懲りない方々
<連合ギルド・執務室>
「傭兵団が退去したそうだな。」
「はい、トラックを連ねて獣王国方向へ退去しました。」
「そうか。 しかし、あれだけの人間が食べるだけの食料はあるまい。 先月までの傭兵団の食料の購入量くらいは用意をしておけ。 必ず買いに来るはずだからな。」
「はい。 わかりました。」
「精々、高く売りつけるかな?ふふふ・・・。」
それから一週間がたったが、傭兵団が食料を購入に来ないことに徐々に焦り始めた。
「なぜ、仕入れに来ないんだ?どうしてだ?獣王国も食料が足りないはず・・・。 なぜこんのだ?」
「失礼します。 ギルド長、少し相談があるのですが、よろしいでしょうか?」
「なんだね?」
「最近、単純作業のための人出が確保できません。 一般市民にも範囲を広げても良いでしょうか?」
「それはどういうことだね?戦争避難民や孤児の仕事だろう?なぜ確保が出来ないんだ?」
「それが避難民用の敷地にいる数が減ってきているんです。 孤児も路上にいる数が減っており、ある程度纏まった数で街を退去しており、以前のようにあふれるほどだったのが、今では、数えるほどしかいません。 ただ、市民ともなると、今の給金では足りないので、増額をしたいと思いますが、許可を頂けますか?」
「仕方があるまい。 石鹸等の売り上げもあるから大丈夫だ。」
「わかりました。」
「考えすぎかな。 様子を見るか・・・。」
こうしてさらに2週間もたつと、自身の読みが甘かったことを痛感される。
単純作業の要員は給金を倍に増やしたことで確保が出来たが、隣国の獣王国の輸出量が三分の一減り、石鹸の購入量は半分前後に減った。 避難民のほぼすべてが退去し、冒険者の半数もいなくなり、片親世帯も減った。 輸出量は連合各国の追加購入で通年通りになったが、今後は未知数になった。 市民の中にも退去する世帯が出始めた事で、危機感が増えた。
これにより一層、賠償金の支払いに不安が出始めた。
「まずは近隣の冒険者にこの街で活動してもらうように促せ。 少しでも販路を広げろ」
「わかりました。 取り掛かります。」
こうして、近隣から冒険者が少しではあるが、集まるようになるがまた減り始めた。
そこまできて、輸送隊に参加していた職員が輸送路から少し離れた所になるが、人口の建物がある場所があるという報告を受けた。
「それはどこだ?」
「はい、この街から獣王国方向へ1日ほど進んだ所に廃鉱山があるのですが、そこにありました。」
「?廃坑?避難民の村か?」
「いえ、そのようには見えませんでした。 とはいえ、確認をしている暇もありませんでしたので、遠目での目視なので、見間違いとも・・・」
職員は報告はしたものの、確認をしていない事をとがめられると思い、自信のなさそうになる。
「いや、気にしないでくれ。 ただ、貴重な報告をありがとう。 新たに確認をする部隊を派遣しよう」
「わかりました。」
そして、確認の依頼が出されたが、避難民のテントの群れだったとの報告をした冒険者が次々と姿をけした。 やはり、怪しいと職員数名も派遣したが、同様の報告をした後で役目を果たせなかったと、退職してしまい、そのまま家族と共に街を去ってしまった。
「やはり怪しすぎる・・・。 もうすでに市民の一割が退去して、職員も5名が去った・・・。」
「やはり私が向かう!」
ギルマスは信用できる職員数名と冒険者5名を護衛に旅立った。
そして、報告は偽証だという事を思い知らされる。
そこには、鋼鉄の門を備えた要塞前都市が出来ていた。
「まさかこんなことが・・・。 ありえない・・・。」
「ギルマス・・・。」
付いてきた職員も二の句がでなかった。
そこには、多くの食料や日用品が並び、出店が出ている。
治安も良いらしく、女性が一人で買い物をしていた。
これにより自分の街から人が流れることが確実になった。
そして、すべて目測を誤ってしまったことを思い知った。




