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撃鉄の響く戦場にて  作者: KY


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王宮へ移動・式典

寒さはやはりきついですよね?

寒さ対策と鍋料理、温泉やお酒、仲間との談笑。

さむい事で人は、一塊になって寒さをしのごうという本能的な物で、集まるそうです。

頑張りましょう!

「行きたくない・・・。」


「まだ言っているのか?いい加減、腹をくくれ。」


「嫌な物はいやだ。」


開口一番にマサルは拒否を示した。 とはいえ、行かなければならない事は、分かっていた。

そこで王宮が考えたのが、替え玉だ。

貴族の中には、マサルを知っている者はいない。

いても死んでいるからだ。 兵の中には、知っている者はいたが、彼らのいう事を信じないから心配ないとして、召還に応じることにした。

マサルの身代わりの男性は、連合にいた時に知り合ったギルドの職員さんが、してくれることになった。 ギルドの職員である為に、対応も出来るし、高圧的に来たら制圧してもよいとの許可も得ていた。


「マサル様、ひとまずは私が身代わりになりますので、ご安心ください。 助言をいただければ。」


「スイマセン。 よろしくお願いします。」


職員さんの付き人という形で、付いていくことになった。 それどころか、王宮の人もマサルを知らないのだからばれない。

これが王宮の出した答えだった。

こうして、マサルも重い腰を上げる機会になった。 しかし、職員さんにも危害を加えられても問題と、従兵も3名付けた。 彼らは、最初から職員さんを守ることを命令されていた。 近接戦闘に長けた隊員を厳選し、護衛にした。 装備もスタンロッドとハンドガンにして、防刃用装備で固めた。

マサル自身もスタンロッドと拳銃、スタングレネードを持っていった。 隊員たちは、そのグレネードを警戒していた。 獣人には、殺人兵器と変わらないから。


「何事もなく、すんでくれるかな?」


「それは無理ですね。 貴族とはそういう者です。」


「見つけ次第、射殺していい?」


「ダメに決まってます!国が潰れます!」


「いや、無能がいても仕方ないし、仕事を頑張らないやつがいても足を引っ張るだけだし。」


「そういう問題ではありません!いい加減にしてください!」


「いいじゃん、ケチ」


「はあ、ケチとかではないですよ・・・。 幼児退行しないで下さい・・・。」


「だって、イヤなんだもの。」


「もう覚悟を決めてください・・・。」


身代わりを担当するギルド職員さんは、ひたすら我儘を言っている指令とそれを指摘して覚悟を決めさせようとしている副指令。 第三者から見ていると、我儘を言っている弟を諫めている姉という構図がピッタリだった。 事実、そんな感じになっている事が多かったのか、護衛の隊員さん達は気にもしていなかったのが、微笑ましく映った。


私もこの仕事をこなして、少しでも役に立たねば・・・


王宮へ向かう車内では、三者三様の気持ちが錯綜する中で、進んでいくのだった。

恰好は佐官服の身代わりの職員さんと、獣王国の軍服の副指令、従兵の尉官服のマサル。 こうして、王宮前につけられる車から警戒をしながら、護衛とマサルが出てくる。 車を三角で囲む護衛と入り口付近の安全を確認すると、扉を軽く叩く。 すると、副指令のジョアンナがマサルと相対するように立ち、二人の間を職員さんが立ち、足早に歩く。 二人はその少し後を両サイドを見張る様に続く。 護衛達もそれに続く、三人の後に壁を形成するように。

 王宮に入ると、高官らしい男性が迎えてくれた。


「この度は招きを受けて頂き、感謝いたします。 マサル殿。」


「いえ、お招き頂いたのに来れなくて申し訳ないです。 民第一ですので。 ご理解ください。」


「分かっております。 こちらへ。」


互いに挨拶と握手をしたのち、案内に従って、歩いていくと、お腹の大きな豚耳男性が、立っていた。

マサカツは懐に手を入れ、職員さんの前に立ち、護衛のふたりも前方へ。 背後にも一人つき、ジョアンナ嬢も職員の横に立った。


「それ以上、近づくのはやめて頂けますか?」


「マサル殿が見えたので、ご挨拶をと。 思ったのですが・・・。 ダメですかな?」


一応、従兵という事になっているために少し視線をそらした。

他の護衛は男性から目を離さなかった。 その為、張り詰めた空気でマサル役の職員は首肯定をした。

マサルがそれを確認すると、道を開ける。 その道を進んで豚耳男が近づいた。


「マサル殿ですね?当獣王国の侯爵を拝領しております者でございます。 以後、お見知りおきを。」


「ご丁寧にありがとうございます。 マサルと申します。 宜しくお願いします。」


「丁寧な事は良い事ですよ?ではまた、祝賀会会場で。」


そういって、彼は去っていった。

ここでは、人が多いと思ったのであろうと、案内役の役人さんが言っていた。

控室前に行くと、こちらで休む様に進められ、護衛を含めて入室した。


「お疲れ様です。 やはりあなたで正解でした。」


「お役に立てて良かったです。 ですが、明日が本番です。 気は抜けません」


「苦労をおかけします。」


マサルは職員さんに素直に頭を下げた。

自身がやりたくなかった為に商業ギルドの一職員である彼を代役に仕立てた。 断ることも出来るが、彼は快諾し、同行した。 彼の貴族に対する対応は良かった。 そして、今夜には歓迎会を開かれ、明日に式典が行われる。 まだこれからである。


「まずは着替えをしましょう。 少し楽になって、落ち着きましょう」


「ありがとうございます」


職員さんはジョアンナの手伝いで、ジャケットを脱ぎ、ソファーに落ち着いた。

その後ろを護衛の一人が、俺たち三人分の礼服を運んでいた。

その中でふと部屋の隅に気配を感じたマサルはショックロッドを構えて近づく。


「そこにいる方、今出てくれば、射殺はしないであげますよ」


すると、少女という感じの女の子が出てきた。

恰好はメイド服を着ている。 ひとまずメイドさんを呼び、確認すると見習メイドさんとのこと。 情報漏洩を防ぐためもあり、そのまま部屋付きになってもらった。 メイド頭さんも執事さんも賓客の要望には、強く言えなかったらしく、認められた。


「さて、どこから聞いていた?」


「いや、何も・・・「嘘をつくなら君はここで消えるよ?」ひっ!本当に何も聞いてません!本当です!信じてください!」


少女は明らかにおびえていたし、嘘をついているようには見えないことからそのまま、部屋付き仕事をしてもらった。 少女は戦災孤児で、救済措置の一環で王宮勤めをすることになったと、話してくれた。 機密保持もあるが、アバロンへの就職を進めると、涙を流して喜んだ。 彼女の両親もアバロンへの就職をするために移動中に帝国軍の偵察兵に暇つぶしに殺されたと、涙ながら伝えた。

しばしの時間が経った頃にドアをノックする音がした。 彼女は相手の確認のために少し扉を開けたのちに開けると、執事さんが立っていた。


「マサル様、あと一時間でお時間になります。 準備の方をよろしくお願いいたします」


「分かりました。」


執事さんはそれを伝えると、一礼をしたのちに退室した。

マサル達はそのまま、礼服に着替えると、迎えに来たメイドさんについて宴席の会場に向かった。


「トールハンマー隊長、マサル様お入りになります!」


そのまま、会場に入るとすでに入場していた貴族達が、マサル達に注目した。

入場してすぐに囲まれた。

マサル達もある程度は整理をしたが、やはり勢いがあり、少し押され気味になった。

そこへ例の侯爵が現れた。


「これこれ。 あまり取り囲んでは失礼ではありませんか?」


「貴族としての品性を疑われますな。」


「真に。」


侯爵と取り巻きの声に取り囲んでいた貴族達が道を開けた。

その中央をゆっくりと歩いていた。 そして、一言だけ言うと、去った。


「式典が終わった際に少し時間を頂けますか?」


「分かりました。」


「では。」


侯爵は取り巻きを従えて、その場を後にした。

前夜祭は何事もなく、進んでいく。

当然ではあるが、王宮からも使者が職員さんに近づいてきた。


「陛下が式典後にお時間を頂きたいとの仰せです。 お願いできませんでしょうか?」


「分かりました。」


使者さんもそれだけ伝えると、そのまま離れていった。

宴席はその後は何事もなく、過ぎていった。

そして、翌日の式典当日になった。

職員さんには用意した紺のタキシードを着て、ジョアンナはドレスに、マサルもスーツに着替えて、参加した。 式典には、様々な騎士や貴族が報償を受けるために集まっていた。

式典が始まると、王陛下の挨拶の後に進行係の役人に従い、名を呼ばれ、呼ばれた者が御前にしゃがみ、王より報償を貰っていく。 進んでいき、いよいよマサルの番になる。


「トールハンマー首領、マサル殿!御前へ!」


呼ばれてことで、職員さんが御前に進み出て、礼をする。

頭を下げたことで、進行役の役人が報償内容を発表する。


「トールハンマー隊長、マサル殿!」


「先の大戦の功績により当国内に建設された都市アバロンと周囲10キロを自治領にすることを認めると共に保有兵力の保持を認める!そして、予備役兵3千名の追加配属と報奨として金貨3千枚を授与するものとする!」


「はっ!ありがたく頂戴します。」


しかし、会場内は少しざわついていた。

理由は予備役兵団の隊長が、金貨百枚だった。 しかし、追加兵員の配置換えとはいえ、訓練が必要であるからある意味、報償の金貨は訓練費用と食費に消える事は分かっているから。

実質ゼロ報酬だ。 そこに驚いているが、マサルは受けた。 それに驚いた。

そのまま、従兵の元へ帰っていく後姿をただ見ている一同だった。

式典も進行役の役人の宣言で、終了した。

 そして、もう一つの戦いが始まる・・・。

なんだかんだと、読み専から転向して4か月がたちました。

最初に書いた作品も80話を数え、今作も40話を数えるほどになりました。

ここまで続けられたのも、見て下さる方々の温かい気持ちだと、思っております。

今後もよろしくお願いします。


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