表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もろマネ 〜とうもろこしLOVEのお嬢様は金の亡者とタッグを組みました〜  作者: 瑞柿けろ
第一章後半 目指せ! とうもろこしのお姫様!
PR
27/27

第27話 雛子が劇のヒロイン!? 目指せ最高のヒロイン!!


 学園内の購買にて、


「らっしゃせーー」


 えっと……ボールペンとお菓子と消しゴムか……。


「七百六十一円でーーす。……ありやっしたーー」


 支払いを終えた客は、無言で店を後にする。

 業務としては、接客、品出し……といっても、小さい店だから基本的には店長が品出しをしてくれている。

 つまり、俺はほとんど接客のためにレジでジッとしているだけだ。


「銭原君、もう少ししたら上がって大丈夫だよ。今日はありがとうね。助かったよ」

「いえ、給料が出るなら馬車馬のように働かせていただきます!!」

「給料に見合う働きをしてくれるから助かるよーー」


 二人しかいない空間で、店長と共に笑い合う。


「購買にはいつもお世話になってますから、気にしないでください。給料も出るし」

「君は正直すぎるほど清々しいねぇ」

「学園の端っこにある店なのに、ここって相変わらず地味に客来ますもんねぇ」

「ありがたいことだねぇ」

「大変な時はいつでも手伝うから言ってくださいよ? ……俺、常に金欠なんで……」

「本音が出たねぇ」


 仕方ねぇよ、死活問題なんだぞ。

 常に金欠舐めんなよ? 今日のご飯は出汁で巨大化させたはんぺんのみだぞ。命がかかってんだ。


 学園内にある購買にはかなり世話になっている。頼まれればこうしてバイトをするくらい……なぜかというと、


「らっしゃせーー」

「……店長は?」


 またも人が現れるが、なにやらサングラスと帽子を掛け、中途半端に身分を隠している。

 ハッキリ言って怪しい……だが、それはこの店では当たり前のことだ。


「店長! れ、例のブツは!?」

「……あぁ、入ってきてるよ。ほらどうだい?」

「うひょぉぉぉ!! 最高の“薄い本”!! 店長いくらだ!? 良い値で買うぞ!?」

「定価で良いよ。これは僕の趣味だから」

「ありがとう店長!! また来るわ!!」


 顔を隠しながらも分かるほど、満面の笑みの生徒が、紙袋に入れたお宝を抱えて走っていく。

 これが学園内に大きなコンビニがあるのに、購買が生き残ってる理由。


「店長が客の要望に全部応えてくれてるのは嬉しいですけど、俺もそれに助かってるし……でも、大変じゃないですか? 利益出て無いですよね?」

「良いんだよ、これが僕の趣味だからね。生徒さんたちの役に立ちたいから」


 良い人だなこの人、だから手伝いたいんだよな……俺も利用してるし。


「邪魔すんでーー」

「邪魔すんなら帰ってーー」

「はいよーーって、ちゃうわ!! 店長頼んでた競泳水着は!? もう仕入れてるんやないの!?」

「店長カラーボール投げて良いっすか? 不審者っすよコイツ」

「銭原君落ち着いて!?」







「やっほーコテツ!! おはよーー!!」

「ん? あぁ柊か、はよ〜〜」


 朝、いつものように教室に来た時、柊が俺の席までやってきた。

 相変わらず犬のようというか、元気すぎて喧しいというか、ともかく朝から接するには疲れる相手だ……さて、


「じゃあ俺はホームルームまでの睡眠をするから、話しかけるなよ犬」

「犬!? 犬って言った!? おーーよよよ! 最近は新聞部で忙しくて話せてないから、構ってあげようとしたのに! コテツ最低ーー!! おーーよよよ」

「うるせぇな、構ってもらおうの間違いだろ」


 そのテンションで絡まれるとは、元気百倍にも程があるだろ。

 ついつい素っ気なく話しちゃうのに、柊の見た目が無駄に良いせいで男子生徒からの嫉妬の視線も感じんだよ。勘弁してくれ。


 無駄に良いせいで、


「あれ! 私、今、褒められた気が!!」

「戯言を吐くなよ? 妄言被害で訴えるぞ柊」

「私の扱い酷く無い!? 雛子ちゃんみたいに優しくしてよ!!」

「雛子に優しく? 冗談を言うなよ?」


 あのとうもろこし狂のやつに? 優しく? なにを馬鹿なことを――


「小鉄様ーー! おはようございますわーー! 実はわたくしお話がありますわーー!」

「どうした? 話聞くぞ?」

「ほらーー! そうやって優しくして!!」


 俺が優しく? またまた勘弁してくれよ。

 ま……まぁ? 雛子に対しては恩もあるしぃ? コイツといると色々楽しいしぃ?


「か、勘違いしないでよね!?」

「コテツのツンデレは痛いからやめてよ!!」

「それに、金稼ぎにも繋がるかもしれないしな」

「ぶーぶー! 贔屓反対!!」


 うるさいぞ柊……全く。

 それで? どうしたんだよ雛子そんな慌てて?


「それが小鉄様!! 大変なんですのよ!!」

「どうしたんだよ雛子? またゴリ先に頼まれたのか? それともなんか依頼でもあったのか?」

「あ! 知ってるよ! コテツって今、色々楽しいことしてるもんね!! ずるいずるい!」


 何回か柊に情報を教えてもらっていたけれど、本人が忙しそうにしていたからあまり関わらせないでいたが、どうやら拗ねてるみたいだ。

 雛子だけでも大変なのに、柊もどうしたんだ? 最近いじけてばかりじゃないか?


「本当に分からないの? コテツ?」


 え、本当に分からないけど? なんなんだよお前は?


「ぷーーい!」

「あざと」

「じゃなくてコテツ様!! 聞いてくださいましぃーーーー!!!」

「待て待て待てお前らうるさいぞ! 喧しい!! クラスメイトたちがドン引きしてるだろうが!!」


 あと雛子! 俺を揺らすな振り回すな!! 目が回るだろうがっ!!

 なんなんだよ! なんでそんな興奮してんだよ!!?


「わたくし! 劇のヒロイン役に選ばれたんですのよ!!!」

「「ふぇぇ!? マジで!?」」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ