獣たちの戦場(話し合い)
少し違う女性の戦いを描いてみました。
少しでもよかったら嬉しいです。
マサルと別れて女性4人で、会議室へ入る。
彼女たちにとって、群れのトップはマサルだが、彼は人族である為に獣人族の様に順位を決めない。 決めようとはしない。
獣人族の彼女らは、どうしても順位をつけることが、当たり前になっている。 それ次第で自身の立場が決まる。 階級では、指令代行様>ユリーダ>ユリ>エリザの順番だ。
ただ、階級は関係ないが、優秀な獣人は、信用を得やすい。
当然だが、信用されなければ、寵愛もお情けも頂けない。 マサルの知らない所で彼女らは、戦っていたのだった。
マサルからの信頼という物を得るために。
マサルに寝所に呼んでもらえる様に。
「まずはマサルの周りにいるのはこれで全員か?」
「ああ、そうだ。 彼はそんなに浮気をしていない。」
「まあ、大勢女がいる男では、信用は出来んがな。」
「それは言えますね。」
「ですです」
こうして、マサルを囲む女性たちの話し合いが、始まった。
しかし、最初からいる3人に後から来たが、階級が上の1人では、やはり部はある。
その上で彼女だけが、ふれあいもなかった。 その為、徐々に雲行きが怪しくなり、互いに主張し合いから徐々に互いの罵り合いにまでに発展してしまう。 そして、様子を心配した隊員の有志が、入り口の警備を買って出てくれた。 そして、事を進んでいく。
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<マサル視点>
会議室に籠り、話をしている女性陣が3時間も帰ってこないために心配になり、会議室へ向かうと、入り口に女性兵士(獣人)が2人立っていて警戒していた。
「彼女たちは平気か?心配で見に来たんだが。」
「これは隊長!中は平気です。 ですが、今は入らない方が良いかと・・・。」
「なぜだ?」
言い淀む二人に何かを察した。
しかし、放置するのもと、思った自分は考えていると、中から言い争う声が聞こえた。
「大丈夫か?これ?」
「ちょっと、私見てきます。 隊長は入らないで下さい。」
「ああ、わかった。」
「皆さん!何をしているんですか!」
女性兵士の一人が、扉を少し開けて大きな声をあげて入っていくが、一向に収まる気配がなかった。
そんな中でとうとう何かが砕けるような音が響く。
流石に危険だと判断して部屋に飛び込んだ。 女性兵士の止めるのも聞かずに。
「大丈夫か?!」
そこにはキャットファイト繰り広げられていた。
4人の獣人の女性が、互いの髪や服を引っ張ったりしている女性陣を必死に止めようとしている女性兵士の奮闘があった。
とても収まらないと判断した自分は、隣にいた女性兵士にスタングレネードを持ってくるように伝えた。
「隊長、さすがにそれは・・・。」
「これは命令だ。」
「わかりました。」
女性兵士はそのままスタングレネードを取りに出る。 自分も彼女らを残して、部屋をでる。
数分後にスタングレネードを持った兵士が帰ってきた。
「やっぱり使うんですか?我らにはきついんですが・・・。」
「部隊の中枢にいるものが、振り乱しての喧嘩など、見苦しい。 猛省を望む。」
そのまま、グレネードのピンとレバーを外し、扉を少し開けて投げ込んだ。 そして、閉める。
ボン!
グレネードの破裂と共に音と刺激臭の襲われる中で、中のメンバーの叫び声や悲鳴が響く。
影響がなくなった頃に入室すると、そこには鼻や耳を抑えて転がっている5名がいた。
「落ち着いたかな?」
「たっ、隊長。 ひどい・・・。」
「耳が!鼻が!」
「ううう」
「あんまりだぁ」
「あっ、あああ。」
各自が転がっているが、全員が服装が乱れている。 女性用ジャケットは部屋中に散らばっており、すべてがボタンがはじけ飛んでいた。
その上、ブラウスもボロボロで破れていない人はいなかった。 タイトスカートも捲れ上がり、ほぼ下着は丸出しだった。 ちなみにユリーダとユリは白でエリザは青。 唯一の文官(?)の佐官殿は紫でした。 止めに入った兵士はパンツルックなので、わかりません。
落ち着いたあたりで、4人を正座をさせた。
「何でここまでになったのかな?」
「あの、その、ちょっとした意見の食い違いと言いますか・・・。 ははっ」
「ほう?もう一発食らいたいのかな?」
「ごめんなさい。 勘弁してください」
流石にスタングレネードをお手玉をしているマサルをみて、全員が土下座した。
感覚が鋭敏な獣人には、下手な武器より効く。
「あの細かい事は女性にとって、デリケートな問題なのでそこは触れないで頂きたいのですが・・・。」
「分かった。 以後、気を付けてくれ」
「「「「すいませんでした」」」」
こうして、彼女らの決闘はスタングレネードで終わりを告げた。
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騒動が終わり、正座のままの彼女達ではあるが、正気になったマサルが聞いてきた。
「所で、なんの集まりだったんだ?」
「それはそのー、なんだ。」
「女性陣のみで意思の疎通がうまくいくように話し合いです。」
「疎通?」
「はい。 その通りです。 」
「ほう?」
「男性はどうしても短絡的になりやすいんです。 その為に女性的な視線で対応策を練っていました。 意見の食い違いで、このようになりましたが。」
「なるほど・・・。 一考の余地はあるな。」
「はい。 ここは獣王国にとっても重要拠点となりました。 対策を考えるのは当然です。」
「わかった。 取っ組み合いにならないのであれば、許可しよう」
「「「「ありがとうございます」」」」
そういうと、隊長はそのまま退室していった。
退出後に全員が集まってきた。
「助かったぜぇ~。 ホント」
「一時はどうなるものかと、思いましたよ」
「ですです!」
「あんたたち・・・。 本気で言ってる?」
「えっ?」「です?」
「はぁ~。 咄嗟の機転でもっともらしい事を言ったけど、言ってしまった以上、対策を立てないと今後に響くわ。」
「確かに・・・。」
事態を理解して黙ってしまう一同。
そこに一言、伝えられる。
「何をしているの?こうなったら対策を練っておくのよ。 今後のために!」
「ああ、そうだな。」
「「はい。」」
こうして、彼女のいる会議室は多くの女性隊員達が、ひっきりなしに出入りしている状態になり、日が暮れるまでそれは続いたのであった。
ここ最近、体調が芳しくなく、ずっとバッドで寝ていました。
熱は出ないのですが、喉と鼻が辛く、仕事に打つことが出来ませんでした。
申し訳ございません。




