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わたしが彼と再会したのは、今から二つ前の春でした。
再会したといっても、何百年ぶりかもわからない遥か昔の話ですし、どうやら、彼はわたしのことなど、全く覚えていないようでした。
わたしは一目見て、前世の大切な人だと気がついたというのに。
顔形は変わっていましたが、彼から感じる気迫や自信に満ちたたたずまい、優しそうな表情、きれいな瞳。
彼があの人の生まれ変わりだとわかり、歓喜したことを今でもよく覚えています。
かつてのわたしにとって、大切で、愛しくて、憎らしい、あの人にやっと出会えたことに。
かといって、特別何かをしようとは思っていませんでした。いまのわたしと、かつてのわたしは別人であり、彼を見つけたからといって、過去のことがどうにかなるわけではありません。
彼が、わたしと共に生きた前世の記憶を覚えていないことも大きな要因でした。
前世の記憶を持って生まれてくるといっても、大抵はひとつ前の人生くらいしか覚えていません。彼も例外ではなかったのでしょう。
しかし、再会してから、一週間、一ヶ月と時が経つにつれて問題が起こりました。
かつてのわたしの思いが以前にも比べて強く、激しくなってきたのです。
それは、わたしの人格に影響を及ぼすほどでした。
それほどまでに、かつてのわたしが、あの人のことを切望していたことに、驚愕し、また、興味が湧きました。
その事もあり、予期せぬ形でわたしと彼は、お互い知り合うようになったのです。
彼の浮気現場という最悪の形で。




