第50話「白米と醤油を獲得! Aランク魔牛の肉で『究極のすき焼き&寿司パーティー』を開催する〜東方の巫女もスローライフの虜に〜」
超巨大な鉄筋コンクリート防壁を一瞬で錬成し、魔王軍を完全にシャットアウトした俺は、東方神国の帝から国を救った英雄として熱烈な歓迎を受けた。
「おおぉ……天照の再来たる御方よ! 国の半分でも、莫大な財宝でも、どうかお好きなものをお受け取りくだされ!」
「いや、金や権力はいらない。約束通り『最高級の白米』と『醤油』、それと『極上温泉の源泉(魔石)』だけもらっていくよ」
帝や高官たちが「そんなものでよろしいのですか!?」と涙を流してひれ伏す中、俺は大量の食材と調味料を要塞の倉庫空間へと収納し、ホクホク顔で帰路についた。
◆ ◆ ◆
「よし、今日は待ちに待った『和食』の宴だ! ゲストのサクヤも遠慮しないでくれ」
「は、はいっ! レン様……いえ、レン神様っ!」
要塞の広大なダイニングルーム。
俺はキッチンに立ち、土魔法で錬成した「極厚の土鍋」で最高級の白米を炊き上げていた。魔力による超高火力で一気に炊き上げた米は、蓋を開けた瞬間、真珠のようにツヤツヤと輝き、甘い湯気を立ち昇らせる。
「まずはメインディッシュだ。分厚い鉄鍋を熱して……」
カンカンに熱した鉄鍋に、Aランク魔獣アウム・カウ(神牛)の極上ラードを引く。
そこに、美しい霜降りがびっしりと入った神牛の薄切り肉を並べた。
ジュワァァァァァッ!!
肉の脂が溶け出す暴力的な音と共に、最高級の醤油、砂糖、酒を合わせた特製の『割り下』を回し入れる。醤油が焦げる香ばしさと、砂糖の甘い匂いが要塞中に爆発した。
「ひゃあぁぁっ! お兄ちゃん、すっごくいい匂い! お腹がぐーって鳴っちゃったよぉ!」
シロが狐耳をピーンと立てて、シッポをちぎれんばかりに振っている。
「完璧だ。さあ、新鮮な卵に絡めて、炊きたての白米と一緒に食べてみろ」
「いただきますっ! ……あむっ、はふっ」
シロが肉で白米を巻き込み、口に運ぶ。
その瞬間、ポンッ! と頭から湯気が出たかのように目を丸くした。
「んんんーっ!! お肉が、お肉がお口の中で溶けちゃった! 甘くてしょっぱいタレがご飯にすっごく合って、無限に食べられちゃうよぉ!」
「本当です……っ! この『ショウユ』という黒い調味料、魔牛の強烈な旨味を完璧に引き出しています! ご飯が、ご飯が止まりませんわっ!」
クレアも淑女の嗜みを忘れ、山盛りの白米を猛烈な勢いでかきこんでいる。
「まだまだあるぞ。東方神国の港でもらった新鮮な魚と、前に獲ったクラーケンの足を捌いた『お寿司』だ」
酢飯の上に、ルビーのように輝くマグロ(似の魚)の赤身や、透き通るようなイカの切り身を乗せたものを大皿で提供する。
「うむ! この刺身という生魚、ツンとくる薬味と醤油の相性が抜群じゃ! エールが無限に飲めるわい!」
ガンダルもドワーフらしく豪快に寿司をつまみ、大ジョッキを煽っていた。
そんな中、ゲストとして招待していたサクヤが、すき焼きの肉を口に入れたままポロポロと大粒の涙をこぼしていた。
「……サクヤ? 口に合わなかったか?」
「ち、違いますぅ……っ。美味しすぎて、涙が……」
サクヤはハンカチで目元を拭いながら、しゃくりあげた。
「ずっと魔王軍に怯え、明日死ぬかもしれない戦いの日々でした。こんなに温かくて、美味しくて、安心してご飯が食べられるなんて……私、これが本当の幸せなんだって……っ」
「……そうか。なら、今日からずっとこの幸せを味わえばいい」
俺がそう言うと、サクヤはハッとして顔を上げた。
「私の要塞には、空き部屋ならいくらでもある。美味しい米と醤油の産地直送の手配もあるし、神国の連絡係として、お前がこの要塞に住み込むのが一番合理的だろ?」
「レン様……っ!」
サクヤの顔がパァッと明るくなり、満面の笑みで何度も頷いた。
「はいっ! 私、レン様の要塞で一生お仕えします! ご飯もいっぱい食べます!」
「わーい! サクヤお姉ちゃんがいっしょだー!」
シロが抱きつき、クレアが優しく微笑む。
かくして俺たちの無双とスローライフは、白米と醤油、そして新たな家族(ポンコツ巫女)を迎え入れ、空の上でますます賑やかに極まっていくのだった。
お読みいただきありがとうございます!
無事に白米と醤油を獲得し、記念すべき第50話は「究極のすき焼き&寿司パーティー」でした!
強敵を圧倒的な力でねじ伏せ、手に入れた極上の食材で家族と食卓を囲む。これぞ異世界スローライフの醍醐味ですね。
サクヤちゃんも胃袋を完全に掴まれ、要塞の新しい家族になりました!
「すき焼き食べたくなった!」「50話おめでとう!」と少しでも楽しんでいただけましたら、
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