第40話 フードコートでそんな興奮するのは雛子くらいだぞ!? エアホッケー? あ? 手加減してやるよ(嘘)
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「小鉄様見てくださいまし! ここがわたくし憧れの場所ですわ!」
「ここが……か?」
嬉しそうに小走りで雛子と着いた場所は、大型ショッピングモールならお馴染みの食事処。
「フードコート! 一度は来てみたかったんですの!」
「おぉ……いや、なんて庶民的なお嬢様なんだ」
「見てくださいまし小鉄様!? 全ての料理が安いですわ!? わたくしが知ってる料理とは桁が二つくらい足りないですわ!」
「お前が日頃どんな料理を食べているのか……考えただけで恐ろしいわ……」
やはり一緒にいても相手はお嬢様、俺とは根本的に金銭感覚が違いすぎる。
もしかしたら出掛ける場所すら、気を遣ってくれているのかもしれないな。俺のことを考えて……お前ってやつは!
「あらあれは!? ドーナツ!? クレープ!? おうどん様までありますわよ!? ここは食の宝石箱ですわねぇ!!?」
「あ、これは気を遣ってないな。雛子が本当に来たかったのか」
てか、その宝石箱の件、食べる前に言うやついるのな。
某食レポタレントさんでもそんな早くは言わねぇよ。せめて食ってから言ってくれ。
全く、
「良いか? よく聞け雛子」
「はいですわ!!!!」
うるさっ……テンション高いな雛子。
「雛子にはこのお金を渡しておこう。これで好きな物を買ってくるのじゃ」
「まぁ! これっぽっちで大丈夫ですの? なんでも買えるように、カードを持ってきたのですが」
「ブラックカード!? 店……いや、フードコートごと買い取る気か!!?」
その黒光りするカードをしまっとけよ!? 誰かが狙っているかも分らねぇぞ!? しまえしまえ!!
「は!? そうですわね! はいですわ!」
「ったくよーー」
危なかったぞ? 取られなくて良かったな。
あれだぞ? 俺が伝説的な大強盗ならそれを取って借金返済をしていたぞ? 全く、俺が悪いやつじゃなくて良かったな。
……さて、それは俺が預かっておこうかな。
「あら、もうボディガードが持っていってしまいましたわ」
「あーー! うん! なら良かったわーー!」
「ボディガードの方が小鉄様を睨んでおりましたが……どうかなさいまして?」
は、はて? なんのことか分からないッピねぇ……?? 俺は無害な生き物ッピよ?
……ほ、ほら? 買いに行ってきなさいな。雛子ちゃんの好きなものをさ。
「はいな!! 行ってまいりますわ!!」
嬉しそうに走り去ってゆく雛子。
ゲームセンターと違って貸し切りにしてないんだぞ? 走ってぶつかるなよ。
「さて、俺はなにを頼むか……」
うどんも良いな、安く済むし。
「ちくわ天好きだし……うどんかぁ? いや、滅多に来ない場所なら普段食わないものもありだな」
ステーキか? いやしかし、好きな物を食べたい気持ちもある。
悩み始めたら、永遠に悩むコースだぞこれ……むむ。
「どれにしたものか……」
「どうかしたのよ?」
「いや、なにを食べようか考えて――え?」
テーブルに座りながら、遠目に見える店舗を見て悩んでいると、突然聞こえてきた声。
振り返ると、配膳トレーを持った灰色の髪の女性がいた。
「え、な、なんすか一体」
「いえね、悩んでそうだったから気になっただけなのよ。それ以上でも以下でもないのよ」
これはローポニーと言うんだったか? 首の後ろで縛った髪に、青色の瞳。
鋭い眼光がまた近寄りがたそうなお姉様だな。
そんなお姉様はトレーをテーブルに置いて座ろうと――
「カレーうどん……だと!?」
「ん? あぁ、そうなのよ。私の好物」
これには目がないのよ、と飛ばないように静かに一本ずつ啜り出すお姉様。
なんかあれだ、小動物みたいだ。見た目は怖そうなのに。
それにしてもカレーうどんか……良いな。
「カレーうどんは美味しいのよ。迷っているならこれを勧めるのよ」
「ご、ごくり……」
白い服のお姉様なのに、なんて挑戦的なんだ……だがその感じ嫌いじゃない。
「よし! カレーうどんで行こうじゃないか! 学園じゃまず食べれないし、丁度良いな!」
「ふむ、良い選択なのよ。では私は行くとするのよ」
「食べるの早!?」
「淑女の嗜みなのよ」
早食いが淑女の嗜みだと? そんな下劣な淑女とは気が合いそうだな。
「素敵なカレーうどんライフを楽しんで欲しいのよ。……また会いましょう後輩」
「え、後輩?」
最後の一言が気になり、聞き返そうとした時、
「小鉄様ーー! 頼んできましたわーー!! 見てくださいまし! これが鳴ったら取りに来るよう言われましたわ!!」
「――え、あ、あぁ……あれだよな? 呼び出しベルってやつだろ? あれっていきなり音が鳴ってビックリするよな……って多くね!?」
「欲しい物が多過ぎていっぱい頼みましたわ! これがクレープで、これがステーキ、これがたこ焼き……あとはーー」
「一人の人間が食べる量なのかそれ?」
「全部期間限定のとうもろこしが入っておりますわ」
まるでお前のためにあるフードコートみたいだな。
「小鉄様はなにか決めましたの? 早くしないと、わたくし食べてしまいますわよ?」
ん、そうだな。
「カレーうどんにするわ」
「……期間限定のとうもろこし天が食べたいですわ……」
「買ってこいと!?」
……全く、本当にとうもろこし狂だな。
こうして、雛子との親睦会は楽しく終わった。
まぁ……あれだ。たまには出掛けるのも悪くなかったな……。
~おまけ~
「小鉄様! あれをやりましょう!」
「ん? おぉエアホッケーか」
あれだろ? 昔からあるよな。良いぜ、やろうか。
とりあえず手加減をしてやるか。こんなんでもお嬢様だしな。
「アタックですわ!!」
「手加減してや――」
雛子が打ったパックが俺に迫る中、跳ね返そうとした瞬間、
「――嘘だろ!? ブロックしたのに弾かれたんだけど!?」
「やりました! ゴールですわ!」
「お前どんだけ力あんだよ!? ガードしたんだぞ俺!?」
「小鉄様ぁーー? 鍛え方が足りないんじゃないんですのぉーー? もっと鍛えないといけませんわよぉーー?」
ピキッ!
「良いぜぇ……! 初めてですよ俺をここまで怒らせたお馬鹿さんは!!」
「今回は小鉄様をコテンパンにしてやりますわぁーー!!」
「やってみろこの脳筋お嬢様がぁぁーー!! ……ちなみにコテンパンって今日日聞かなくね?」
こうして、バトルが勃発した。
「もう一発くらえですわーー!」
「おらーー! さっきクレーンゲームで取ったぬいぐるみバリアーー!」
「せっこいですわね!?」
台の上にぬいぐるみを乗せ、雛子の攻撃を防ぐ。
どうだ、これが頭脳戦ってやつだ。次は俺の番だ行くぜ。
「あ! あんなところにとうもろこし畑が!!」
「え!? どこ!? どこですの!?」
「嘘じゃボケーー!!!」
「せっこいですわーー!?」
うるせぇ! どんなことをしても勝てば良いんだよ!! ……次はこうだ!
「あれ? なんかパックが下に落ちてこないなぁ? 雛子のところ落ちてきてないかぁ? 俺のところに無くてぇ〜〜?」
「あら、確認いたしますわね? しばしお待ちを――」
「おら! 騙し討ちアタック!!!」
「えぇぇ!? ズルい! 今のズルイですわよ!?」
いやーー! マジごめんて! 気付かなくてさーー!?(すっとぼけ)
「あらそうでしたの? 気付かなかったなら仕方ないですわね」
計画通り! やばい! 今の俺凄く悪い顔してそう!
「わたくしの番ですわ!! そりゃーー!」
「おりゃぁーー! 俺の身体の全身ガード!!」
「小鉄様!? 台の上に乗らないでくださいまし!? 恥ずかしいですわ!?」
今の俺に羞恥心なんてないぜっ!?
あまりにも弱過ぎるんじゃねぇのか!! 強くなるために、なにかしてみたら良いんじゃねぇか!?
「もっと腕にシルバー巻くとかさぁ!!?」
声を上げた瞬間――
「あのぉ?」
「あぁ!?」
後ろから聞こえた声に振り返ると、ゲーセンの店員さんが青筋を浮かべながら立っていた。
一瞬で冷静さが戻っていく。
「あ……店員さん……」
「ちゃんと、マナーを守って遊んでくださいね?」
「す、すいませんでした……」
そ、そうだよな? いくら貸し切ったとはいえ、ちゃんとルールは守らないと……ね?
「小鉄様のせいでわたくしも怒られましたわ……」
「んだよ相棒? 俺たちは相棒だろ?」
どんな時も、怒られる時も、叱られる時も、説教される時もな?
「一緒だろ? 運命共同体だろ? ブラザー?」
「あら? き、気のせいですの? 小鉄様と相棒だと怒られることしかありませんの??」
はは、勿論だろ雛子? なんていっても俺だぜ?
怒られる未来しかないわ。
普通に更新忘れてました( ◜ω◝و(و
また、思い出したら更新します!




