赤い精鋭たち
改めて精鋭ゴブリンを観察する。
もっとも、精鋭としているのは単にその周りにおいて一番強そうかなぁと思って自分でそう認識しているだけである。
正確には識別の瞳より
レッドキャップ×7
ブラックキャップ×1
といったところである。
レッドキャップはよく耳にするゴブリンの強化種。
ブラックはその亜種といったところか。
ただ、その違いはステータスからくるものよりもその身につけている装備品で分かるところか。
レッドキャップは動きやすい革鎧系の赤みの帯びた装備類で固めていて、持っているものはダガーや長剣といったところ。
とにかく果敢にうって出てくる感じである。
一方ブラックキャップは黒みというか鈍色の重装鎧で手にはハルバートを構えている。
こっちはどっしりと構えて、こちらの動きをみつつ攻撃をしてくる感じである。
ちなみに向こうさんに残っているやつばらは全部レッドキャップである。
まぁ、それはおくとして、むぅ、ようは副将を出してきたというところかね。
余談だが、ゴブリンは腰蓑一丁に手には石おのだったり棍棒だったりを装備し、プチゴブリンは何も装備なしといったところである。
さて、そんなちょいと骨の折れそうなやつばらがきたわけなんじゃが・・・・
「にゅ!にゅ!」
現在、回避専念しつつクリティカル狙いで関節部位を執拗に狙っておる。
とりあえず、今のステータスで無双はできんでもどうにか複数とは対処できているといったところである。
さすがに一撃一撃は軽いようじゃが、接合部の合間を狙ったりそこからファイアーを流し込むように放って追加ダメージ与えたりとしている。
あと、こいつら、人型で知性でもあるのかペインが効くようで、使えばひるんでくれる。
まぁ、なんだ。
けっこうなんとかなるようである。
そもそもダメージさえ通れば、基本自動回復でもされない限り倒すことは理論上可能である。
要はいかに死なないかである。
精鋭をそういう形で、相手取り・・・・・
うわ、剣がというか連携されて襲ってくるか!
「ガウ」「ウガッ!」「オブッ」
岩場で後ろの心配はしなくてもよく全面だけで相手取れば良いが、三体ずつの相手取りで着実に減らす方向で。
というか、その中にはわざと生きてるゴブリンを壁にしつつ相手を牽制して回り込んで攻撃する。
かすりはちょくちょくあるものの、この体の小ささのおかげでけっこう対処できている。
小人と巨人、というか一寸法師の鬼退治のような様相かの。
鬼が桃太郎並みにいるのが難点じゃがな。
とはいえ、けっこういけるいける。
で、第二波襲撃にてようやくレッドキャップの一匹のどたまにナイフを突き立てとどめをさすことに成功。
あ、これ、抜けんわ。
まぁ、もってたナイフを拝借。
で、経験値が、トラ男ほどではないにしろそもそも一人というか一匹で相対しているのでその数値は一匹1500。
うむ、この階層ではまず何倍ではきかん経験値の数値じゃな。
責任者!もう少し、階層加減というものを考えろ!
とはいえ、クリティカル狙いはおいしいというのがわかり、全部器用値にふっておいた。
ふむ、いっそ、生命値が一番低い状態じゃし、知力精神器用を30にしておこうかとも思ったが、ここはそれはおいて一気に20まであげておくか。
一撃死がなんか怖くもなってきおったし。
といった感じで、回避回避回避ですり抜けの急所狙い続行で、特に顔や指を執拗に狙い続けた。
卑怯?邪道?なにそれおいしいの?
ともあれ、そんな感で魔術も行使していると、何度か水魔術もつ方っところでまたぴこんとあがった。、
今度はコールドゲイルか。
指定の範囲を冷気で覆い尽くし、範囲内の者に多少の被害を与え行動力を低下させる魔法じゃったはず。
うん、結構使える。
ただ、触れた部分にのみという指定が入るので近接戦オンリー用じゃが、ここでは逆にその部分が使える。
どんどん使っていこうかの。
で、マインドバスターもけっこう使えることが判明。
目に見えて頭を抑えて動きを鈍くしているやつがいる。
そいつにを中心にダメージを与えて・・・・・
いつしか、襲いかかっていたレッドキャップを全部仕留めておった。
わし、快挙?
じゃが、けっこうダメージがでかい。
回復魔術でとりあえず、傷は塞ぐも、けっこう精神力が削られまくって、MPも既に二割くらいな感じである。
で、未だ、ブラックとロードとほかのレッドさんたちも健在と。
うーぬ、かなりステータスも上げれたが、まだまだな感じである。
じゃが、新しい魔術も続々と覚えて手札も増えつつある。
どうにかいけるか?
ふぅと一息、ついたとき、受身状態であったブラックキャップがやおら動き出した。
そして、
ハルバートを今さっき倒したばかりだったレッドキャップにつきたてた。
「はっ?」
味方に刃て何かトチ狂ったか?
いや、それ以上に、付いたと思ったら、首をはね、その首を巨大な口にいれてぼりぼりと噛み締めだした。
「にゃ!?」
「ぐるっぉおぉぉぉぉおお!!」
ブラックキャップが一声吠える。
そして、体が黒く光り始め・・・・
まずい!
本能的に嫌な予感がして、ありったけの魔術を叩き込んだ。
今なら多少は、とも思った。
というか煙もすごい状態に・・・・
って。まてよ。
『アメおるか!』
「にゃい」
岩陰から声が飛ぶ。
『煙があるうちに、逃げるぞ!』
と、言うも果てる前に急ぎ、その場を走って抜けていく。
「にゃ?にゃ?」
首を慌ててふって狼狽するアメ。
だーもー
ききーっとブレーキをかけて、アメのところへいくとやおら首根っこをがぶっとひっつかんで、ひきずるように駆け出していった。
ちなみに、くわえていたナイフはぽいする。
しまう間もおしい。
そして、アメを加えて、後ろで何やら完全体にでも変身し始めていてさぁ、戦ってやるかと身構えるようなシルエットがうかびあがっておったが、んなのに気にかけていられるか!
完全無視を決め込んで、儂はアメを加えて逃げ走っていった。




