暫定政府と共和国
少し幕間に近いものになりました。
戦闘の話は少し長めに書こうと思っております。
お楽しみいただければ、ありがたいです。 まだ、何も決めていませんが・・・・。 候補はあります。
暫定政府内では、獣王国との関係を疑問視する流れと、同盟維持に対しての対価だと考える流れが出ていたであった。
「賠償をしろと、頭ごなしに言ったくせに持っていけば、警備の兵まで持っていくとは!何を考えているんだ!あの獣共は!」
「おい!獣とは失礼ですぞ!彼らは多くの支援をしてくれていたではないですか!」
「それもアバロンが味方をしてくれていた時だけだろう?独立したとたんに減ったではないか!」
「確かに!自身らも大した支援してもいないのに今回の行為は横暴です!同盟廃棄を!」
「だが、囚われの身になった我が国の兵はどうなる?!兵器や銃は諦めても人の命は無視は出来ん!」
「それこそ継続して取り返すべきだ!」
「いや!そんな悠著なことをしている場合か!彼らを帰国させねば、破棄するくらいの事も言えんのか!我らは!」
会議場は互いの口撃の応酬に終始していた。
互いに解決策が見いだせない状況になった。
会議も長くなった事で疲れが見え始めた頃、会議の方向は自国批判の方向に向いた。
「そもそもアバロン領主を裏切りの容疑を着せてまであちらの肩を持つ必要があるのか?」
「それはそうだ!まずはその事を承服した人物は誰か、まずはそこを解明するべきではないか?」
「そうだ!今回の事態を招いた張本人ともいえる人物を召喚・尋問すべきではないか?」
「同意だ!」
「まずはそこを究明だ!」
突破口がない状態であった両派は、まずはきっかけを得ようと、自国のマサル召喚責任者の尋問をすることを思いついた。 疲れが出ていたこともあり、後日することを議会役人の助言により会を集結した。
議員や審議官たちは共に疲れた顔で、家に帰還していく。 議会役人は会議の報告をするために議長の執務室に急いだ。
「議長。 失礼します。」
「うむ。入れ。」
「失礼します。 今議会の報告をさせて頂きます。」
「うむ。 よろしく頼む。」
役人は会議での議員たちの発言や行動を事細かに報告後、自国批判の話もした。 その話を聞いたのちに瞑目し、腕組みをした議長。
「議長、どうなさるおつもりですか?」
「あの召喚計画は儂を含め、数名の評議員が賛同して関わっておる。 この様な事態になるとは思いもしなかった・・・。」
「ですが、だれかが出なければ、自国批判が止まりません。」
「うーん。 最初に言った女性文官に責任を取らせるか?」
「いや、彼女は聞き取りしかしておりません。 彼女に追わせるには、関りが薄すぎますし、彼女の専門が違いすぎる為に意味がありません。 それどころか、こちらが疑われますよ?」
「そうか・・・。 やはりか。 アバロンとの交渉には使えるか・・・。」
「御意に。」
「しかし・・・。」
「今回の儀、どうしいたしましょう?」
「うーん。 現状は好転は望めん。 アバロンの交渉には使えるだろがな・・・。」
議長執務室での議論は答えが出なかった。
議長判断で同盟は継続の鶴の一言があり、翌日の議会で決裁した。
<共和国サイド>
アバロンと獣王国の争いには、無関心を貫いていた。
公国が関わった事で共和国内の普人国家すべてが、公国に肩入れした事で共和国すべてが参戦することを求めた。
「公国は我が同盟国である!だが我らは大部分が参戦をしていない!我らが立ち上がる際は他国の方々にも共に戦って欲しい!」
「我が国も立つぞ!共に行こう!」
普人国の代表者は、参戦を決めた。 しかし、エルフやドワーフ、獣人の陣営はあまりいい反応はしなかった。 それどころか、獣人代表はむしろ切れた。
「我らは獣王国に追放された過去がある。 過去の清算もしていないあの国を助けるいわれはない!」
それだけいうと、退室してしまう。
残った3代表も渋い顔をしていた。 竜人代表は腕組みして瞑目したままだった。
残りの二人が口を開いた。
「まずは獣王国側に獣人代表に対して共和国内の獣人たちに過去の清算を促すべきではないか?」
「左様。 遺恨がある状態で助け合いも出来んぞ?」
「しかし、そんな悠著な事も言ってられないとも思いますが・・・。」
「だが、蟠りがあるままではこちらも兵士を派遣は出来ん。」
「それは・・・。」
「ひとまず取り次いでみてください。」
「分かりました。」
普人族の代表者は、ドワーフとエルフの代表に言われ、公国を通して交渉する事を確約した。
普人族の二人は、公国の大使と話をした。
公国の大使は貴重な味方であるために交渉をすることを承服した。
<獣王国側>
公国の大使が、獣王国の王宮に訪れてきた。
共和国の獣人たちの事を話し出した。
「共和国の獣人たちの戦力化の方策を献策しようと、参りました。」
「ほう・・・。 して、どのような?」
「はい。 まず獣人国の方に共和国に来て頂き、過去の蟠りを無くしてほしいのです。」
「・・・。 貴様、それは本気で言っておるのか?」
「はっ?どういうことですか?」
「あの国の獣人たちは、我が国の汚点だ!奴らと仲良くすることはない!」
<公国側>
王は、怒り狂いながら出て行ってしまった。
残された公国の大使は、近くにいた獣人官僚に聞いた。
「失礼ですが、共和国の獣人族とこちらはどうして仲が悪いのですか?」
「・・・それはですね・・・。 長い話になりますので、こちらへ。」
官僚は、出来るだけ私情を挟まないようにしながら、説明をしてくれた。
かつて、国に貢献をした高位貴族の家があり、彼らは一族を上げて国に尽くした。 そのかいもあり、国は大いに栄えた。 当時の先王も高く評価をし、信用した。
当然、彼らの功績をたたえる者もいれば、疎ましく思う輩もいた。
先王は疎ましく思っている輩の甘言に踊らされてしまい、かの一族を全員を国外追放してしまう。
通常ならこれで終わりだが、彼らは多くの民の支持を得ていた。 下級軍人や警備兵までも彼らと出て行ってしまう。 残った警備兵や軍では、国の維持も出来ずで大いに混乱をした。
それどころか、追放した一族の協力者があちらこちらで混乱や騒動を起こした事で、国内は混乱の極みと財政は破綻寸前にまで追い込まれた。
その後も他国の干渉もあり、混乱は10数年に渡り、混乱が続いた。という。
「このように共和国獣人族は、彼らの悪行により今の状態になるまでに多くの苦しみを得る結果なりましたので、仲良くできません。」
「成程・・・。」
大使は、公国に帰還後に共和国側の獣人族の聞き取りに行った部下からも似たような話を聞いて来ていたのだと、報告を受ける。
互いの歴史が改鋳されていて、どれが真実かは分からなかった・・・。
「様々な事情が重なった・・・。 この状態では共和国獣人族の増援は見込めん。 そうなれば、エルフやドワーフの方も・・・。」
「義勇兵という形で招集するのはどうでしょうか?」
「それでは各国の動員力の一割も来んぞ?」
「ですが、来ないよりはましです。 戦意の薄い大軍より戦意の高いゲリラの方が優秀です。」
「・・・。 上申してみよう。」
公国は共和国の普人族の国との連携を強め、竜人国以外の3か国には義勇兵の招集を依頼する方向で落ち着いた。 竜人国は交渉にも応じなかった。 公国の提示した対価では、満足が出来なかったようだ。
戦力の大規模招集は、一部のみの招集で終わってしまった。
それでもエルフの国から300、ドワーフから200。 獣人から100が集まった。
公国が見積もっていた3か国の動員力は5000はあったので、ほぼ10分の1しか招集出来なかった。
あとはなけなしの資金を使っての傭兵団の雇用だった。
「我らは・・・これで勝てるのか?」
「普人族の国の動員力に期待しましょう・・・。 あとは出来るだけ物資を集めましょう。」
「仕方あるまい・・・。 出来る事をしよう・・・。」
公国はその後も交渉を続けたが、手を取ってくれた普人族の国2国と義勇兵600、傭兵団5つと自国民兵200が、自国軍以外で集められた兵力だった。
獣王国は交渉に応じず、自国兵を招集する事に終始した。 その為に自国兵だけで3万の兵と公国の訓練を受けた銃兵3000と公国教官隊・元護衛部隊の100名が、隠し玉で用意が出来た。
その他に民兵が3000と獣人傭兵団10個、冒険者の集団300名、貴族私兵2万と自国だけで6万近い兵力が動員出来るようにした。
しかし、動員力の余力は好きないのも現実で、あったとしても報酬という金銭や物が出せるか怪しい状況でもあった。
「我が陣営では、これ以上の動員は民生を圧迫しすぎます。」
「分かっている・・・。 しかし、普人族の国2国も1万程度の動員力だと聞いている・・・。 そうなれば、おのずと限界が見える・・・。 我が国も獣王国に資産を多くむしり取られた・・・。 あとは作戦次第だと思いたい・・・。」
「大使閣下・・・。」
現戦力よりも運よく勝利をしたとしてどうなるかの方が、重大な案件になっていた大使と侍従であった。
ただ、状況を理解をしていない連中はいた。 まだ・・・。
<共和国・普人族の国2国代表>
公国・国策議会室内貴賓室
貴賓室は、やはり綺麗に飾られた調度品が置かれ、直ぐにもてなせる様に専属のメイドが常駐していた。 件の二人はメイドの入れるお茶を楽しみながらこれから起こる大戦に互いの意見を述べていた。 その議論が佳境になった頃に一人の代表が、切り出した。
「今回の戦いはどうなりますかね?」
「獣王国と公国暫定政府を主力にするはずです。 我らは後詰になる事は高い。 ならば、我らは被害を抑えるために後方支援に徹し、有用性を見せれば、前線にはいかないでしょう。」
「うむ。 そうなれば、生存率は高まるな・・・。 よし!その方針で行こう!最悪は渡されるであろう物資を持って行けば良い。」
「その通りです!」
彼らはアバロンに秘密兵器が投入される事には気づけなかった。
その上で、生き残るためにカメレオンをしようとしている事も計画していた。
後方支援も大切な任務だが、それを完遂する気があまりない部隊が、成果が出るのは未知数だ・・・。
獣王国は不気味なくらいに沈黙していた。
しかし、彼らは最終の陣容説明の際に気付くのだった。
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