第2章 4話 アヤト死す
魔法を使うには死ななきゃならなかった!!!
絶望的な状況の中アヤトは死を受け入れる。
さぁ死ぬ運命にあるアヤトはどうなってしまうのだろうか!!
あれから5回ほど殺されては生き返りを繰り返した。燃えた後は溺死。いきなり身体を水が包んだ。溺れた後は地面に埋まりそのまま圧殺された。その次はいきなり息を吸っても吸っても苦しくなり窒息。パップによると俺の吸う空気の中の酸素を消したと言っていた。そんなことも可能なのかと驚かされた。
4回死んだ俺は4大元素の魔法が使えるようになった。次にパップは俺の時間を進めお爺さんになった俺は老衰という何とも情けない死に方をした。これで俺は時間を操作できる魔法が使えるようになったらしい。
魔法を使えるようになった後が一番つらかった。今までの殺され方は実は苦しいと思った瞬間に気絶するように死んでいたのでツラさはほとんどなかった。最後の死に方は俺の心を操作されてしまった。
特に体には変化はなかったし傷も何もないのだが、心がどんどん滅入ってしまい、次第に体力がなくなっていった。この殺され方が一番時間がかかり1か月ほどかかってしまった。
ご飯を食べることもできなくなるくらい衰弱していき最後は涙を流しながら死んだ俺はまたパップの時間操作によって生き返った。
死ぬ前の記憶が全てあるのだがこの時の記憶ほど消してほしい記憶はなかった。
魔法を覚えるために死ぬという狂気的な猟奇的な行動に、苦しくあり恐怖もあったが慣れたころにパップは嬉しいことを言った。
「さぁ、アヤト、お前はあたしの知っている魔法を全て教えたぞ」
あぁ、これで死の恐怖から解放されたのか…
「良かった…もう死ぬことを経験しなくていいんですね…。あの、パップさん。教えたと言われても使えるようになっているだけで魔法を教えてもらったわけではないのではないですか?」
と聞くとパップは静かに俺の目を見ていた。
(そう。、あたしの心を読めるかどうかを試してた。ちなみに死ぬ経験をしなくていいのはアナタの今後次第ね。さて、ちゃんと読めているなら左手を上げて)
俺は左手を上げた。ただ、パップの言った死については俺次第っていうのは引っかかった…。
(よし。ちゃんとできてるわね。あたしは口動かすよりこっちのほうが楽だからこのまま進めるわよ。魔法っていうのはあんたが思っているような、呪文を唱えたり、杖の力を使ったり、何かアクセサリーを使ったりとかで発動するんじゃないの。もちろんそれが無いと発動させられない人もいるのは事実。だけどそれはその人の持っている能力が低いだけなの。ちなみに一度その魔法で死んでる人はその能力を最大限に使えるのよ。あなたとあたしくらいしかいないと思うけどね)
(一人知り合いで土の魔法があり得ないくらい大規模で使える人がいる)
(あぁ、その子はつらい思いをしてその能力があるんだね。あなたみたいに生き返るかどうかもわからないのに生死の境をさまよって生き残った子なんだと思うわ。かわいそうに)
パップはそう思い悲しそうな顔をした。
(さぁ話を戻すわね。あたしやアナタみたいな魔法の能力を最大で使える人っていうは念じるだけで使えるわけ。火を使った時もそうだったでしょ?ただ念じるだけで出来るからある程度制御できるまでこの部屋から出せないのよ。)
(ずいぶん怖い能力を身につけさせましたね…)
(急いでたからね。まぁこの部屋にずっといるのはあたしも疲れちゃうのよ。だから早く出たくてね。時間を掛ければすぐなんだけどこっちのほうが手っ取り早いから)
(なるほど…じゃあ俺はまだこの部屋から出られないということですか?)
(そうよ。夢見ただけで魔法発動しちゃうわよ今の状況だと)
(物騒すぎる…)
そこから1か月何もしないというい地獄のような日々が続いた。座禅のように座って何もしない。何もしないで飯を食い、寝るそれだけだった。パップはこの生活を難なく過ごしていたが俺は気が狂いそうになった。何かをしたい。体を動かしてもすぐ飽きる。結局ボーっとしているしかなった。ただその時ちょっとしたきっかけで床に火が出たり、自分が出した水で溺れそうになったり大変だった。
1か月間のうちに夢を見る睡眠をしたのは5回と少なかったが、夢の中でパップと話している夢を見るとパップの心の中に入りそうになりパップは俺のことを文字通り叩き起こした。
こうした地獄のような日々のおかげでだいぶ自分の魔法を制御できるようになった。
「最後にもう一つ魔法を教えてあげるわ。治癒魔法についてなんだけど、あれは実は死の恐怖を体感した人のみが使える魔法なの。なんらかの理由で魔法によって殺されかけた、死にかけた人が、本当に一回心臓が止まった人が奇跡的に復活した人が使える魔法なのよ」
「なるほど…。じゃあ僕もこれは使えるっていうことでしょうか?これも念じれば出来るってことですか?」
俺が聞くとパップは難しい顔をした。
「あたしはこの魔法得意じゃないのよね。あたし壊す方が好きだからっていうのもあるけど…。何かを治す魔法っていうのはかなり集中するのよ。だから時間もかかるしかなり体力も使うことになるの。だけど使えないことはない」
と言ってパップはいきなり空気の魔法で自分の腕に切り傷をつけた。たぶん風を使ってカマイタチでも起こしたのだろう。正直自分の体を傷つけるのは驚いた。
「なにしてるんですか?!」
「練習台になってあげるのよ。両手を傷にかざして治れって念じてみて」
俺は言われた通りにパップの小さな腕に両手をかざした。しばらく念じたが何もできなかった。
「まぁ最初はそうよね。難しいと思うわ。これだけは回数をこなさないといけないから次の段階に移りながら練習していきましょ」
急に元気になったパップはいたずらな笑みを浮かべた。俺を女にしたときのあの笑顔だった。
「さぁ次は体術よ!死の経験はアナタ次第よ!」
最後まで読んでくれてありがとうございます!
だいぶ書き溜めていました!
最後まで読んでくれるとありがたいです!!




