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9/11

彼女5

彼氏の性格は……



彼氏の部活が終わるまでの時間は、貴重な勉強時間。

椅子に座っているのにも飽きて、日本史の教科書を持って窓を開けた。冷たい風がさーっと入ってきて髪が乱れる。

それが気持ち良くて、ついでにイヤホンをつけて今1番好きな曲を流した。英語の歌で、ゆったりと落ち着ける歌。


教科書を持ち直して次のテストの範囲のページを開いた。武士が出てくる時代で、あたしとしては得意なところだ。


悲しい戦乱のなかで生きる人たちのことはどれだけ想像しても本当の辛さはあたしにわからない。けど、教科書に書かれている武士達はみんなかっこよくて会ってみたいとも思う。

彼氏が武士だったら、と考えてみた。


情に厚くて曲がったことが嫌いな彼なら、きっと主人や家来のことを真剣に思いやるんだろうなぁ。


武士姿の彼氏を想像して口元が緩んだ。気をつけないと1人で笑っている可笑しな人になってしまう。

曲が1番好きなところに差し掛かり耳に意識を集中させた時、両耳に温かい感触が。

振り向くと彼氏があたしを見下ろしていた。


「…なんだ、びっくりさせないでよ。」


安堵のため息が出た。


「あ、わりぃ」


相変わらず表情がかたい。


「ちょっと待って、今片付けるから」


少しでも待たせないように小走りで自分の席に戻る。彼氏は無言でじっとあたしを見ていている。だから、ついつい


「来るの遅い。」


照れ隠し。


「ああ、あんたに………いや、なんもねぇ、悪いな」


あたしに?

彼氏は言いかけたことを無しにして、俯いて謝った。

目を見ないのは何かやましいことがある時。


「何言いかけたのか言ってよ、気になるじゃん」


リュックを背負って彼氏に詰め寄る。


「言わねーよ、」


「えー、やだ」


ちょっとだけ駄々をこねてみた。


「うるせー、キスするぞ」


少しかがんで近づいた彼氏の顔。やっぱり真顔。


「ぇ……は、はぁっ?何言ってんのっ」


慌てて2歩後ろに下がった。





男らしいその見た目で、それはちょっとずるいんじゃないの?






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