前哨戦~締めの戦
今回は少し短くなりました。
スイマセン。
体調が優れず、ボッーと、しておりましてうまく行きませんでした。
今は風邪薬を飲んで、休みます。
敵方からの宣戦布告を受けて進軍をしたトールハンマー私兵団。
構成も機甲部隊と歩兵隊、砲兵隊の他、後方支援部隊と後方に航空隊がいる。
今も戦車は輸送車に乗せられて運ばれている。 兵員もトラックや兵員輸送車、ジープやその他の車両に便乗して移動してた。
「この戦闘はこちらの一方的な戦闘になるかもしれない・・・。」
「だとよいですが・・・。」
こうして国境を目指したすでに先行の偵察軽車両小隊を複数放っていた。
先行部隊の進撃を防ぐためだ。
「隊長、もう少しで国境です。」
「分かった。 気を抜くなよ?敵の先行部隊がいたらたまらんからな。」
「わかりました。 もし見つけたらどうするんで?」
「無論。 分かるな?」
「はい。 分かりました。」
たわいない話をしていた二台のジープ隊は、国境から数キロの辺りで助手席の隊員の指示で止まった。
その隊員は、辺りをしきりに気にしてから話し出した。
「すぐ近くに気配を感じます。 それも複数。」
「そうか・・・。 何人か、降りて確認して来い。 杞憂で済めばいいが、そうでなければ大変なことになる。」
「分かりました。」
二台から数名の隊員がおり、森の中に入ると単発の発砲音が響いた後で、さっき入った隊員が帰ってきたのだった。
「ターゲットを仕留めました。 5つです。」
「わかった。 遺体は?」
「無論、地面に埋めました。」
「よし、進もう。 報告を。」
「了解!」
こうした先行偵察部隊の活躍で、百名近い敵の偵察班を闇に葬った。
そして、この偵察部隊は敵の進行経路に多くの罠や仕掛けを埋設していった。
「これからどんな事になりますかねぇ?」
「さてな。 まあ、機甲部隊には良いことになるかもな。」
「それは楽しみですね。」
敵の目を潰し、罠を仕掛け終えた先行部隊の面々は次のフェイズに進む。
主攻の機甲部隊も国境20キロ手前で、鋭意攻撃準備・再編成中だった。 戦闘の火蓋を切られるのももうすぐだ。
一方、敵方の方はと言えば、前線の情報は入らず敵の戦力も分からずじまいでは怒りが増した。
「偵察の奴らはどうした?!報告がないぞ!」
「それが・・・。 偵察の者達が一人も戻りません。 戻ってきたのは馬のみです。」
「なに!奴らが馬を捨てていくとは思えん。 本当にやられたのか・・・?」
「分かりません。 ですが、遺体もないので不確定です。 慎重な進軍を打診します。」
「そうか。 銃の部隊は前に。 あの部隊も用意をしておけ。 早く必要になるかもしれん。」
「わかりました。」
敵方は偵察隊が叩かれた事で、進撃速度を遅くして、確かめながらの進軍を行った。 それにより機甲部隊の到着時間を稼ぐことが出来た。
敵方の秘密兵器も進撃をしていた。 このことが、少し混乱を招くことになる。
「敵の前線部隊が偵察をしようとしましたが、こちらの先行部隊とエンカウント、これを撃破したとのことです。」
「そうか・・・。 まずは一勝という事か・・・。 良かった。」
「まずは幸先良しだな。 機甲部隊に出動命令を下命してくれ。 前線部隊に測距を要請し、砲兵隊の砲撃を支援しろ。」
「分かりました。」
通信が届くと、先行隊は観測班として距離と方位を砲兵に打電し、敵の第二陣を狙った。
砲兵隊も陣地について砲撃準備を始めた。
自走砲・榴弾砲・ロケット砲などが、必殺の砲弾を放つために空に指向した。
「先行部隊からの座標が来ました!」
「うむ。 装填・入力後、試射を始めろ。 先行隊に弾着確認を忘れるな。」
「はっ!」
試射の音と共に観測班からの修正座標が伝えられる。
そのデーターをもとに全砲門が指向する。 すべての砲門が向いたことが確認され、準備完了の報告を隊長に報告をする。
「座標修正を終え、集中砲撃の準備完了しました!」
「よし、前線部隊の号令と共に砲撃を開始しろ。」
「はっ!」
「砲兵隊へ砲撃よーい、てっ!」
「砲撃開始!砲撃開始!」
砲兵陣地では青天を覆う程の砲煙が覆う中で、連続射撃をすること20分。
砲兵隊に所属する重火器が火を吹いた。
「砲兵隊より連絡。 射撃終了、陣地移動を行う。 以上。」
「了解。 お疲れ様です。」
「ありがとう。 次を待つ。」
砲兵隊は陣地特定を防ぐために移動を開始した。
機甲部隊は敵の部隊を叩きに向かった。 敵を求めて。
「ん?何の音だ?」
「なんでしょうね?分かりません。」
ヒュルルルルルーーーーー!!!ドドン!
「なんだ!?」
「分かりません!」
一発で終わった事が再び進軍を開始した。
試射と思わなかった敵方は進んでいた。 そこへ再びの先の音が響いた。
しかし、今度は一発ではすまなかった。
それそこ次々と着弾した砲弾やロケット弾、迫撃砲弾が着弾する。
多くの着弾で辺り一面が、掘り返された。 叫び声すらかき消す着弾音に敵方は大混乱し、進むことも引くことも出来ない状態に。
「弾着確認。 効力射実行中、被害甚大なり。」
「了解。 あと5分で射撃が終わる。」
「了解。 移動を開始する。」
「了解。」
5分後に着弾点には、何もなかった。
人であったものや馬であったものはあるが、生者はいなかった。
「そろそろ機甲部隊が前線に辿り着きます。 そのまま進軍しますか?」
「そうしてくれ。 航空隊と連携して、大部隊の殲滅を旨としてくれ。」
「了解です。 伝えます。」
偵察を主任務としている航空隊の誘導の下、機甲部隊が敵方の大部隊とエンカウントマジかになっている頃にその大部隊では、先の部隊と偵察隊が帰還していない事と先の大音響で、部隊が全滅したことを理解をした。 その上でどうするか考えられたが、結論が出なかった。
まず、相手に接敵した者が戻っていない事で詳細が不明だからだ。 その上、虎の子の部隊は足が遅い事もあり、先鋒の部隊には間に合わなかった。
「スルド族の騎馬部隊ともエル族の山岳兵偵察隊も戻らない。 どうすればいい?」
「二部族共に逃げる通りはありません。 恐らくは・・・。」
「そうか・・・。 仕方あるまい。 我らも虎の子部隊を押し立てるか?」
「それがよろしいかと。 多分、地面に多数の火薬で地面を吹き飛ばされたと思われます。 その為にやられたものと、愚考します。」
「分かった。 トド族の重騎馬を前にわが部族も進もう。」
「伝えます。」
こうして、敵方も不確定なれど相手の戦力を予想し始めた。
しかし、それもトド族の重騎馬隊で叩けると自信を持っていた。
機甲部隊と衝突するまでは。
「なんだ・・・?あれは?」
「そんなことはどうでも良いです!逃げましょう!おい!誰か!」
先ほどまでトド族の重騎馬隊がいれば撃破できると、自信を持っていた彼(族長)だが、相手の部隊と衝突する前に重騎馬隊の騎馬である獰猛獣(象や虎等)が、相手の鉄車と言われるものに粉砕された。 それどころか、自部族の勇敢な戦士たちが銃と思われる連発銃で、バタバタと倒された。 こちらも銃で撃ち返したが、鉄車には効かなかった。 その戦士ですら倒されていく。
「我らは誰に挑んでしまったのだ・・・?どこで誤ったのだ?」
「族長!急いでください!生き残れば、再起は図れます!急いで!」
もはや軍勢の様相を呈していない彼らに機甲部隊が追い打ちをかけた。 平地を追いやられた彼らは得意の山岳地に入った所で、機甲部隊は進軍を中止した。
彼等は山で持久戦をすれば、さらなる出血と再起が図れると目論見、持久戦の構えをした。
山は彼らにとっては庭だから平気だと、構えた。
しかし、トールハンマーは甘くはなかった。 最後の止めを仰せつかった荒鷲の群れが、爪と牙を研ぎ続けている事を知らなかったから。
山にこもった事を知ったマサルは、最後の命令を航空基地に伝えた。
「こちら領主だ。 羊は牧場に入った。 毛の刈り取りを願う。 繰り返す毛の刈り取りを願う。」
「こちら荒鷲。 了解。 取り掛かります。」
航空基地では、けたたましいサイレンと共に全作戦機が発動機を発動。
かねてよりの全力出撃を行うために、全隊員が各自の持ち場を駆け回った。
「羊が牧場に入った!急げ!急げ!最後の締めだ!もたもたするな!」
「おい!そっちの爆弾はいらん!焼夷弾を積め!」
「戦闘機隊にもロケット弾を装備しろ!増槽も忘れるな!」
「パイロットは最終確認がある!会議室へ!」
「整備兵!作戦機を滑走路に並べろ!手すきは手伝え!」
準備も僅か1時間で済ませ、パイロットや搭乗員を乗せた荒鷲の群れが一路、目的地に向けて飛び立っていく。 整備兵達は帽子を振り、警備兵は敬礼して見送った。
そうして、輸送機まで使った航空隊は締めの作戦がスタートした。
「ここまで来たらもう逃げる事は不可能だ・・・。」
「誰を怒らせたかを思い知れ・・・。」
領主館でマサルは独り言ちる。
すでに最後のサイコロも振られたのだから・・・。
一方、まだ最後の止めが放たれた事を知らない部族連合は、戦闘でバラバラになった各部族を改めて呼び集めていた。 当然、全滅した部族はいたが残っている所も多く、事後策を考えていた。
「全滅した部族は3つ。 半壊は1つ。 被害は全部族にある・・・。 全滅した戦士の部族は、生き残っている部族で分けよう。 そうすれば、女不足も少しは解消するだろう。」
「良いのか?それでは下に置かねばなるまい。 死者に恨まれるぞ。」
「しかし、それでは残った女子供が飢える。 仕方あるまい?」
「まっ、そうだな。」
そこで参加している男たちは下衆な顔になった。 征服した部族の者は、征服した部族の配下となり、彼らの自由は奪われ、女は征服者の物となり、奪われる。 これを彼らが行おうとしていた。 ただし、生き残れたのであればだが。
「大変です!鳥でもない鳥がこちらに向かってきます!」
「鳥ではない鳥?なんだそれは?」
「正確に話せ!馬鹿者!」
「本当です!こちらへ!」
「なんだあれは?」
かれらが会議をしていた陣幕から出ると、確かに鳥ではない鳥が大きな音を出して飛んできていた。
最後の締めの第一弾の陸攻隊がやってきた。 編隊を組み、全面的に抵抗力を奪うために。
「編隊長!敵の集結地点です!」
「よし、爆撃手!操縦を渡すぞ!外すなよ!」
「了解!もう少し・・・もう少し・・・ここだ!投下!」
編隊長の爆撃手が、投弾を始めると僚機も投弾を始めた。
落下音と共に敵方の待機地をカバーするように落ちていく爆弾が、彼らを襲った。
先ほどまで平和だった場所が、地面ごと耕されていく。
人も、物も、馬や木もすべてを吹き飛ばした。 彼らは自分がどうなったかを理解することも出来ないまま、吹き飛んでいった。
しかし、まだ終わらない。
速度の関係で遅れた輸送機の部隊が、低空で侵入し、液体を散布した。 発火・爆発性のある液体を彼らの真上に巻いた。 さらに輸送機がまき終わった後に偵察機から火炎瓶が投げられた。
そこからは灼熱地獄の幕開けだった。 半死半生の彼らに高熱火炎と爆風が襲った。 運悪く液体をかぶった者は、生きたまま全身を焼かれるという地獄を味わい、体に火がついた生き残りの馬が暴れる事でさらなる被害を出し、物資も一つ残らず焼かれた。 地獄はさらに続く。
戦闘機隊がまだ残っている物資や見張り台をロケットで破壊し、動く者を機銃で打倒した。 さらに偵察機もこれに参加。 かつて森だった場所は焼け野原と化し、生ける者はいない不毛の地となった。
「作戦終了!航空隊は引き上げる!」
「了解!大任ご苦労!」
航空隊は全機、意気揚々と基地に帰還していった。
戦場確認に機甲部隊の機械化歩兵が当たったが、そこは地獄の窯の底だった。
「こりゃあ、すげえ・・・。 地面が土の色じゃねぇ・・・。 それにこの匂い、鼻が曲がりそうだ。」
「小隊長。 マスクをしましょう。 少しは軽減するはずです。」
「ああ、そうだな。 」
部下に促され、獣人の小隊長は防毒マスクを着用した。
確認に向かった部隊の一つとして。
「しかし、これだけ叩かれると、生存者は絶望的だな・・・。」
「はい。 地面の温度も50度を超してます。 這っていたらそれだけで焼かれます。」
「こちらも長居は出来ん。 急ごう。」
「はっ!」
確認をしたところ、奇跡的に馬の死体の上で軽度のやけどを負った青年戦士と水樽の上で親の死体のお陰で命が救われた少年戦士、木の上まで吹き飛ばされた事で打撲のみで済んだ女性戦士の3人が、捕虜として救出された。
部族連合の攻勢は、わずか3名の生存者のみが、生き残れたという惨敗に終わった。
この結果に終結したと判断したマサルは、全部隊に帰還命令を発布。 戦争は終わった。
「領主様、お疲れさまでした。」
「ありがとう・・・。 国の方に後始末を頼む旨を伝えて欲しい。」
「かしこまりました。 直ちに。」
「あと、その・・・なんだ。頼まれてくれるか?」
「分かりました。 国に手紙を出しましたら、身を清めてから伺います。」
「いや、良い。 多分待てない・・・。 出したらすぐに来てくれ。」
「分かりました。 他に来れる方には来る様に伝えます。」
「よろしく。」
こうして、マサルは自室に籠もった。
その後、姫騎士を始め、妾となった女性陣も入ったが、出てきたのは二日後の昼間だった。
獣王国を襲った危機は、回避された。
そして、部族連合は働き手を多く失い、バラバラになって各地に散った。
交渉相手がいなくなった国は彼らの生活圏を併合し、領有を宣言した。
王宮サイド
「これでまた彼らは力を大いに知ら締めました。 我が国の領主であると同時に帝国の継承権を持つ女性を正妻に向かえた事で、我らももう少し繋がりを強化せねばなりません。」
「そうだな。 獣王国の貴族の娘を複数人嫁いでいるが、まだ足りんか?」
「いや、女はこれ以上は無理でしょう。 ですが、位を上げて責任を持たせ、こちらに引き込めるようにもう少し重りを取り付けようと思います。 よろしいでしょうか?」
「何か策があるのだな?任せよう。 あの男をもう少しこちらに引き込め。」
「御意に。」
王宮がさらなるマサルの取り込み策に思案している事を知らない本人は、女性陣に様々な欲求を慰めて貰ったのちに眠りについた。
彼の知らぬ所で、様々な事が起きようとしていた。
本人は寝ている中で・・・。
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