表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪逆の魔法使い  作者: こんぶ
異界召喚編
14/83

第十三話 そして開幕

このようにして、ブラッドとアルペは出会った訳である。


兎にも角にも、今はその関係を崩すのは、ブラッドにとっては良くないことであった。


理由はいくつかあるが、大きい理由としては、アルペ程の魔法使いがいないということ。

替えが効かないというのは、なかなかに厳しいところがあるのだ。


「わかった、今からラディア国を奪還しよう」


そう言い出したのは、最高位騎士エーデルガンドの内の一人だった。


「…今から、だと?」


「しかし、向こうにはバレてしまったぞ。正面から討つのはなかなかに厳しいのでは?」


「そうだけど、まぁもうゴリ押ししかないよね」


「まぁそうなるわな」


結局こうなるのか、とブラッドはため息を吐きたくなった。


「どうする……?今から行くか?」


デレウスが言って……。


「もう、時間はない!」


「わかった、行こう」



「いやいやいや、無理っしょ」


慎吾はそう言ったが、


「いやいや、余裕余裕~」

 

「能力あるし、大丈夫じゃね?」


慎吾は、慢心するな、と警告する。


「魔物討伐に慣れてもらうためにって…」


女神にそう言われ、今三人一組になって女神の召喚した魔物と戦わされているのだ。


「くそが、よっ!」


魔物の攻撃を間一髪で避ける。

現在、慎吾たちは、いくつかのチームを組んで、魔物と戦っていた。そして現在、慎吾達は女神に見られていた。

しかし、慎吾達を見る女神、それは分身でしかないという話だ。


少なくとも、今ここには三人しかいない。

場所は王宮のどこか。闘技場のようなところ。

猪みたいな見た目をした、鋭い爪を持つ、何故か二足歩行のモンスター。


魔物。


魔王という存在によって呼び出される知能がない…とされるモンスター。しかし実際に見ると、慎吾は、心が竦んだ。


その害悪性から、世界中の全種族からヘイトを集めていると彼らは女神から聞いた。


「…」


慎吾とペアの二人は、七条と田中。


「七条、お前、何が使える!?」


「何がって…うわ、ぉ!?」


七条はモンスターの一撃をくらう。


「いッッ」


「…おいおい、嘘だろ…」


七条の体から血が出る。


「大丈夫ですよ、治癒(ヒール)


女神が治癒の魔法をかける。すると、あっという間に七条の傷がふさがっていく。


「すげぇ、あったけぇー」

 

「感心してる場合じゃないだろッッ!集中しろッ!」


「お、おぅ」


慎吾は少し声を荒げて言う。死ぬかもしれないんだぞ、と。


「…なぁ、慎吾」


「なんだ?」


「さっきもらった袋に、何が入ってた?」


「──武器」


「…何だった?」


「短刀」


「田中は?」


「俺は、(ロッド)だった」 


「なるほど、俺は近接で。田中は魔法で、戦う、みたいな感じか?」


慎吾は和也の方を見た。


「和也、お前は?」


「俺はグローブだったぜ」


「グローブ…殴打系か…よし、お前ら、それをつけてかまえろ…」


装備を装着する。慣れていないとはいえ、長くはかからなかった。


「行くぞッ!!」


まず、慎吾が駆け出した。

そうして、慎吾がモンスターの懐へと肉薄する。


「ふんっ!」


煌めく短刀をふるう。

が、避けられる。


「まず…ッ」


横からモンスターの殴打が飛んでくる。

いや、殴打などという安い表現では表せない。

爪を使った、破壊(・・)だ。


「…!!」


殴打に備えてガードの体制をとっていたが。


「へいっ」


七条が、その身につけたグローブで殴り返していた。


「和也…っ!」


「連携してこーぜ」


短刀で斬りつける。


「があっ」


短刀は小回りがきく。

仮に一撃目を外したとしても、そこから何連撃でもつなぐことができる。

休むことのない武器。


それが短刀。

怯んだところを、七条が殴る。

グローブによって強化されたのか、身体能力が異様に高いようだ。


(というより、この異世界に来てからなんだか…)


「体が異様に軽い…?」


全体的に能力が向上したのか、はたまた酸素濃度がどうこうなのか。

彼らには良くはわからない。

良くはわからないのだが──


「今だ、田中」


杖を構えて、魔力を流し込んでいたのか、魔法の杖から火の玉が放たれる。


火炎球(ファイアーボール)


文字にするとしょぼく感じるが、実際にその熱量を肌で感じると分かる。

空気が、風が、ビリビリと震える。



それは、エネルギーの塊そのもの。

そして、それが魔物へ着弾。


そのときには既に慎吾と七条は離れている。


そして、爆発と同時に爆風。

物凄い熱波が押し寄せる。


「ぐ、う、っ」


吹き飛ばされそうになる。が、足に力を込め耐える。


「…」


風がやみ、しんとする。


「…モンスターが…動かない?」


そして、魔物はさぁ、と消えてしまった。

召喚獣だからだろうか。


「おみごと!」


女神からそう言われる。


「そうか、勝ったのか俺たち!」


「いやっほぅ!」


喜んで、飛び跳ねた。

だが、後に彼はその行為を後悔する事になる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ