迷宮で死ぬと
奥へ行ってみたわけなんじゃが・・・・
冒険者がいたるところで寝てる。
ん?寝てる?
いや、違う。
何やらあらぬ方向に首が曲がっているし、人によっては180度回っている。
かの三国志で「おのれ孔明」とかいってる魏の御人は180度首が後ろに回ったとかいう逸話があるけどあれって物語じゃし実際にはいないはず。
視線はうつろじゃしどうみても死んどる。
で、男も女も関係なしな感じで文字通り死屍累々である。
そこへ数多の魔物が群がっておる。
さっきまで倒していたバットやマインスライムなんかの雑魚敵がyとこちょこ食い散らかしておる。
おえっぷ
ちょっとグロ画像が。
これは見るのはあまりおすすめしないの。
あと、ついでにいえば、さっきガリバーと一緒にいた冒険者も転がっておる。
そやつらはそやつらで、何やら床に半分沈み込んでいるようにも見える。
そして見る間に沈み・・・・・
「おい、結局どうなんだ?」
後ろから声がした。
あー、こやつにあわせたほうがいいのか?
そういえば、あちらのみなさんアイテム類などは根こそぎ奪われておるようじゃが、アイテムはどこへ行った?
と思ったら、ちらとみれば唯一見えた剣らしき柄が床にめり込んでいき
とぷん
とでもいいそうな感じで床に沈んでいった。
ちなみに床は石製の普通に洞窟の地面である。
それがああも軟体生物のような様相で冒険者を飲み込んでいくのはいささか怖いものである。
とはいえ、死んだ冒険者の末路、そしてアイテムの最後は見て取れた。
あーはなりたくないのぉ。
あと、飲み込んだアイテムはどうするんじゃろ?
ひょっとして別口に宝箱とかあってそこでえられるとかじゃろか?
この迷宮そのものが生き物か何かか?
考えてみれば壁からにゅっと出てくるというところからして既に普通の洞窟ではないものじゃしな。
ある種の意志があるように思える。
先の虎男にしてもそうじゃしな。
もっとも本能的にやっているという案もあるわけじゃが、考えてもしかたなかろう。
「この、聞こえないのか!炎の・・・・」
と、何やら後ろで詠唱が聞こえ、
どごん!
「ぐぎゃ!」
至近で火球を放たれた?!
こ、こやつ!
当てようとはしてなかったようじゃがそれでも軽い爆風は浴びたぞ!
「俺が命令してるんだ。結局何だったんだ。はっきり答えろ」
何を猫に無茶なことを聞いとる?!
そもそも、今の儂にまともにきいて話せると思うのか?!「にゃ」とか「にゃ」とか「にゃ」しか言えないわしじゃぞ!
それに主人と念話できるとかが使い魔の定番なのにメルとは全然会話できていない。
ランクでもあげれば別なのか?
まぁ、転職だかランクアップの魔石とか転がっていれば別だけど。
・・・・・あっ!魔石?!
ぴくんと尻尾を立てて儂、慌てて駆け出した。
「あっ!おい、何処へ行く!俺を一人にして、何考えてやがる!」
あー、今のお前さんならこの階層、ソロでもなんとかなるじゃろ。
さっきみたいなイレギュラーでもない限り平気じゃろうしな。
それよりもちょっと忘れ物していたことに気がついた。
アイテムやらなんやらでふと思い出したが、虎男の討伐部位、というかドロップアイテム、もしかしたら残っていたのではなかろうか。
あのときは生き残ったことに呆然となっていたわけで確認を怠っておった。
なんたる不覚。
なので、どうせ入口も近いわけじゃし、さっきのグロ光景はもう綺麗さっぱりなくなっておる。あ、それに新しい冒険者もきてるっぽいし、もういっぱしの冒険者並みの力があるんじゃからここは獅子が子を千仭の谷に突き落とすがごとく、心を鬼にしてがんばってくれたまへ。
いちいち面倒見るのも文句言われるのも嫌じゃしな。
さて、頼む、無事に何か残ってておくれ!




