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撃鉄の響く戦場にて  作者: KY


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開戦⑦ 

少し、ウィキペディアを使用してみました。

今度は空が舞台になります。

頑張ります。

獣王国第二陣の司令部との会談は、うまく行った。

しかし、彼らは捕虜として後方に送ることになった。 しかし、貴族の連中。 正確には豪遊していた連中は、後方でも牢獄行きとなった。

移送時に大いにファビョッたが、彼らが逆立ちしても勝てない体格の拘束係が、彼らを取り囲むと、石の様に固まった。


「目障りだから摘み出して。」


「「「「「はっ!」」」」」


マサルが伝えると、あっというまに連れ出されて、囚人用の馬車に投げ込まれた。

一方、軍の司令官たちは普通に馬車や荷馬車に分乗して、後方の隔離施設に連行されていった。 こちらは無理やりな事はせず、誘導するだけで乗り込んでくれた。

貴族の私兵団は上官の尻拭いで、装備品はすべて没収し、朝から晩まで街道整備に動員された。

自身らが頑張れば、待遇が良くなるというと、頑張っていた。

最初は上官の貴族が待遇が良くなると言ったが、彼らはあっけなく裏切り、自身の待遇改善を要求してきたのだった。


「上司の貴族は良いのか?」


「金があるときはいいが、私兵と言ってもやることは使い走り。 平民の兵がいる時しか、えばれない。それどころか、そいつらから取らないと、うちらのうまみないだろ?」


「・・・。 まあ、お前らもこれから頑張れよ?何年なるかは知らんが。」


「はっ?俺らは使われただけだ!恩赦もないのか?!」


「・・・。 取れるよう頑張れ。」


私兵達も叫んでいたが、彼らも処罰の対象だ。

張り切って頑張って頂こう! ・・・・何年でもね・・・・。


次に来たのは、軍の一兵卒たちの場所。

ここは元農民や市民で動員されてきた人々だから待遇は違う。

ここには柵と警備兵はいるが、作業した対価は民と変わらないレートで設定した。 その為、終戦時にはある程度の纏まった金銭が、持って帰れる状態になれる。

士官や佐官、将官もそれぞれが別々の場所に収監されたが、拷問は一切なく、それぞれの作業に従事してもらっている。


「獣人貴族の連中以外は、こちらに従ってくれているようだな。」


「はい。 他の地域よりレートが高い我が国が、彼らに同じ様に支払うんです。 従います。 ですが、貴族と私兵団は、レートの10分の1にしてあります。 それでも調べていた悪い領主の5倍の報酬ですので。」


「・・・。 それはそれでどうなんだ?」


「彼らは贅沢の粋を味わいました。 それは仕方ないかと・・・。」


「分かった。 彼らはそれで。」


「はっ、畏まりました。」


こうして、第二陣の軍勢がアバロンに消えた。

彼らが消えたことに気付くのは、連絡に出した伝令兵からの報告を貰ってからだ。


<獣王国>


第二陣が順調に進んでいる事で、何かしらの好転を期待している本国サイドは、前線からの報告を待っていたのだが、前線からの報告が来ない。

数日は様子を見ていた彼らは流石に焦れた。


「宰相閣下!これは遅すぎます!こちらから偵察部隊を出すべきです!」


「分かっておる。 いま、ワシの兵を派遣しておる。 今しばらくしたら報告が来よう・・・。」


「流石は閣下!感服致しました!」


「・・・よい。 暫し待て。」


「はっ!」


彼らが待ちに待った伝令兵の報告はすぐに入った。

予想とは違う物が。


「なに!第二陣部隊がいない?!どういうことだ!!」


「はっ!こちらも予想進出点に向け、急ぎましたがそこにはおらず、周囲を捜索しましたが発見が出来ませんでした!」


「これは・・・一体・・・どういうことでしょうか?」


「・・・公国航空隊に第二陣部隊の捜索を依頼せよ。」


「公国に?!受けますか?!」


「受けねば、公国の兵に捜索させるまで。 断らんよ。」


「はっ! 公国に伝えよ!」


伝令を受けた兵は、弾かれる様に走っていく。

伝令は公国航空隊臨時航空基地に伝えられた。


<公国サイド>


獣王国の中でも比較的収穫量の少ない場所を公国航空隊が借り受けていた。

彼らは派遣部隊だが、希少性から独立性は認めらていたが、公国兵の度重なる敗戦にその立場も

怪しいものに。

ここいらで手柄を稼ぐことを暗に求められていた。


「とはいえ、我らに手柄と言ってもな・・・。」


「指令。 あまり悩んでも良い物は出ませんよ?」


「しかしな。 そろそろ戦果を出さんとな・・・。」


そんな彼の元に第二陣部隊の捜索に航空隊の出動が依頼という名の命令が下された。

断れば、パイロットを含めた兵の捜索は避けられないことを示していた。

彼らは出せる戦闘機と爆撃機を偵察のために派遣することになった。

フォッカー戦闘機D.XX1とフィアットBR.20爆撃機の似た航空隊が方々に散った。

その数、40機。 


「彼らが見つけてくれることを祈ろう・・・。」


「そうじゃなければ、近隣の部隊と全員で捜索だ・・・。」


「航空隊なのに捜索隊とは・・・。 涙が出るよ・・・。」


ため息交じりの愚痴も悲しいものだが、その彼らの願いも叶う。

第二陣の予測進出点より前線に寄った所で、大量の足跡を発見した。 確認に向かった戦闘機パイロットは旗は降ろしていたが、獣王国軍と思われる一団を発見することに成功した。

通信機はない彼は、そのまま基地に帰投し、司令部に報告。

司令部はその連絡に歓喜し、フィアット爆撃機にも複数に偵察員を乗せ、確認に飛ばした。

指定の地点にはすでに移動した後ではあったが、アバロン軍の前線内に進んだ後も確認され、彼らがそこに向かったものが確認された。

基地の指令は、この報告を獣王国に通告した。

受けた獣王国は公国側とは違い、慌てた。

第一部隊が壊滅している事が、生き残りから確認されている。 ここで第二部隊は全軍が降伏したとあっては戦意や士気に関わる。


「この報告はどうなさいますか?」


「うむ、マズイ・・・本当にマズイ。」


「この報告が本当になると、残る兵力よりは物資不足が顕著ですので動員が出来ません。 それに貴族の方々の取り分が多く、一般兵に渡りません。 銃兵隊は待機しておりますが、士気は低いです。 彼らの指導したのはアバロンなので。」


「そうじゃの。 現状では動員出来るのは貴族の私兵だが、彼らではな・・・。」


「現状は偵察と情報収集ぐらいしか出来ません。 防衛順位の低い場所の兵力は接収しましょう。」


「仕方あるまい・・・。 希望する避難民は共に移動せよ・・・。」


「御意に。」


彼らの予想に反して、避難を希望した者は少なかった。

獣王国の重要拠点は獣王都に集中している為に集結した。 宰相親派の貴族や私兵団、生き残っている宰相派の傭兵団、警備兵や義勇兵もこれに合流した。 しかし、それぞれの街を警備をしていた者や地元出身の兵士や騎士、残ることを決めた将兵はそのままになった。

それでも獣王都には、5万近い将兵が集結し、王都を囲む城壁や砦や関所に振り分けられた。

王都の北にある宰相の領地からも私兵が到着し、王宮の警備に付いた。


「これだけの兵力が集えば、アバロンも帝国もそう簡単には行きませんぞ!」


「御意に!」


親派の貴族はその威容に満足していた。

しかし、宰相は違った。

帝国にはすでに兵力でも、士気でも負けている。 もちろん、アバロンにはすべてで負けている。

残っている公国軍は、航空隊と航空隊基地防衛隊と残存派遣部隊が少しある程度。

彼らは運よく、公国に近い。 撤退は容易だ。

状況はそれを許さなかった。 公国暫定政府の執政府のある場所に航空機が飛来したという事が齎されたのだが、その航空機は攻撃したのではなく、ビラを撒いていったと言う物だった。


<公国執政府・前町>


公国の暫定政府が共和国の一都市であった街に来たことで栄えたが、貧富の差が出てしまう。

元からいた住人は、新しい公国民を相手に商売をはじめ、儲けた。

一方で公国民は、元からいる住人から購入するしかなく、政府も対策を打て切れていなかった。 その反動で元からいる住人と後から来た公国民とで、綺麗なくらいの差が出た。 公国は元居た住人に負担を求めるために課税したが、それを不服とした先住者達は公国民を追い出した。 その為、取り消すしかなく、公国民は比較的給料の良い軍に入る者が多かった。

そんな街に大きなサイレンが響き渡る。

緊急事態を告げるサイレンだった。


「緊急サイレンだ!地下へ!」


「お前ら退け!私は先住者様だぞ!」


「ママ!どこ?!ママぁぁーーー!!!」


普段鳴る事のなかったサイレンに針を突いた様な騒ぎになる。

近郊の空軍基地からフォッカー戦闘機が、緊急発進をしていく。 陸軍も高射砲が火を吹いた。

しかし、高射砲弾は届かない。 頼みの戦闘機隊も不審機と思われる機体に辿り着けなかった上にその機体から投下された。 それは町全体を包む様に撒かれたのは、ビラだった。


『アバロン軍は近日中に公国執政府及び街に無差別爆撃を行う。 退避せよ。 今後、公国に対して戦略攻撃を行うものとする。』


公国に対する戦略爆撃予告だった。

公国政府はあまり信じなかった。 まず距離の問題があった。

獣王国を縦断するように飛行することになり、公国空軍陣はそこまでの航続距離がある機体の生産も計画もない事も影響した。


「あの国はそんな非常識の機体があるのか?」


「分かりません。 獣王国の諜報部からも諜報部からも報告はありません。 ですが、実際にその姿を確認したパイロットから6発機が飛来したとの報告がありますので、事実です。」


「我が国の戦闘機では迎え撃てぬか?」


「今回の不審機は無理です。 わが軍機のさらに上空を飛んでいたとの報告があります。」


「そうか・・・。 ただ、防空は整えなくてはなりません。 ひとまず襲撃の可能性の薄い所から可能な限りの戦闘機を動員します。 よろしいですか?」


「うむ。 任せる。 対空砲も頼むぞ。」


「はっ!」


公国空軍士官らしい男性に指示をすると、彼はそのまま会議室を出て行った。

こうして、公国本土・本拠地に大防空網が敷かれることになった。

フォッカー戦闘機100機、対空砲・対空機銃及び機関砲が、ハリネズミの様に配置される。


「アバロン軍め!性能が低いと思って、軽く見ているだろうが、ネズミの一噛みを思い知れ!」


「「「「「アバロン軍、何するものぞ!公国航空隊の神髄を見せてやる!」」」」」


「「「「「やるぞぉぉぉぉ!!!!!」」」」」


「「「「「ぶち負かしたる!!!!」」」」」」


公国上空に一大航空戦が起こる時がヒタヒタと、進んでいた。

公国本拠地周辺に戦闘機100機と最新型フォッカーG.1も10機ほどが投入された。 対空兵器は多数配備された事で、市民は空襲の心配の少ない荒れ地近くの演習場に避難させられた。

街と執政府には、軍人と政治家が地下司令部や防空壕に移動した。 使用人もわずかだが、防空壕にはいた。 これから訪れる敵航空隊を待ち受けるべく準備は進む・・・。

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