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夜 〜Part2

「碧いおもちゃ箱」シリーズでご覧下さい。

「空白の夜」


淋しくて 寂しくて

哀しさに耐えかねて

独り涙する夜

彼の人は今、

異国の空の下

誰を想って泣くのだろう

何を想って眠るのだろう








「漂泊の夜」


一人が淋しく辛い夜は

風が冷たい世界が寒い

泣けぬ涙が流れる夜は

言葉は何の意味も持たない

夜はひたすら果てしなく

心の闇は底知れず

ただ人肌のぬくもりを

欲して彷徨う私は

女……








「白夜」


憧れや妬みという

無形の憎悪に支配さるる夜

私の精神こころは過去へ馳せ

まだ見ぬ未知へと飛翔する

夢見しものには届き得るか

彼方の闇へと消え失せる

束の間の夢

はかなき夜








闇夜あんや幻想」


見えない明日が私を弱くする

耐え難い現実に途方に暮れる

肉体からだ精神こころも疲れ果ててなお

安らかな眠りさえ訪れない夜

感覚のみ研ぎ澄まされ

聞こえない音が聴こえ

視えない幻が現れても

天の啓示は降りては来ない








「長き夜」


世界が敵意を剥き出しにして己の上に

襲い来る、

そんな夜は

剃刀片手に泣き明かす

鮮血を見る勇気など有りもせず

されど生きる覚悟はなお持てず

悪魔の囁きのみぞ聴く

嘲り笑え!

果てしなく、そして己を

連れてゆけ……!!

声なき声は何処まで届く

ただ、落ちて堕ちゆく我のみが在る

暗き部屋の片隅に








「眠れぬ夜に」


電話の前で今日もまた

動けずに

ただまんじりともせず息を潜めながら

想ひは遠く彷徨い始める

あの人は今、何をしているのか

何を想いそして今何処に……

自分以外のああ、確かに他の誰かと

肌をあわせていることを知る夜

私のからだは想ひに苛まされる

目の前にある電話が遠くて

とおくてとりあげられず

ただ、ただ哀しくて

受話器を握り締める

今夜もまた

自分がいる








「セルリアンブルーの夜」


私の胸の隙間からこぼれたブルーの一雫

指先を伝って空っぽの記憶を染めてゆく

独りの痛い静寂しじまの中でどこまでも透明な

セルリアンブルーがひたすら優しい夜に








「夜」


温かいあなたの胸の中にいないと

何かが不安でたまらなくて

この長い夜が越せない








「蒼い夜」


透き通った月の光が窓辺を照らす夜

あなたの想い出に抱かれて眠りたい










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