幕間 ミサト
私がこの世界に来て最初にみたのは華やかしい世界だった。ヨーロッパのようなお城、レッドカーペット、メイド、貴族。そして国王クリス彼は筋肉質な体をもち年は20代前後、顔はイケメンまぁ勝ち組だわなとも心のなかで呟く。私はその時転移したのは乙女ゲーかなんかかとも思っていた。
しかし華々しい世界には裏側があるもので私は能力試験を受けるため馬車に乗せられ隣町へいくときだった。一等区をでて二等区三等区へと写っていく。そこまではまだ想像通りだった。
四等区へとついたとき私はある出来事にであってしまった。目の前で少女が馬車に轢かれたのだ。彼女の姿は血を流し腕は逆の方向へと向いている。その時の周りの反応は現世の私からは考えれないほどの世界だった。
誰も助けず見向きもしない。
「馬車を止めてくれ!」
私は急いで彼女へと駆けつけた。
「おい!大丈夫か!しっかりとしろ。私が助けてやるから」
「ミサト殿勝手なことしてもらっては困ります」
私の護衛をしていた。近衛兵から話しかけられる。
「勝手なことだと?今目の前で子供が倒れているのです!助けないでどうするのですか!」
「はぁ、急に怒鳴らないでいただきたい。そいつは奴隷です。市民権はないのですよ。いってしまえば物なんですよ。助ける必要もない」
「ふざけるな、物だと?人命をなんだと思っている!?」
「だから。落ち着いてくださいって、いいですかそいつには買い主がいます。だから、治療もできないのです。権利がないのですよ。わかりましたね?さぁいきますよ」
その兵士は私からは少女を手放さそうと乱暴に扱う。
「わかりました。私が買います。言い値で借金をしてでも何でも買いますだから!助けてあげてはくれませんかお願いです。治療費も払いますから!お願いです」
「そこまでにしておきなさい」
急に偉そうな人が現れる。一日目国王の周りにいたような...。
「こ、これは宰相様」
と今まで怒鳴り付けていた近衛兵は背筋を伸ばし宰相へとあいさつをする。
「ミサト殿少し落ち着いてはいかがですか?その少女はお預かりしましょう。もちろん借金などはせずにですですから少し冷静になってみてください。」
私は宰相の諭すような言葉をきき、冷静になる。周りを見渡すと平民が私を取り囲み軽蔑するような目線を見せていた。いや、私と怪我をしている少女だろうか。
ここで私は怯んではいけない、周りの目に流されてはいけない。助けた本人が穢れのように彼女を扱ってはいけない。
だから私はそこで決意した。
『奴隷をなくそうと』
お久しぶりです。次はもう少しはやく出せたらなと思います。