第二十八章 歓嬉 ーーーー太監 徳全
お生まれになりました
この度は公主様です
宴殿に集まっていた人々が わぁっ と歓声をあげた。
第三公主のお誕生っ!
公主様だ 花の酒を!
王が高らかに叫んだ。
めでたいっ 可愛らしい公主が生まれたっ!
皆 飲めっ!どんどん酒を持ってまいれっ!
すかっり年老いた王が飛び跳ねんばかりに喜んでいる。
陛下 ひとまず失礼させていただきます
そう言い終えるまもなく太子は席を立ち妃のところへと走っていった。
まったく何人 子供が出来ても あやつは変わらず落ち着きのない・・
などと言っておられるがその様子を見ては王は目を細めて喜んでおられる。
わたしも太子の後を追う。
早いもので妃が嫁して来られて八年がたった。
その間にお子様が次々とお生まれになり今回で五人目である。
妃のご母堂も子沢山とは聞いてはいたが
この数年でこんなに大家族になろうとは思ってもみなかった。
部屋の前ではお子様たちが待っていた。
第一公子の晟さま 第一公主の寧さま 第二公主の明さま
それと第二公子の恒さま である。
父上っ
女の子ですって
あえる?
ちちうえーっ
すでに大騒ぎである。
このけたたましいい四人組をわたしが一手に引き受けて
太子は妃の元へと行かれた。
徳じい 母上は
赤さんのなき声 聞こえたの
ねぇ なんて名前なの
ぼくもみたいっ
なんとも賑やかである。
ここにもうお一人 さらに賑やかになることだろう。
ご兄弟たちも誕生前からずっと楽しみにお待ちになっていらした。
やっとお生まれになったというのに部屋の前で待たされていて
中には入れない。待ちぼうけである。
待つのに飽きた第二公子の恒さまが ちちうえーっ と大声で叫んだ。
ついで第二公主の明さまが ははうえーっ と。
そして お二人そろって最後にあかさーんっ と。
思わず皆で笑ってしまう。
部屋の中からも太子と妃の笑い声が聞こえてきた。
なんと幸せなことか。




