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撃鉄の響く戦場にて  作者: KY
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タヌキとキツネ

少し内輪系が多くなってきました。

そろそろ少し設けたいと。思っております

式典は終わり、それぞれの屋敷に下がっていく諸侯。

それを物語るように玄関には、馬車の列が出来ていた。 当然だが、身分の高い人から下がっていく。

職員さんに再開の話をした侯爵様は、一桁代の順番で去っていく。

近郊に屋敷のないマサル達は、王宮内の別室で待機となっている。 屋敷が遠方の貴族も離れてはいるが、数家いる。 彼らもマサルと縁は持ちたいから来訪したが、ジョアンナ嬢のアドバイスで会う会わないを決めて、面会した。 職員さんが。


こうして、間に小さな交流を混ぜていよいよ本題になった。

職員さんは、ジョアンナ嬢と護衛2名を伴って侯爵屋敷に訪問した。


「この度は御呼ばれいただきましてありがとうございます。」


職員さんに続き、ジョアンナや護衛のふたりも頭を下げた。

相対した豚耳の中年男性も気分良さそうな顔をして向かい入れた。


「いえいえ、この度はようこそお越し頂きました。 当家一同、歓迎いたしますぞ」


「ありがとうございます。 我らも親交を持ちたいと思っておりました。」


「それは何よりですよ。 互いに有意義な会談になることを期待いたします。」


「そうですね。 お任せください。 楽しい会談にいたしましょう。」


こうして、会談は侯爵主導で進んでいた。

当然の如く、自身の陣営に対しての便宜を図ってほしいという物だった。

こちらは王国の担当者に纏めて納品し、そこで均等に分けて配分していた。 それを侯爵陣営が代わりに受け持つという事を打診された。 表側は王宮の負担を減らしたいという事だった。


「なるほど、分かりました。 ですが、打ち合わせをしなければなりませんので、暫しお待ちください」


「はい。 分かっております。 それと我が方との軍事協定の締結もお願いできますでしょうか?」


「軍事協定を結ぶのは、構いませんが、あまり役に立たないと思いますが?」


「おや?それはなぜですか?」


「それは獣人の方には、少し操作が難しいからです」


「そうでしたか・・・。 では、共闘で大丈夫です。」


「わかりました。 それではそのように話を詰めてみます」


こうして、侯爵陣営は内諾を受けたような気分になっているようだった。 そして、他にもいくつかの国を裏切る様な人身売買と人材提供という名の人身を対価にした取引を持ち掛けられた。

王国違法の奴隷取引は禁止されている事は、ジョアンナ嬢から聞かされていたが、彼女らは別室で接待という名の隔離を行われていた。 職員の男性は自身で切り抜ける事を求められた。


ここでどう切り抜けるかだな・・・。 


ここが切り抜くことを求められた正念場だった。

最初の取引が内諾を受けることが出来た気になっていた侯爵陣営は、人身取引や人身対価の取引に留まらず違法薬物についてもほのめかした。 こちらはギルドでも問題になっていたこともあり、身代わりではあるが、立場を利用して興味がある様に見せて、情報の引き出しをした。 気分が良くてもやはり核心には触れなかったが、何かを知っていることは確信が持てた事で、検討をしたい旨を伝えると、退室のすることが出来た。


「有意義な会談を持てたことに感謝いたします。」


「こちらこそ。 取引の方。 よろしくお願いいたしますぞ。」


「ええ、前向きで検討いたします。 その際はよろしくお願いいたします。」


副指令と護衛二人と合流した職員さんは、侯爵邸を辞して、王宮の用意された部屋へ移動した。

そして、王宮入り口で待っていた従兵扱いのマサルと残った護衛兵一人と部屋付きになった見習メイド一人との合流をすると、そのまま自分を先頭に部屋に戻る。

護衛のふたりは入り口の前に立ち、部屋に入ってすぐの椅子にもう一人が座り、メイドさんはお茶の準備のために退室し、部屋の中には職員さんとジョアンナ、マサルの三人が応接用のソファーに座った。


「どうでした?」


「そうですね。 中々、いろいろな意味で有意義な会談が持てました。」


「それは何よりでした。」


「私からもいくつか報告があります。 少しネズミがいたので、駆除をしました。」


「それはそれは。 お疲れ様です。」 


「あとは高官との会談も取り付ける事が出来ました。 あとはこちらがどうするかです。」


その頃になると、メイドの少女が自分の背うと変わらないカートを押してきた。

会釈をしたのち、一杯ずつカップとソーサー、スプーンを用意し、入れていく。 階級の高い順にカップを置いていき、着席をしている三人に入れ終わると、会釈をして退室していく。


「高官の方はどなたが、応対をして頂けるのですか?」


「王様ではないのですが、王弟であられる公爵様です。 御付きで宰相様がご同席して頂ける事になりました。」


「まずは返事をするのが、まずは必要ですね。 頼めますか?」


「勿論です。 すぐに向かいます。」


マサルは護衛の一人を連れ、返事をするために退室していく。

その光景に残った二人は苦笑いでいた。


「楽しんでますね。 彼。」


「ええ、そうですね。 これからも使われそうです。」


「お疲れ様です。」


こうして、王宮側の会談が決まった頃、侯爵邸では、陣営の発展が確約されたと自らの陣営の貴族達を迎えて、酒宴を開いていた。


「しかし、あの男が了承しましたな。」


「さすがは侯爵様。 素晴らしい手腕ですな。」


「いやいや、それほどでも。 これからも我に尽力してくだされよ?」


「勿論でございます!なあ、皆の衆!」


「「「ははっ!」」」


「この世の春はもうすぐじゃ!」


この宴席が空回りどころか、完全に自身の墓穴を掘ることになろうとは、思いもしなかった。 と、悔しがるしかない時が来る足音がしていた。


「さて、マサルに会えるというが、本人がなぜ立っていて従兵が座っているのかな?」


「これには訳がありまして・・・。」


「ほう?聞こうか」


そこで偽装工作の為にギルド職員に身代わりを依頼したことを説明し、従兵としてきた自分が、マサル本人であることを伝えた。 話のやり取りを黙って聞いていた公爵様は、話が聞き終わると、隣の宰相に目線を向けたが、黙って会釈をする宰相を見て、確認が終わると、一つ溜息後に重い口を開いた。


「兄上があってくれと、言われたのであったが、まさかここまで隠されていたとは・・・。 しかもまだ青年という年だな?」


「今年で19になりました。」


「成人はしているが、まさかトールハンマー隊長がここまで若いとは。 まあ、いいさ。 会談では何を話そうか?」


「では、まずはこちらから・・・。」


そこで侯爵陣営の奴隷取引や違法薬物の話をすると、 落ち着いていた公爵様が、完全に青筋を立てていた。 手を置いたソファーのひじ掛けを握り潰しそうな勢いで、ミシミシと悲鳴を上げていたソファーを見ない事にして話をした。


「・・・。 中々、楽しい内容だったよ・・・。 体を動かしたくなるほどに・・・。」


「それは何よりです。 あとはお任せをしても?」


「ああ、任せてくれ。 気分転換で少し運動してきてよいかを兄上にお伺いを立ててくるよ・・・。 公爵の身分は、窮屈でね。」


「・・・。 それでは、失礼いたします・・・。」


「ああ、また時間を作ってもらえるかな? 今度は隠さなくていいよ。 また、私だから。」


「かしこまりました。 使いの者をお出しください。」


「では、またな。」


こうして、マサルはジョアンナと職員さん、護衛3人を連れて、退室する。

与えられた部屋で、本来の位置に座り一息ついた。

すこしすると、下が騒がしくなったが、見ないことにした。

こうして、王宮訪問は色々あったが、無事に終わりを告げた。 


終わったよね?ああ、公爵様との会談がまだあるっけ?


「気を取り直して、明日も頑張りますか!」


無事に終わったが、おまけにはいろいろと掛かりそうです・・。

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