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今日の描かない君と踊らない僕  作者: 高名なすの
第2章 あの頃の描けない君と踊れない僕
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16話 同盟を結ぼうか

「そういえばなんだけど皆は彼氏っていなかったの~?」


 巨大ロボットと許嫁との戦闘があった日曜日から今日で3日。敵との戦闘が毎週日曜と決まっているためそれ以外は好きなことをして過ごす。そんな毎日を送っていた。


 今日は私の提案で豊洲へ。なんとなく海が見たかったから。以前戦闘で来たことあったけど遊ぶって感じでもなかったし。かといって東京からは敵との取り決めで出れないから江の島とかには行けないし。そんなわけで豊洲に来た。


「急にどうしたんすか立待先輩。潮風にあてられてってやつっすか?」


 多分というか確実に使い方が間違っていると思うぞ。だが実際私も佐鳥と同じ疑問を持ったのも事実だ。


「こないださ、なんよちゃんの元カレ?きたじゃん。それでみんないたことないのかなーって気になってさ」


 確かに私たちはここ最近そういう話をしていなかった。最後に記憶があるのはまだ大鳳と菊千代が私たちと同じ高校にいた時だから……3年前か。


 3年!? じゃああの二人もう20過ぎてるの!? 時の流れる早さの恐ろしさを感じた。今まで気にしなかったのは原理はよくわからないけど一番魔力が安定するからって理由で常に高校の時の制服で過ごしているせいだろう。私と菊千代はスーツのほうが安定するから夏でも黒スーツ姿だが。

 

 にしても二十歳はたちで高校の時の制服着てるのか……ちょっとキツイな。いや佐鳥以外みんな高校卒業してるから人のこと言えないか。


「私のアレって彼氏に入らないと思うんよ。別に好きでもないし」


「何言ってるんすか。いちゃいちゃ夫婦喧嘩してたじゃないっすか。堂々と」


「夫婦喧嘩じゃないんよ!」


 海辺を逃げる佐鳥。それを追いかける菊千代。まるで青春映画か恋愛映画のワンシーンのようだ。キャッキャウフフ、捕まえてごらんなさ~いってやつ。


 違うのは佐鳥がマジの全力で逃げてるから姿が見えないってことと菊千代がほとんど『飛翔剣』に追いかけさせていること。技をそんなことに使っちゃっていいのかなんよさん。


「うちらはいたことないわ。こんな優良物件なのに。まじわけわかんないわ。ね、お姉ちゃん」


「僕、いたことあるけど」


 裏切られてんじゃんめぐる。ムンクの叫びみたいな顔になってる。っていうかまわる、お前彼氏いたのかよ。


「東京がこうなるまで付き合ってたけど」


 追い打ちでムンクが倒れた。私たちも倒れるまではいかないにしてもかなりの衝撃を受けた。でもちゃんと考えると金髪碧眼美少女で物静かで性格よくてボクっ子って。モテない要素がない。


 見た目瓜二つだけど妹は活発というかちょっとギャル入ってるからね、うん。しょうがないね。要素が『一見清楚のオタクにやさしい白ギャル』くらいになっちゃってるからね。


「Bまでいったけど」


 もうやめてあげて。妹が戻ってこれなくなっちゃうから。ほら大鳳とかこういう話にあんま耐性ないから顔赤くして車の上に乗ってちっちゃいのの追いかけっこ見ちゃってるし。


「お、おい! 如月! お前は信じていいんだよな!」


 めぐるが私に飛びついてきた。医療ドラマでも見たことないぞこんな必死の飛びつき。っておい私の服の裾が伸びるから引っ張るな。個性出すために文系だったのに白衣着てるんだから。


「そんな泣きつかれても困るんじゃが…。まあ彼氏はいたことないのぅ。」


 答えた瞬間パッと笑顔になっためぐるが肩を組んできた。


「そうか。うちら……非リア同盟だな!」


 親指立ててウィンクしてグッ! じゃないんだよ。そんなのに勝手に加盟させないでくれ。


「ほかはどうなのよ。かなぎとか……いやお前いそうだな。ていうかうち惚気話聞いたことあるわ。部長は?」


「………ある」


 あるんだ。


「ごめんCまでいってる」


 Cまでいってるんだ。


 横で質問すらされなかった人が私も~とか言ってる。聞きたくなかったよお前のは。


「あ、そか。うん。Cね。はいはいCC。部長女子にも人気あったしそりゃモテるよね」


 めぐるの目がどんどん死んでいく。こいつこういうの引きずるんだよなぁ……


 そしてここでやっと佐鳥と菊千代が戻ってきた。お互いに戦闘でも見ないほどにつかれていた。アホなの?


「おーいさゆさゆ。彼女いたことってある~?」


「え? ないっすけど。高校で彼氏作ったところで卒業して離れたらどうせ別れると思ってたんで」


「ざゆざゆ~」


「え、なんすかこれ。逃げた方がいいやつっすか、ちょっ、先輩怖いっす! 怖いっすってぇぇぇぇ!」


 めぐるが何の涙かわからない涙を浮かべながら佐鳥のほうにすっ飛んでいった。戻ってきたばかりなのにわけもわからずまた逃げ出す佐鳥。いつの間にか日は沈みかけていて、海辺を走る2つのシルエットから聞こえるわーとかぎゃーとかの叫び声とは対照的にとてもロマンチックだった。私たちは大鳳のように車の上に乗りそれを眺めていた。


「こういうのがエモいってやつなんだろうね~」


「ああ。カメラ、持ってればよかったな」


「じゃの」


「ん」


「なんかうまく言えないけど、ルパンみたいなんよ。銭形とルパン…・・・」


 それいまじゃなくていいでしょなんよさん!

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