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第450話 アマンディの攻城戦 7

 城壁で突然だ爆発が起きたことで、後方と前線の中間地点で指揮を執っていたリクレールが、慌ててゼークトのところに駆けつけて来た。


「ゼークト! それにみんな、大丈夫!?」

「リクレール! 俺は無事だ、周りの奴らも怪我はねぇ! けど、破城槌を押していたやつらが……炎に巻かれて濠に飛び込んだ!」

「わかった、負傷兵は僕の方で何とかする、その代わりゼークトはレムリア先輩と城壁の上にいる敵兵を排除してほしい」

「レムリアと?」

「おーいリクレール! 梯子を運んできたよ!」


 青狼学級級長のレムリアが、ローレルの指示を受けてか、他のクラスメイト達と共に兵を率いて長い梯子を運んできた。

 これも攻城戦を見越してガムランが発注したもので、濠がある程度埋まった今なら梯子をかけて城壁を登ることができるだろう。


「そんなわけで、一番乗りはボクがもらったぁ!」

「あっ、先を越させるかよ! 一番槍は俺だ!」

「二人とも、無茶はしないように! あと、城内の略奪は、建物の破壊を最小限にするよう徹底するように!」

「おう!」「まかせてっ!」


 リクレールは配下の直属兵たちに負傷兵を回収させつつ、弓兵にゼークトやレムリアが崩れた城壁にかけられた梯子を登るのを援護させた。

 守備兵たちも散発的に弓や投石で抵抗するが、守備隊長が行方不明になってしまったことで命令系統が大混乱しており、さしたる被害がないままアルトイリス軍は城壁の上に殺到した。

 城壁に上った後、ゼークトとレムリアは二手に分かれ、重装のゼークトが頑丈な盾で矢を防ぎながら城壁の上の守備隊を蹴散らし、レムリアは崩れた城壁を危険を承知で乗り越え、ついにアマンディの市街地に突入した。


「まずは城門の制圧だ! 味方を中に引き入れるぞ!」


 守備隊は全員城壁に配置されたからか、市街地に守備隊は全くおらず、唯一警備隊らしき市民兵が慣れない武器を持って立ちふさがるも、あっという間にレムリアの部隊に蹴散らされた。

 そして彼女が城門に到着すると、周囲の敵を掃討しつつ、跳ね橋を下ろして城門を開いた。

 こうなってしまえば、もはや城内に障害はないに等しく、アルトイリス軍は開いた城壁から一気に城内に雪崩れ込んだ。


 そこからはまさに阿鼻叫喚であった。

 残りの2基のスコーピオンもゼークトたちによって制圧され、守備隊は各地で組織的な抵抗をすることもままならず、次々に撃破されていった。

 また、守備隊が全滅したことで、残された市民たちも大パニックに陥り、何とか船で逃げ出せないかと、家財すら投げ捨てて港へとひた走っていった。


「略奪は後だ! 敵を全滅させたら好きなだけ奪うことを許可するが、あくまで終わった後だ! 戦いの手を止めるやつは処罰するぞ!」


 開いた城門から雪崩れ込んだシャルンホルストは、一部略奪に走りそうになる兵士たちを止めつつ、大通りを一直線に駆け抜け真っ先に港の制圧を目指す。

 そして、彼が港にたどり着いたところで、彼は妙なものを目にした。


「あれは……交易都市同盟の船か? 敵の援軍だろうか、とにかくすぐに味方に知らせろ」

「はっ」


 シャルンホルストが見たのは、今まさに入港しようとしている何十隻もの自由交易都市同盟の大型商船だった。

 ハキナトリアの議会が派遣した、アマンディの住人を避難させるための避難させるためと、都市に援軍を送るための船が、このタイミングで到着したのだ。

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