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遠い先輩  作者: 音我手ぃ舞
〜葛藤編〜
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11/12

〜葛藤編〜11

遅くなりました。続きです。

この話から〜葛藤編〜です。


感想など待ってます。

日曜日、ドキドキワクワクの日曜日…のはずが…私は…







「はぁ?熱っ⁉」



恵の尖った高い声が頭に刺さる。電話だから少しは声のボリュームを下げてほしい。



「ご、ごめん…」



弱々しく答える。すると、多分恵の後ろにいるであろう夏奈先輩が



「もーさっちゃんのバカー!なんで風邪ひくかなー、裸で家中走り回ったりしたんでしょっ!」



「しません!!!なんでそんな行動とるんですか!!」




すかさずツッコミを入れた。大きな声を出したせいでまた熱が上がりそうだ。夏奈先輩の笑い声がスマホの奥で聞こえる。ほんとこの人は…そんな夏奈先輩には反応せず話を続ける恵。



「行けないってことか、しょうがない…」




「ほんとごめん…3人で楽しんでください…」



「そういうこと言わないの、次は4人で行こうね、…ほら、また行こうねって栞先輩も言ってくれてるよ、大人しくしとくんだよ」



恵は少し寂しそうな声で言った。私は熱が急上昇したのを感じた。



栞先輩が言ってくれてる。これは直ちに治さなければ。


「う、うん…」



いかにも元気がなさそうな声で興奮していることを必死で隠した。



ブツッ



電話を切ってベットにうつ伏せで倒れこむ。



栞先輩に会いたい。声が聴きたい。先輩の今日の私服はどんなだったんだろう。きっと何着ても似合うんだろうなぁ。見たいな。恵に栞先輩の写メを撮って送ってほしいくらいだ。絶対にそんな頼みはできないのはわかってるんだけど。




くだらんことを考えると今の私には良くない。やめよう。


何時もより重たく感じる体を起こし水玉模様の短パンとTシャツのままリビングに向かう。


喉がカラカラだ。冷蔵庫の扉を開けると母が買ってきてくれたポ○リスエットが入っていた。マグカップにたっぷり注いで一気に飲む。



「…っぷはぁ〜」



冷たい液体が喉をスルッと冷やしながら通っていった。気持ちいい。


母は今日もおばあちゃんのところに朝から行っている。


心配するなと言われてもやはり少しは気になる。大丈夫だろうか。


しばらくおばあちゃん家に行ってない。今度の休みぐらいに母と行こうかな。ちなみに私の父は海外に単身赴任している。今はオランダとか言っていたかな。なんの仕事かというと、海外の家具を色々な企業に売る仕事らしい。これを言うと皆は決まって「かっこいい〜」という。だが父は普通のサラリーマンと変わらないと言っている。だけど、私は皆のように父がかっこいいと思う。だって英語が話せるし、何かとオシャレおじさんだ。だからちょっと自慢の父なのだ。



私はマグカップの中のポ○リを回しながらソファに座って父から届いた、多分ドイツのパブであろう、ビール瓶を手に持ち、ニコニコと笑っている父の写真が載ったハガキを見ていた。4月に届いたものだ。私の高校入学をお祝いして送ってきた。腕時計と共に。あれは嬉しかった。とても高そうな腕時計。着けるのが勿体無くてまだ一度しかつけて行ったことがない。せっかくだから今日つけていこうかと思ったのに。何で昨日お風呂上りにベランダにでて星を眺めてたんだろう。馬鹿だな。早く寝たら良かった。




そんな今更どうにもならないことを言っても仕方ない。



私は深い溜息を一つしてそのままソファでまた眠ることにした。





















「沙月、そろそろ起きなさい」




母の声が聞こえる。




「…ん…」




まだ重たい瞼を開けると台所に立つ母の姿があった。時計を見ればもう午後7時を回っていた。



「お母さん何時に帰ってきたの?」




「ん?6時ぐらいかなー。よく眠れた?」



「んー寝過ぎたかも…」



ソファで寝てしまったため背中は汗でベタベタになり、Tシャツがへばり付く。





「シャワー浴びてくる」






私はそう言って洗面所に向かった。






シャーッキュッ




濡れた鏡に映る私はどう見ても窶れている。風邪で一日中寝込んでいたからだろう。


心臓の鼓動は何故か早い。そわそわしている。それは多分、恵が栞先輩たちと仲良くしている所を想像してしまうからだろう。恵には今日一日でどれだけの可愛い栞先輩の姿が写ったのだろう。私の知らない栞先輩の姿が増えていく。



だけど、もしかしたら先輩が心配のメールをくれるかもしれない、なんてことも妄想している自分がいた。もしかしたら…と。




キュッシャーッ




再びシャワーのカランを回した。勢いよく頭に刺さるかのように流れる水。シャワーの水は汗と一緒に流れていく。先輩へのくだらない下心も流してくれないかなと、私は流れる水を見つめながらそう思ったのだった。















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