死線の手前
おはようございます!
夜勤の仮眠が終え、投稿が出来ました。
確定申告も落ち着いたので、良かったです。
辺境伯領・トールハンマー本部内
「まだ返事は来ないか?」
「まだです。 まだ結論が出ないのでしょう・・・。」
「いつまで待たせるんだ?準備は出来ているぞ。 このままでは、彼らが暴走してしまう・・・。」
「ですが、領主様の認証なしには・・・。」
「分かっておる!閣下が遣わした使者が、結果を出すのも待っている事も!しかし!我らとて、いつまでも待ち続けるわけにもいかんのだ!」
「閣下の報告を待ちましょう!我らはその後からでも遅くはありません!」
「・・・!くそぅ!待機命令は改めて出しておけ!阿保共が出ないように憲兵も出しとけ!」
「はっ!了解しました!」
トールハンマー本部内では、強制捜査の為の部隊がひっきりなしに出撃しており、今回の待機部隊の上層部はある結果を待っていた。
その結果如何で、ある作戦が施行される。
作戦名は『オペレーションゼロ』。
最後まで抵抗し、兵士まで繰り出したある伯爵家に強襲部隊を送り込み、抵抗する者を排除しつつ、容疑者家族を全員連行する事だ。
本部で気をもんでいる頃、もう一つの場所も気が気でなかった。
領主館・領主執務室
「彼からの連絡は?」
「実は・・・まだです。 うまく行かんかったのでしょうか?」
「うむ・・・。 分からない。 だが、彼に任せるほかは今はない・・・。 出来れば、血を見ずに済む結果にしたいが・・・。」
「閣下・・・。」
領主館でも気をもんでいた。
使者がもたらす結果を待っていた。
伯爵領・応接間
「だから我らはやましい事をしていない!だから辺境伯殿の行動は、迷惑だ!謝罪を要求する!」
「もはやそのような事態になっているのです!せめて一時的にも容疑を晴らすためにこちらの言い分を受け入れてください!」
「馬鹿者!そんなことを言えば、あちらの良いようにされるだろうが!それもわからんのか!」
「ですが、このままぶつかれば、ただではすみませんよ!民を道連れにするおつもりか?!」
相手側の方も紛糾していた。
やましい事はないから去れ!の、伯爵家と容疑を晴らすために出頭するように促す使者。
互いに平行線を進んでいた。
「叔父上、容疑がかかっている以上、出頭しなければ、晴れません。 逆に匿えば、容疑が固まってしまします。 ならば、早いうちに晴らすべきだと思いますが。」
「身の保証と立場の保証、誤りがあった際の慰謝料を払う旨をマサル殿の直筆の念書でも持ってこい。 それならば、考える。」
「そんな事をしているうちに容疑を晴らした方が良いです!念書の前に迅速な容疑を拭う事が肝要です!
そんな事も分からないのですか?!」
少しでも良い条件で降伏したい伯爵家側とそんな状況ではもはない事を説明している使者側と、答えが見えない事態になりかけて来た時に事件が起きた。
伯爵家で使用人や家臣の一人が、殺されたと思われる死体が出てきた。 しかし、通り魔的な殺人だったのだが、辺境伯家の圧力に潜在的な恐怖心があった伯爵家の人間は、その恐怖から強気な態度に出れなくなった。 この殺人は容疑者も出て、無関係ではあったが、止めを刺した。
そうなると、個別で保身を図る輩が増えてしまい、伯爵家の屋台骨を中から崩し始めた。
「使者殿。 我らは辺境伯様に降伏します。 出来ましたらお口添えを・・・。」
「分かりました。 行いましょうですが、伯爵様一家への自首を進めてください。 これが条件です。」
「ははっ!かしこまりました。 口添え、お願いしますぞ・・・。」
「勿論です。 そちらも守ってくださいね。」
「はい。 では。」
こうして、使者の彼に自身の保身のためのお願いをしに来た男が、使者の部屋を去っていった。
使者としてきた男性も溜息をつきながら、供に来た役人の一人にこぼした。
「最近は保身に来る者が多いな・・・。 彼で何人目だ?」
「正確には数えていませんが、5人目です。 あと、面会希望が3名おります。 それも同様な案件だと思いますよ?」
「あの殺人からこちらの恫喝とも取られたが、容疑が晴れても見えない恐怖からか、中からやられている印象だな。」
「仕方がありません。 辺境伯様の経済力、軍事力ともに群を抜いています。 伯爵家の動員力ではとてもかないません。 我らを排除をすれば、即時宣戦布告される状況では仕方がありません。」
「・・・。 ここまで差があると、対応に苦慮するよな・・・。」
「御意・・・。」
使者の彼の言葉を供回りも頭を下げ、同意をした。
彼らも部屋住みだが、貴族家の人間だった。 法衣・領地持ちと様々だが。
貴族家は基本は、経済力と動員力が力であるからそこは無視が出来ない。
力がある側が、無理やり行う事も可能であるから余計にだ。
「彼らも保身でも図らないと、貴族家の保護がなくなれば、あっという間にすべてが奪われる事は身に染みています・・・。 仕方がないのでしょう・・・。」
「そうだな・・・。 」
こうして、中から崩れた家は想像以上にもろく、当主一家は主要家臣を含め、無条件の査察を受けることを承諾し、降伏した。
その一報は、すぐにマサルに伝えられ、準備命令は停止の命令が出た。
その後で査察官を含めた獣王国側と辺境伯側の両方より調査隊が来て、伯爵領の見聞が始まった。
結論は三男は、商人のあっせんのみで国へ無償奉仕2か月で済んだ。 逆に家臣の一人が深く加担したために家臣の一人のみが、即時処刑された。
「これで終わりましたな。 マサル殿。」
「宰相様。 ありがとうございます。 無事に解決出来ました・・・。」
「我らも整理が出来ましたからの。 ほっほっほ!」
エリザ誘拐事件はこれで無事に解決した。
容疑者も主犯はすべてが刑場の露と消え、無償労働や罰金刑で終わる者がほぼ大多数となった。
商人も加担した者は営業権を失うか、追徴課税で家財を差し押さえられる商家も多く、中には破産をする者もいたが、貴族誘拐に加担していたことで国の救済制度は適応されない為に、国外へと出て行く者もいたが、彼らの道のりも過酷だった。 家財を積んだ荷馬車は格好の標的であり、普段は家にいる女性達は野盗の獲物だった。 目的地に着く前に殺されるか、慰み者になったという。
「無事に終わったよ。 エリザ。」
「すみませんです・・・。 私の為に・・・。」
「気にしないで。 誰に喧嘩を売ったかを知らしめたかったし。 いい気味さ。 な?」
「・・・。 はいです・・・。」
エリザの実家で、エリザと再会したマサルは何も気にしないようにはなしたが、エリザはマサルの顔が今までにない程の怖い顔をしていたと、女性陣に話したという。
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