活躍の場へ!!!・・・・・・か?
けっこうびびりまくっている向こうさん。
おいおい、たかがランクが5の使い魔じゃぞ。
にやにやしながら近づくわし。
そして、儂の蹂躙劇がはじま――
「待って!」
なんぞ?メルや?
「僕は、もう降参だよ。」
会場中にはっきりと聞こえる形で降参を告げる。
なんじゃったか?魔王側が負けと判断して声を上げた場合、審判が終了の白旗か継続の赤旗が上がって判定するわけじゃが・・・・・
結果 即座に旗があがる。
白旗が。
ちょちょちょ、まて、ここから儂の華麗なる活躍が始まるというのではないのか?
継続を希望する。
ちょっと教師陣と生徒どもにお灸を据えてやらなくてはならんというのに、これでは大義もなにもあったものではないが。
そして、そちらを見やれば何やら一人をのぞき、恐ろしげなものというか畏怖?恐怖?なんじゃろ、よくわからんが半端に笑っているような感じである。
そもそも一歩近づけばあちらさんは一歩下がるような。
「うーぬ」
これはよいのか悪いのか?
「認めん。認めんぞ!」
そんなふうに叫ぶ教師が一人。
おお、ハジェイトンか。
なんだ、あの教師、なかなか気骨がある教師じゃったのか?
まぁ、よい。
よっし、それなら、もう一騎打ちでもやって振り上げた拳を振り下ろす的にでもなってくれたらそれでよし。
「では、獣化!」
そういって、まずわしがやったのは元の猫の姿へともどること。
やはり、現在の儂の本来の姿はこっちじゃな。
なんかこっちのほうがスムーズに動ける気がするし。
「くそ、猫の使い魔の分際で、よくも計画を」
は?計画?
「あのゴブリンロードにしろなんにしろここまで勧めた俺の苦労を!」
ああ、式の進行役かなにかじゃったか。
あー確かに、儂も前世の若いころ無理やり社員の送迎会の幹事をやらされて店決めたりメニューやら会費やら日取りやらいろいろ決めてなかなか大変じゃったがいざ当日、当の送迎会の主役の奴が「社長が出るなら俺は意地でも出ない!」と言われて、結局そいつは来ず、かつ、同僚もほとんど来ず、来たのは幹部と社長とそして俺のみ。
いやぁ、生きた心地のしない、単なる接待じゃったわ。
あのときほど、早く潰れろ、この会社!と思ったことはないわい。
そもそも、わしの気持ち、他の参加しなかった連中と同じじゃったのじゃから。
ふぅ、ともあれ、苦労しておじゃんにされる気持ちはわからんでもないのぉ。
ま、そのあたり、今までの自業自得と心得よ。
では、お主、しっかり受け止めるのじゃぞ。
「にゃ(ファイア)!」
まずは小手調べ。ただの炎。
じゃが、魔力など飛躍的に向上しているのでそれはもう大火炎である。
だいたい五mくらいの火柱がたったか。
ふむ、まぁ、重畳。
さて、あちらさんは・・・・
おおう、防御魔法で食い止めたか。
さすがは教師。
実力はあるか。
では
ここは一つ、猫になった理由として魔法・魔術勝負、受けてもらうぞぃ。
あー、おもいっきり魔術のお披露目じゃ。
ちらと向こうを見ると・・・・
あれ?さっき興味深そうにしていた目が何やら落ち込んだ目に。
というか、とくに女性陣に多く見受けられたのは気のせいか?
「あー、目の保養が」
「写しは?」
「とってない」
「絵よ、画家は?専属は」
「じゅるじゅる」
・・・・・・気にせんとこ。
なんか、あんまりいい視線でないし。
いや、ここは魔力の高威力を見せつけて、目指せ、メルの地位向上を。
では、いざ!
バボフ!
いきなり超巨大な光が目の前に現れて破裂した。
今度はなんじゃ!
「はいはい、ちょっと待ってもらうよぉ」
なんか覇気のない声が会場中に響いた。
おいおい、もう、なんなんじゃよ。
わしの活躍は?
ここまでの苦労した結果のお披露目は?
「はいはい、使い魔君もとりあえず落ち着いて。ちょっとこの式に不正があるようなので、手短に査問したいことがあってね。勝負はそれからにしてもらえんかね」
そう、白衣のこいつも教師か?そいつが言ってきた。
「ああ、えっと、サン君だったか。メルティウス君のセリフからだけど、あってる?」
「・・・・にゃ」
こくんと頷く。
「そっか。僕はタラスカ。生物学の顧問さ。よろしく。一応、今回は魔王役側のセコンドみたいなものさ。ま、それはいっか。さて」
ちらっとハジェイトンへ向き直り、腰に手をあて指差す。
「ハジェイトン教諭。あなたに収賄と禁呪への接触の疑いがあります。来てもらえませんか?」
・・・・・いきなり、裁判が目の前で始まった。
おーい、わしの活躍はぁ~?
では、予定通り、あすは修正作業に入ります




