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四者四様②牛と虎

 『シェリー、ねるよぉ』

 『もーねるー?なら、おやすみぃー』


 ふぅ、テトラお嬢もねたかぁ。

 私も、さっきまで弛緩していた体がようやっと戻ってきた感じー。


 はぁ、なんか初めての心地だったぁー。


 ほかの使い魔からもきいたことのない心地だったけど、あれが『カイカン』というやつだったのかもしれない。


 あー、ほんとに心地よかったぁ。

 またやってくれないかなぁ。


 って、多分、あの様子ならテトラお嬢も誘ってくれそうだし、嬉しいかも。


 っていうか、あのサンっていう使い魔の猫。

 なんかまだ出てきて三日だというのに底が見えない。


 魔力循環で感じたあの違和感。

 

 あれっていったいなんなのかしらぁ?


 よくわかんないけどで、すごい猫、すごい使い魔ってのはわかったぁ。



 「もふー」


 『どしたの?鼻息荒くしちゃって』


 厩舎の柵から顔を出したのは一匹の大きい虎。

 あ、ティーゲルちゃんかぁ。

 もう、隣の部屋だから鼻息荒くしちゃったのばれちゃったかぁ。


 『んぁ、ちょっとねぇ』

 

 ちなみにティーゲルちゃんは虎種の使い魔で私とはけっこう旧知の仲。

 聞くところによれば私たちは食べるものと食べられるものという感じの間柄なんだそうだけど、使い魔になったらあまりそういうのは関係なくなる。

 

 だって、この体の形はあくまでも器であって、中身が大事なんだから。


 ゆえに、使い魔同士で別の種でありながら子どもまで作れちゃうんだからね。

 使い魔同士の子供ってすっごくハイブリットらしく生まれてくる確率もとっても低いんだって。


 仲間から聞いた。


 なので、使い魔連れてったのはお見合いのためってのもあるけどぉ。


 無理やり引き合わされていい雰囲気になれって無茶よねぇ。


 モノ扱いしているのが多い今だけど、私の主人のテトラ嬢はそのあたりとてもできてる。

 ほかの使い魔たちからすっごく羨ましがられるもの。


 ただね、だからといって、嫉妬に駆られてちょっかいかけたり無視したりするのはどうかと思うけどねぇ。


 で、そんな仲で、ティーゲルちゃんはとっても貴重なお友達なの。

 主は主でなんか放任主義とかであまりお見合いがどうとかそういうのは興味がない奇特な人なんだって。

 おかげで毎日厩舎の庭で走り込みができて嬉しいってティーゲルちゃんは言ってたけどね。



 で、そんなティーゲルちゃん含めて、実は私、乙女使い魔の会っていうのに入っています。

 というか内緒で作った会で内情はただの情報交換と愚痴の言い合いとかお茶会感覚なんだけど、そういうの、やっぱり乙女としては必要だと思うんだよねぇ。


 ま、友達同士の集まりで、私とティーゲルちゃん、それにあと二体の四使い魔で構成されてる会なのぉ。


 みんなけっこう休日いつ仲間だから仲良しなのぉ。


 『なんか上機嫌じゃないの。あたいも今日は走り込みで自己新マークしたからね。もっと早くなれるってものさ』


 ティーゲルちゃんはとにかく速さ重視。

 命かけてますって感じ。

 すごいなぁって思えるわ。


 『それに今年度の最後には私たちもうまくランクが上がればようやく上位使い魔の化身ってやつが使えるでしょ。主と一緒に人型で走ってみたかったんだぁ』


 きらきらした目でティーゲルちゃんは語ってくれてるけど、その主さん、あんまし外に出たがらない人だったような気がする。

 まぁ、だから走り込みとか運動とかさせたいのかなぁ?


 ちなみにティーゲルちゃんが言ってた【化身】っていうのは人型になれる使い魔魔術なの。

 私はここにきて2年目。そして3年目が始まる。

 去年度と一昨年度のランクアップ試験のとき、テトラ嬢とともにランクが上げられて、次の三回目のランクアップのときに覚えられると思う。


 これなるのってけっこうすごいことらしく、五年次の卒業でできれば一人前っていわれる中、私とティーゲルちゃんは最速の部類に入るんだって。


 ま、だから余計に嫉妬がくるんだけどね。

 ちなみに卒業で化身を得られた人はそのまま主の執事ポジションにいるみたい。


 見てる分どっちかってーと奴隷感覚が半分混じってるような感じだけどねぇ。


 でも私たちの主はそんなことしそうにないから安心してられるけどね。

 でも、化身。これ、異種間での子作りのときにとても必要な事なんだよねぇ。



 なぜかって?



 あれをあれするためには調整しなくっちゃだからねぇ。

 それ思うと・・・・・

 『ふふふぅ』

 『おいおい、えらく気味の悪い笑いすんなよ。ってかよっぽどいいことがあったんだな』

 『うん、もっちろん。あ、でも』


 ふとちょっと不安になることを思う。


 一緒のグループにあのサンちゃんも入ったらいいなぁって思うけど、そうなると『乙女』の会じゃなくなるなぁ。

 サンちゃんって可愛いなりだけど雄猫さんだし、どうしたものかなぁ。


 『ふふん、当ててやろうか?仲間がいたんだろ?ならあたいも興味あるってもんよ。今度連れてきなって』


 『んー、ん、いーよぉ』


 私はにこにこしてティーゲルちゃんとお話した。

 ちなみに今日軽く訓練したことは話したけど詳しくははなさなかった。



 だって、なんか恥ずかしい気持ちになっちゃうんだもの。


 えへへ、でもまた、やりたいなぁ。

 次の休日、なんか楽しみ☆。


 

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