落し所
こちらの作品では、本年初になります。
今年もKYをよろしくお願いします!
今、本当に困っている・・・。
実際に戦闘をするよりも・・・。
女性問題はどうしてもなくすことの出来ない問題であり、解決すべき問題だ。
婚姻を交渉として使う事は、よくあることで普通に行われる。
実際に娘や息子を出して、援助や安全を買う事はあるし、手段だ。
だが、自分に来ることは予想もしていなかった。 いや、あえて考えないようにしていた・・・。
心のどこかにその行為に嫌悪を抱いていたんだと思う。
「何を思い詰めておられるのですか?この婚姻が女性陣の望んでいない物であると、考えられているのですか?」
「・・・。 違いますか?」
「これまで行われたものは、そういうものもありました・・・。 認めます。 ですが、今回は少し違います。」
「どこがですか?」
「まずは貴方と女性たちは、部下として、夜伽の相手としても、関係があります。 夜伽をするのに好意がない状態で、出来ますか?」
「・・・。 正直、申し訳なく思っていました・・・。 自分はそういう相手としてみたくないと、思っていながら、自身のもやもやを、不安を取りたいがために彼女たちの大切な物を奪ったことに・・・。」
「・・・。 確かにそういう事を嫌悪する気持ちも分からないでもないです。 ですが、我ら獣人にも節操はあります。 番や行為に至る為には、いくつものしがらみを納得させていく必要があります。」
「・・・?」
「まず、番になるという事は、相手がどんな状態になっても添い遂げる覚悟を求められます。 途中で病死や戦死、事故死ならともかく、離婚は禁忌とされています。 相手が異種族でもです。 離婚をした人は郷に帰れませんし、家にも戻れません。」
「・・・。 そんなに厳しいんですか?」
「はい。 私の姉の一人が、旦那さんが戦死したことで帰ってきましたが、多分ですが、姉はもうどこにも嫁がないでしょう。 それくらい操も大切にします。」
「・・・。」
「あなたの周りの女性陣はそれをすべて納得した上で、貴方の相手をしていたんでしょうから覚悟はしていたと思いますよ。」
「・・・。 彼女達は受け入れるでしょうか・・・。」
「ならば、一回話をされてみてはいかがですか?」
「えっ?」
「お入りください。」
声と共に隣の部屋を結ぶ扉が開けられ、もう一人の女性の使者さんの後に続いて、彼女達が入ってきた。
そして、マサルの前に並んだ。
マサルは思い詰めていた為に暗かった。 女性陣は明るかった。
「我らはいったん退室します。 皆様でお話しください」
「「失礼します」」
そういって、使者さんは退室していく。
マサルの前に並んで座る女性陣は、マサルの顔をみて不安そうな顔になった。
その中で最初に口を開いたのは、ジョアンナだった。
「領主様。 いえ、マサル様。 突然の婚姻の話ですが、我らも嫌ではありません。 むしろ、歓迎しております。」
「・・・。 どうしてですか?」
「我ら獣人族は、人数が多いために就ける役職も狭き門になります。 その狭き門に通るために一族の誰かが、そういった関係筋にいくこともよくあるからです。」
「私はそうではないですよ?」
「ですが、マサルの所はすべてがゼロの領地。 当然、すべてが何もない所から始めないといけない所でした。 その結果、部屋住みの者達が幾人もこの領地で、奉職しております。 感謝をすることはあっても恨まれることはないです。」
「・・・。 私は皆を守りたかった・・・。 助け合えるならと、頑張ってきた・・・。 だが、その犠牲にしたと、私は思っている・・・。」
「我らは犠牲になったとは思っていませんよ。 先ほども話しましたが、狭き門の為に好いた異性と番になれない者は多く居ます。 ですが、我らは違う。 信用できる上官に、上司に仕える事が出来ました。 少し変態な所もありますが、優しく仲間思いの上役の番になれる事は嬉しいです。 ですからそこは悩まないで下さい。 そして、自信を持ってください。 大丈夫、我らが支えますから。」
そこまではなすと、ジョアンナは優しい女性的な笑顔で見た。
顔を上げたマサルが、皆の顔を見るとユリーダが、はにかんだ笑顔で見ていた。 ユリが縦に首肯定していた。 エリザはユリより早い首肯定をしていた。
ここまでくると、悩んでいたのが馬鹿らしくなった。
すでに自分でも答えが出ていた。
彼女達から自分が離れられない程に頼っていることに、いる事が当たり前になっていることに。
「そうか・・・。 そうだよね・・・。 本当は答えなんか出ていたんだよ・・・。 なのに自分よがりな事だと思って、勝手な妄想だと思っていたんだ。 気持ちを考えずに・・・。」
「領主様・・・。」
「領主殿。」
「「「隊長・・・。」」」
「改めて言わせてくれ。 俺の妻になってください。」
言い終えると、頭を下げた。
彼女達はふいに涙を流して、また笑顔を爆発させたりして答えた。
「「「「「はい!喜んで!」」」」」
こうして、国を挙げてのプロポーズは成功した。
すぐさま、使者さんの早馬で王宮に伝わり、様々な事が決まった。
まずはアバロン領の正式な領地承認と上位貴族である伯爵位の承認。 トールハンマーの私兵所有の承認と、自治権の追認等が行われ、獣王国の正式な仲間入りとなった。
「決断したとはいえ、凄い事になったな・・・。」
「はい。 ですが、これからよろしくお願いしますね。 旦那様。」
「こちらこそ。」
ジョアンナと会話をしている下では、避難している姫騎士殿の実家の領民やアバロン領の民を中心に近隣の村民や行商人や兵士達が、片手に食べ物か酒を持って笑顔で酌み交わしたり、分け合ったりしていた。
当然、子供達は全種類食べるかの勢いで口に詰め込んでいた。 無理やり詰め込んでむせる我が子をたしなめる母親、家族そっちのけで仲間と飲み始める旦那を溜息を吐きながら自身も子供共にスープを飲む母親と、多くの人々がマサル達の結婚を祝福した。
「マサル殿、この度はおめでとうございます。」
「おお!宰相閣下。 この度はお越し頂きありがとうございます。」
結婚式の際に王宮側代表として、出席して頂けた。 その他にアバロン近郊の取引のある領主の方が、本人やご子息や代理人の方が出席してくれ、姫騎士側は母君と弟妹2人と筆頭家臣、姫騎士殿の世話係の一家が参加。 他にもアバロンサイドも各部門の代表や官僚数名、トールハンマーからも数名が参加してくれて、両ギルドも副ギルマスが参加して華やかな式が出来た。
宴会も式の開始と共に始まり、式に参加できない民と兵士達はそちらに参加した。
式が終わり、宴会もある程度参加したのちは、マサル達は自分の館に入り、番の時間を過ごした。
しかし、彼らの周りに新たに現れた敵の手が、伸びていた・・・。
「これから起きる嵐はどうなるかな・・・。」
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