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会議室の様な部屋にアインは居ませんでしたので、食事をした部屋へ、三人で向かいます。

しかし不思議なのですけれど、この大きな神殿の様な建物の中に、私たち以外の人の気配がしないのです。


アインは魔族の王様なのですから、部下や従者、またはメイドなど居そうですのに、見かけません。

私のイメージでは、王様の住んでいる場所には、たくさんの人が働いている……と言う物なのですけど、魔族の方々は違うのでしょうか?


食事をした部屋…ダイニングですかね、そこにブルースとアインが居ました。

どうやらお酒を飲んでいる様ですね。


「よぅ、起きたのか」

「ええ、いつの間にか眠ってしまいました」

「肉獲って来たらぞ、調理場に置いてるから好きに料理しろ」

「ありがとうございます。

…魔族の方々は食事をしないのですよね?

なのに立派なキッチンが有るんですね」


ガスコンロや電子レンジが有る…と言うわけでは無いですけど、魔力で火加減が調整出来る、煙の出ない不思議かまど、水魔法の魔石とか言う物に蛇口の付いた水道もどき。

他にも使う人のベストポジションになる調理台や、食洗機らしき食器棚など有りました。

冷蔵庫なのであろう箱の中身は、昼に使った残りの食材と、ブルースの言っていただろう新たな肉…と言いますか鹿が丸ごと入っています。


「私達魔族は食事を取る必要は無いですけど、嗜好品として食べる事も有ります。

それに他種族の客を招いた時などは、食事を振るまう事も有りますからね」

「そうなのですか。

料理はアインが作るのですか?」

「いえ、部下で料理を作れる者に任せています」

おや、やはり一人暮らし?では無い様ですね。

「部下の方がいらっしゃるのですか?

この建物の中に人の気配がしませんから、一人で暮らしているのかと思いました」

ついでとばかりに、先程の疑問を尋ねてみました。


「ジョニーには申し訳ないのですが、ここに居る者達は、人族が苦手な者ばかりなのですよ。

ですから、地下にこもってしまいました」

「え?私のせいで隠れてしまわれたのですか?」

それでは仕事に差し障ってしまうのではないでしょうか。


「大丈夫ですよ、今片割れが部下の元に行っていますから」

半身が旅に出る事を説明したり、半身が残るので問題はない事など、話をしに行っているそうだ。


「部下の方々は納得してくださるでしょうか」

「半身が残るのですから、何も問題はないですよ。

それに今は平和な世の中ですからね」

「コイツの一族で問題を起こす様な奴はいない。

他の魔族だと喧嘩っ早い奴ばかり居る一族も居るが、躾が行き届いているから問題は起きようがないぞ。

何か問題を起こせば制裁が有るからな」

笑いながらブルースが言います。

「制裁など人聞きの悪い。

指導をしているだけですよ」

ニッコリと笑うアインの背後に黒い物が見える気がします。

ブルースは慌てて視線を逸らしていますけど、アインは黒い笑顔のままです…。


「ねえ、お腹すいた」

シナトラの発言に場の空気が戻りました。

こう言うのを【空気クラッシャー】とでも言うのでしょうか。


「ああ、すみません、食事の準備をして来ますね。

シナトラとチャックは座って待ってて下さい」

私が言うと、シナトラは「はーい」と返事をして、ブルースの横の椅子に腰掛けます。

チャックは「手伝うよ」と、私の後について来ました。


「手伝う程のものでもないですけどね。

昼は焼いたから、夜は煮込みましょうか」

ブルースが獲って来てくれていたのは、鹿ではなく、鹿の様なモノでした。

鑑定してみましたけど、角以外では毛皮と睾丸が素材でしたので、アインの指導の元解体して、ザクザクと切っていきます。

睾丸を取るのに少しばかり躊躇したのは、男なら気持ちを分かってもらえると思います。


適当な大きさに切って、鍋に入れ、昼にチャックが採って来てくれていた栗の様な木の実と一緒に煮込みます。

調味料が有ったのでお借りして、出来上がったのは……何でしょう?

見た目には栗入りの角煮の様な感じですけど、味はスパイスが効いていてエスニック料理の様な感じです。

………まあ、美味しければ何でも良いでしょう。


料理を提供すると、美味しいと好評でした。

昼も肉、夜も肉でしたね。

最近では、肉は重くて量を食べることが出来なかったのですが、体が若返っているから食べられます。

それでもそろそろ肉以外が食べたいですねえ。

特に食べたいのはご飯なのですが。




食事が終わって、食洗機の様な物に食器を入れた後、アインにポイント交換について相談してみることにしました。


「………と言うわけで、交換できる物について相談したいのですけど、何と交換したら良いのか教えてもらえますか?」

「交換品にどう言ったものが有るのか書き出して……はまだ文字が書けないですよね。

読み上げてもらえますか?」

「そうですね。

このタブレットが他の人にも見ることが出来れば良いのですけど……おや?」

右下隅の星印が点滅しています。

確かこれは【設定】でしたよね、タップしてみましょう。


【設定

個別指定情報開示 オン/オフ 】


これは、指定した相手に画面が見える様になる……で良いのでしょうか?

とりあえず【オン】をタップしましょう。

使い方は調べれば良いですかね。


個別指定情報開示のやり方……文字数多いし漢字だしで少し面倒ですね。

音声入力とかできれば良いのに。


部下達はきっと視界に入らない場所で仕事をしているのだと思います。

お茶の準備とか、部屋を整えたりとか。

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