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撃鉄の響く戦場にて  作者: KY
44/109

掃除 そして

様々な指摘ありがとうございました。

少しずつ書き加えたりして、訂正や誤字脱字に気を付けていきます。

「兄上!おられますか!」


「どうした?騒々しい。」


「こちらでしたか!兄上!お話が!」


「マサル関連であろう?分かっておる・・・。 侯爵の取り巻き共がやはりやらかして負ったか。」


「知っておられるなら話が早い。 行ってきます!」


「証拠は確保しろよ?」


「勿論です!」


用件だけを伝えたと、公爵はすぐに来た道を戻っていった。

王宮内に私兵団と近衛に出動命令をだしながら、自身も出ることを大きな声で言っている公爵の弟を庭園で黙って見送る現王の兄。 そして、発言せずに座っていたもう一人の人物が、声を掛けた。


「よろしいのですか?」


「あ奴に待てと言っても聞かん。 お前も知っておろう?共に悩まされたではないか。」


「そうですわね。 義理の姉になると決まったら、私の所でも大騒ぎでしたわね。」


「・・・。 それはまた、すまん。 謝るから許してほしい・・・。」


「それも今更ですわ。 もう諦めました。」


「理解のある妻で、感謝するよ。」


「理解より悟りの境地かしら?」


「あとで儂から言っておく・・・。」


「今更、無駄ですわ。 それよりもティータイムを楽しみませんか?陛下。」


「そうしようか」


こうして、侯爵陣営の逮捕が庭園のティータイムの中で、なし崩し的に決定した。

そして、侯爵陣営の貴族屋敷には公爵の私兵団を中心に近衛や監査の役人まで混ざっての捕り物が開始された。


「手入れである!神妙にしろ!」


「うわ!なんですか!一体!」


手入れに入られた屋敷内は大騒ぎになった。

数にして20数家。 下は騎士伯、上は侯爵までのすべてが手入れにあった。

これにより証拠が挙がった16家が、捕縛対象として、当主・跡取りとその関係者がすべて連れてこられることになった。 完全なる犯罪者として。 8家ほどが、証拠や加担の事実がない事が、確認されて放免となったが、それ以外は最低限度の着替えのみで、監獄に連れていかれた。


「彼らの罪状は凄いな。 人身売買や違法取引、違法薬物の販売と製造。 そして、横領などもあるか。 しかしまあ、よくぞここまでと言いたいよ・・・。」


「王よ!われの成果はいかがか?」


「そうだな。 よくやった。 褒めて遣わす。」


「ありがたき!」


公爵が私兵団を使用してまでかき集めて来た証拠の山を少し見聞し、近くにいる役人に渡す王。

証拠の山を手入れを始めている職員の群れは、甘いものに群がる蟻のように見えるほどあった。


「これだけあれば、言い逃れは出来んじゃろ。」


「おうよ!根こそぎ持ってきたぜ!」


「・・・。 お主は戦場と王宮では性格が変わるのう・・・。」


「血がたぎるからな!」


様々な証拠と共に家宅捜査で、言い逃れが出来ない程に集まった事で侯爵陣営の処罰が、決まった。

とはいえ、侯爵は身内であるために色々難儀をしたらしい。

王宮からの使者は律義にこちらに報告をしてくれた。


「そうですか・・・。 侯爵ご一家は山奥に幽閉になりましたか・・・。」


「はい。 犯罪を犯したとはいえ、従弟様であられますので・・・。 ご不満とは思いますが・・・。」


「いえいえ、そのような・・。 むしろ、王家の方々に気を落とされぬようにと、お伝えください。」


「ありがとうございます。 あと、また日取りが決まりましたらお伝えに参りますが、また王宮にご足労をお願いに参ります。 よろしくお願いします。」


「かしこまりました。 その際はよろしくお願いします。」


「では。」


使者の兎耳男性は、深々と頭を下げると、執務室を退室していき、部屋の外にいるメイドに付いて、帰っていった。


「やはり侯爵様は幽閉のみでしたね。 もう少し重い罪になると思いましたが。」


「誰でも身内は可愛い。 仕方ない。 だが、派閥は崩壊・解散した。 それどころか、新派の方々でも処刑や官位を追われた方々もいるし、使用人も多くが職を失った。 財産の没収は言うに及ばずで、関わらなかった人もどこの派閥にも入れなくなり、生活は困窮している。 とても幽閉された侯爵様の支援までは回らない。 飼い殺しでも命があるだけいいさ。」


「確かにそうですが・・・。」


「それよりも食い物にされた人たちの方が、大変らしい。 家や家族も今まで亡くなってしまっている者もいて、余計に確認作業が遅れているようだ。」


「そうらしいですね。 記録を捨ててしまった貴族もいるらしく、余計に難航していると、中央に勤めている友人が教えてくれました。」


「・・・。 本来は守秘義務があるのでは?」


「うちは当事者側です。 聞いても平気ですよ。」


「確かに・・・。」


こうして、多くの貴族が領地の没収や削減で収入を失い、侯爵様が失脚したことで、多くの土地が浮いた。 王宮は半分ほどを直轄地にして、残りを先の防衛戦の活躍した者に渡した。 

マサルもアバロンと近郊の村を4つと要塞都市と間にある街も自領地にする免状と許可証を貰った。 そのまま、街の統治者に挨拶に行ったが、病床にあり、跡取りもおられない老男爵夫妻であった。


「私どもは老い先が短く、街も返納しようとしておりました。 まさかあなた様のお陰で、この街も持ち直しました。 これで心残りもありません。」


この5日後に男爵が亡くなり、奥方様もそのまま修道院へ入られたとの報告が上がった。

街も屋敷も変えずに、男爵屋敷も執政官館として、徴用した。

アバロンの役人の一人が着任して、政務を行うものとした。

村は商人が商いついでに状態確認をすることを引き受け、アバロンの部隊も訓練と称して、村の雑務を手伝う事とした。 その代わりに訓練兵や訓練中の正規兵の為の宿舎の維持管理を受け持ってもらい、報酬を渡す契約をした。

これで小さいながらの領地をえた。 他に周りにいたが、侯爵様の領地や取り巻きの領地に行ったりしたために、アバロンの周りが開いた。 老男爵の街も返還申請が出ていた為に、そのままマサルが貰う事になった為にマサルも領土持ちになった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] すごく話の流れが良くて楽しめます [気になる点] 話の内容はいいのに誤字脱字が多すぎます。読む気がなくなりました。 [一言] もう一度最初から自分の目でしっかりと読み直すことをオススメしま…
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