第32話「留守番していたドワーフが、IH鍛冶炉で『全自動洗濯乾燥機』を打ち上げていた件。〜これで面倒な家事も完全自動化だ〜」
酸欠で仕留めたフレア・ドラゴンの肉(数十トン)を収納ポーチに詰め込み、俺とクレアは数日ぶりに『空中要塞』へと帰還した。
「ふぅ、やっぱり我が家が一番落ち着くな」
「はいっ! キャンピングカーも最高でしたけど、やっぱりこのお城の広さは特別です!」
要塞のテラスにキャンピングカーを着陸させると、奥の工房からドタドタと慌ただしい足音が聞こえてきた。留守番を任せていたドワーフの老鍛冶師、ガンダルだ。
「おおっ、お帰りなさいませレン様! クレア様! ちょうど良かった、ワシの最高傑作を見てくだされ!」
「傑作? 留守の間に何か作ってたのか?」
ガンダルは得意げに髭を反らし、工房の奥に鎮座する『巨大な銀色の箱』を指差した。
高さは俺の胸ほどまであり、正面には透明な強化ガラスの丸い窓がついている。そして上部には、何やら魔石をはめ込むスロットと複雑なボタン(ルーン文字)が並んでいた。
「……おいガンダル。これ、どう見ても『ドラム式洗濯乾燥機』なんだが」
「せんたく、かんそうき? なんじゃその舌を噛みそうな名前は」
ガンダルは首を傾げながら解説を始めた。
「レン様が残していってくださった『チタン合金』と『電気の力(魔石)』を使って、何かもっと生活が楽になるものを作れないかと考えましてな。
この箱の中に汚れた服と水を入れ、風の魔石で樽を高速回転させつつ、雷の魔石の熱で一気に乾かす……名付けて『全自動・服洗い回し乾かし箱』じゃ!!」
「やっぱり洗濯乾燥機じゃないか……」
俺は驚きで頭を抱えた。
設計図もなしに、ドワーフの『職人の勘』だけで現代の超絶便利家電を完全再現してしまうとは。異世界の鍛冶職人、恐るべしである。
「あっ! それって、もしかして私がお洗濯の時にゴシゴシしなくてもよくなる魔法の箱ですか!?」
クレアが目を輝かせた洗濯機(箱)に駆け寄った。
これまではクレアが手洗いで頑張ってくれていたが、シーツや毛布などの大物は重労働で大変そうだったのだ。
「その通りじゃクレア様! 試しにそこにある汚れた服を入れてくだされ!」
ガンダルがスイッチ(魔石)を入れると、ドラム式洗濯機はウィィィィン……と静かなモーター音を立てて回転し始めた。
俺がキャンピングカー用に開発した電磁サスペンションの技術を応用しているらしく、振動もほとんどない。
約一時間後。
「ピーッ、ピーッ」という(ガンダルが魔道具で付けた)完了音が鳴り、扉が開いた。
「わぁぁ……! すごいですレン様! 服が真っ白で、しかもフワフワのポカポカです〜っ!」
クレアが感動のあまり、洗い立てのタオルに顔を埋めている。
「よくやったガンダル。これで家事が完全に自動化されたな」
「へへっ、レン様のチタン合金があってこその芸当ですじゃ! これでクレア様も、さらにスローライフを満喫できますぞ!」
「ああ、ご褒美に今夜は『ドラゴンの極上厚切りステーキ』だ。腹いっぱい食ってくれ」
「ど、ドラゴン!? 留守の間に、今度は空の王者を狩ってきたのですか!? さすがはレン様じゃあぁぁっ!」
全自動洗濯乾燥機を手に入れ、俺たちのスローライフはもはや『現代日本の高級タワーマンション』以上の快適さを極めていた。
もう一生、この要塞から一歩も出なくても生きていけるかもしれない。俺はフワフワになったシーツにダイブしながら、至福の眠りにつくのだった。
お読みいただきありがとうございます!
「全自動洗濯機? チタン合金と魔石があればドワーフでも作れます」
レンの素材とガンダルの技術が合わさり、空中要塞の文明レベルがまた一つ上がってしまいました。
これで家事の負担もゼロ。スローライフの完成度がどんどん高まっていきますね。
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