怜彬れいりんをちゃんと見ていたんだろうか?

今までの行動を振り返ると、自分の気持ちばかりを見ていた気がする。

彼女に言われた。人前ではしないで。という言葉も言われるまで忘れていた…。


「はぁ…。最低じゃないか…」


彼女の植えている花壇の前に腰かけた。

花を見るたびに怜彬れいりんを思い出す。

昨日送った手紙にも花を添えた。意味が伝わっているか分からないが…。


今の俺に足りないことは何だ?

どうしたら、もっと怜彬れいりんを大切にできる?

親父はどうしていた?

俺は自分に問いかけながら様々な場面を思い出していた。

怜彬れいりんと親父が楽しそうに庭を散歩している姿や

食事をとっている姿…。とてもよく会話していた気がする…。

とくに怜彬れいりんが良く話していて、それを親父は隣で

ニコニコしがなら聞いていた…。


これか?ふと思った。

俺は果たして、怜彬れいりんとちゃんと会話しただろうか?

彼女の言葉に耳を傾けていただろうか?


…。していない!!全くしていなかった!

衝撃だ…。思い返せば返すほど、彼女との会話は少ない…。

ラカンに言われるまで、この4年間どう過ごしていたか知らなった。

というか、知った気になって怜彬れいりんに直接聞こうとしなかった。


「これはまずい…」


俺は自分の気持ちを伝えることに必死で

怜彬れいりんの気持ちを聞こうとしなかった。

彼女がこれまで何を感じ、何を考えてきたのか知ろうともしなかった。

それは、怒って当然だ…。

本来なら、あの日の彼女に言葉をかけるなら、髪飾りをつけてくれてありがとう。だ。

そしてどうして俺の髪飾りを身につける気になったのかを聞くべきだった!!


しまった!!ああ!なんて俺は馬鹿だったんだ…。

相手の事をちゃんと知る。その事を俺は怠っていた…。

戦なら相手の情報を調べ上げて、どういう戦術で攻めるか考える。

戦と比較するものどうかと思うが、怜彬れいりんの事を

大切にしたいならちゃんと彼女の言葉を聞くべきだった。

彼女を知るべきだった。


でも、少しだけ怜彬れいりんに対してどうするべきかが分かってきた。

俺に足りないものは会話だ!!

彼女が帰ってきたらまずはじっくり話を聞こう。

俺はそう心に思いながら、怜彬れいりんの植えた花を眺めていた。


*-------------------------------------*

最後までお読みいただきありがとうございます( *´艸`)

ブックマークしてくださった方ありがとうございます!!

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感想・ご意見お待ちしております!(^^)!

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